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第5話 八百松青果店

 「はーい いらっしゃい いらっしゃい 今日はミカンが安いよー」

八百松の仁さんがみかんをカゴに並べている。

「なんだよ あんた 客なんかいないじゃないの 田んぼにでもみかんを売っているのかい」

八百松のちづ江さん、いつものように毒舌をはいている。 

「それにしても今日は暇だねーまた隣町にリヤカーでも弾いて行商でもしてこようかね」とリヤカーを横の倉庫から引っ張り出した。 

「悪いね かあちゃん」  

「いいよ いいよ 客が来ないならこっちから行くしかないからね」

八百松のちづ江さん リヤカーに大根やら 白菜やら積み込むとどっこらしょっと 掛け声かけて隣町へと向かった。  

 昨日の夜中は大雨だったからね 道がぬかるんでいて ふー

あーあ 川が増水してすごいことになってるね。 あらら 橋が通行止めかね

せっかく運んできたのに、、、、、、



 あー もうだめかと思ったニャー まさか川に流されるとは思わなかったにゃ

あ、ケンさんは大丈夫かな けんさーん  けんさーん ニャーニャー 

 僕は奇跡的に川岸にたどり着き、ケンさんをさがしながら歩いていたんだ。

そしたら大きなリヤカーを引いたおばさんが僕を見つけて濡れた体を拭いてくれた。

ご飯もくれたんだ。 僕はそのおばさんのリヤカーに乗せられたんだけど、ケンさん

を探さないといけない。 だから 飛び降りたんだ。


 八百松のちづ江さん 引き返そうとしたその時、草陰でニャーニャーと子猫の鳴き声が

「あらら 猫が大好きな千津恵さん あーあ かわいそうにびしょびしょじゃないかよ」

ちづ江さんはタオルで拭いてあげた。 

「あーたしか三毛やキジトラにあげようと思っていたエサがどこかにあったね」 

とリヤカーの中にある金袋を出すとあったあったと餌をだしてあげた 

「おなかすいていたんだね」

「これからどうするんだい うちの商店街に来るかい」

その茶とらの猫をリヤカーにのせた・・が ぴょーんと飛び降りるとまた草むらにきえてしまった。

   

 翌日、八百松のちづ子さん 今日もリヤカーを引いて隣町へ行商に向かった。

橋を渡ろうとすると、昨日のチャトラ猫が橋のたもとに座ってる。 

「アレー今日もいるね。 ほら、おいしいごはん持ってきたよ」 

とそのチャトラに差し出した。そのにゃんこ だいぶ歩き回ったのか泥だらけ。 

「今日もきれいにしてあげようね」 

とタオルで泥を取ってあげた。

「チャトラさん 今日は一緒に来るかい」 

というと、ちょこんとリヤカーに乗ってきた。

「そうかい そうかい じゃあ 一緒においで」


「はーいいらっしゃーい 大雨で大変でしたね おいしい野菜 たくさんもってきましたよ」

と、いつもの公園横でお店を広げた。 

するとその茶猫 ミカン箱の上にちょこんとのってお客さんに愛想をふるまいだした。  

にゃなやなーにゃにゃにゃー 

「あらら かわいい店員さんだね」 

とお客様がみな足を止めていく。 ついでと言っては何だが、野菜も買ってくれる。「あらら〜こりゃー招き猫 拾っちゃたかね」 


「さあ、チャトラさん おうちにつきましたよ」  

「なんだよ そのにゃんこかい 昨日いってたのは」 

「そうなんよ なんと この猫 招き猫だよ あんた お客さんが寄ってくること

もう驚いたわ」  

「へー じゃあ うちで飼うかい」

「いいかい あんた」    

「いいよ 招き猫様だもんな  あははは」

しかしリヤカーからチョンと飛び降りると走って逃げてしまった。

「あらっららら なんだよー  うちで飼ってあげるのに どっか行くのかい」  

「まあ、好きにさせてあげなよ この商店街はみな 猫にやさしいから」

「そうかい 大丈夫かね  三毛 やキジトラにいじめられないかね」


にゃにゃにゃにゃにゃ ありがとにゃー  またくるからにゃー 

うん 三毛 きじとら なんだろうにゃー  まあいいや 

ケンさんを探しに行くニャー      


ふー ふー   あにゃ にゃんだ  

なんだい あんた よそもんかい  ここにいるんなら挨拶ぐらいしニャー

と目の前に現れた白猫に猫パンチをもらった。

バチ バチ バチ  にゃー 何するにゃー

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