表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨の物語  作者: 伊湖夢巣
38/43

7章 再会 4節

「さあ皆が待ってる。あっちに行こうか」と、あつしが美奈代の肩を抱き、先程の売店の方に歩いた。


あつしは皆と言ったが、孝一とトム位だろうと美奈代は思っていたが、そこに居たのは孝一、トム、そしてその横に、あつしは会ったことの無い女性がいたが、もう一度孝一の方を見ると、その横に桂子が半分隠れるように、孝一の後ろに居た。


美奈代はもちろんの事、あつしも桂子の姿を見た時は驚いた。


美奈代は、一瞬立ち止まりそうになったが、あつしは、美奈代の肩をしっかり抱き、二人は立ち止まる事も無く、売店近くの4人の所まで行った。


「よう」と、あつしは平然を装い孝一に手を上げた。


「よう」と、孝一も返したが、「お前、それ以外に何かもっと気の聞いた挨拶は無いのかよ」と、あつしを指さしながら言った。


「そうは言ってもなぁ、何がどうなってんだか、分かるか。今俺がどれほど混乱してるか」と、皆の顔を見回した。


あつしのとっては、見知らぬ女性の方を見ると、トムが、

「ああ、この女性は」と言いかけると、

「キャスリン、あなたがこれを・・・」と、美奈代は言い『仕組んだの?』と、言う言葉は飲み込んだ。


「そう、トムとね、そして孝一と3人で相談したのよ」と、楽しげに言うものだから、美奈代は、『なぜ行く前に言ってくれなかった』と、抗議するつもりだったが、その気がうせた。


「久しぶり」と、あつしは桂子の方に言うと、

「ひさしぶり」と、桂子もオウム返しに言った。


「ところで何が、どうなってるのか、誰か説明してくれないかな」と、改めて4人の顔を見ながらあつしが言った。


「まあ、皆が顔を合わせられるよう、俺たちが画策した。ただそれだけだ」と、孝一は、一言で済ませた。


「まあ、簡単な説明だな。まあいいか。それでそっちはどうなってるんだ」と、あつしは、孝一と桂子の顔を見た。


「うん、まあまあだ」と、桂子の肩に手を回した。


「なるほどな」と、あつしは言い、「俺たちも、まあまあだ」と、言って美奈代の肩を抱いた。


ここに居る6人にとって、その言葉だけで今は十分だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ