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恐るべし昭和、意外と正確な噂が流れていたのかもしれないと思った話

作者: 山田 勝
掲載日:2026/02/25

昔、昔、昭和の後半の時代、お爺さんとお婆さんがいました。



「爺さんや。見回りにいくのかい?」

「そうじゃ!最近、狸や狢が畑を荒らしておるのじゃ!」


お爺さんは懐中電灯を持って、畑に行きました。

昼間は海が見える景色の良い場所でした。


お爺さんが見回りをしていると、海の方角から光が見えました。



お爺さんは懐中電灯で照らします。すると海の光はまるで答えるかのように、チカチカと点灯します。


「この時間、漁に出ている者はいない。さては狸だな!」



お爺さんは正体を確かめようと懐中電灯で照らしますが。



「そこのお爺さん。何をしている!」

「署まで来て下さい」


「な、何じゃ!」


背後から警察官が現れました。


署まで連行され。


「不審船の仲間じゃないか?」

「何をしていたか?!」

「合図を送っていたのではないか?」


と朝まで尋問され。やっと、家に帰ることが出来ました。


「婆さんや。大変じゃった」

「お爺さん!大変じゃ。昨晩、畑を狸たちに荒らされたのじゃ」


「な、何じゃと!」

「お爺さん」


「さては、狸め!不審船に化けたのじゃないか?」


と叫びました。



・・・・・・・・・・・・・



俺はこの話を聞いて疑問に思った。


「ちょっと、待って下さい。おかしいよ。北朝鮮の不審船が話題になったのは平成になってからでしょう?」



すると義母は答えた。


「フフフ、甘いわ。日本海側だとね・・・」



☆1980年代


『道子!この時間に遊びに行くと北朝鮮に連れ去られるわよ!自転車で遊びに行くのやめなさい』


チリン!チリン!


「え~、お母さん。怖いよ」



・・・・・・・・・・




「って、私の友人が話してくれたわ。1970年代からそう言われていたみたいね」


「まさか、でも・・・」


日本海側でアベック連れ去り未遂事件などが起きて、庶民はとっくに分かっていたそうだ。


さらに義母は話を続ける。


「狸が化けたのは不審船だけではないわ・・・例えばお爺さんの最後の台詞は変化するわ」



「ギャフン!狸は密航船に化けたのか?」

「な、何だと、狸はヤクザのトカレフ密輸船に化けたのか?」

「え、狸は韓国の密漁船に化けたのか?」


等々、地域によって若干の差があるわね。


「密航船って・・」

「バブル時代、日本は空前の好景気だったの。中国から密航船が来たわ。日本の一日の日当が祖国の月給に相当するのですもの。イラン人とかも来たかしらね・・・」


「今じゃ考えられない話だね」


でも、この話は、バブルがはじけたり。不審船が撃沈されてからは聞かなくなったそうだ。



もしかして、昭和の時代、庶民は昔話や噂話に託して危険を伝達したのか?

現代のSNSみたいなものだったのかもしれないと思った。


最後までお読み頂き有難うございました。

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