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かまいたち


立山フィールドのランキングが順調に上がっていく中、俺はネットの掲示板をチェックすることにした。挑戦者たちがフィールドの攻略情報を共有している場所だ。最近、自分のフィールドに挑戦する者が増えているのは感じていたが、どんな評価をされているのか気になった。


「フィールド攻略掲示板…っと。立山フィールドの話題はどこだ?」


いくつかスレッドを漁っていると、ついに見つけた。「立山フィールド」の名前が書かれたスレッドをクリックする。内容を読んでみると、予想以上に注目されていることがわかった。



---


「立山フィールド攻略スレ」


> 1: 名無しさん

立山フィールドに挑戦してみたんだけど、あそこヤバすぎないか?

天候変化に強風、落とし穴トラップとか、踏破するの超キツイんだが…。




> 5: 名無しさん

しかも、最後に現れるボスが異常に速いんだよな。全然動きが見えない…。あれはマジでかまいたちだわ。




> 10: 名無しさん

かまいたち?誰か詳しく。




> 13: 名無しさん

俺も立山フィールド挑んだことあるけど、最後に現れるボスは本当に速すぎる。あまりの速さに姿が見えなくて、風に斬られたようにしか感じないんだよ。だから、みんなあのボスのことを「かまいたち」って呼んでるらしい。




> 18: 名無しさん

立山フィールドって地味だと思ってたけど、ランキング急上昇してるのも納得だな。あの速さはヤバすぎる。





---


「かまいたち…だって?」


俺は思わず笑ってしまった。どうやら俺の高速移動スキルが挑戦者たちには見えなくて、風の刃に斬られるように感じたらしい。その結果、俺には「かまいたち」というあだ名がついたということだ。


「かまいたち、か…悪くないな」


あだ名は気に入った。かまいたちは、昔から日本の伝承に出てくる、風の中で人を斬る妖怪だ。俺のスピードとイメージがぴったりだと思う。


「よし、これは面白いことになってきたな」



---



「かまいたち」というあだ名を気に入った俺は、さらにそのイメージを強調することを思いついた。かまいたちと言えば、やはり「鎌」だ。挑戦者たちにもっとインパクトを与えるため、俺は鎌を手に入れることに決めた。


「ホームセンターで手に入るかな?」


俺は近所のホームセンターに向かい、農具のコーナーを探し始めた。棚には様々なサイズの鎌が並んでいる。その中で、程よいサイズの鎌を手に取ってみた。握り心地も悪くない。これなら、フィールドでのスピードを活かして「かまいたち」のイメージにぴったりだ。


「これにしよう」


鎌をカゴに入れ、レジで支払いを済ませる。店員が少し驚いた顔をしていたが、俺は気にせず店を出た。


「これで、さらに挑戦者を驚かせられるな」


鎌を手に入れたことで、俺の「かまいたち」スタイルは完成に近づいていた。フィールドに戻り、挑戦者たちを待ち構える準備を整える。



---


その日も、挑戦者が立山フィールドに現れた。今度は三人組のパーティだ。彼らはフィールドの攻略情報を調べていたのか、慎重にトラップや天候を避けながら進んでくる。だが、フィールドの最後に待ち構えている俺の存在に、まだ気づいていない。


「よし…鎌の出番だな」


俺は手に入れた鎌を握りしめ、高速移動スキルを発動する。瞬時に三人の後ろに回り込み、風のように彼らの間を駆け抜けた。


「何だ!?今の風!」


「速すぎる…!あいつが、かまいたちか!」


彼らは俺の動きに驚愕し、攻撃を仕掛けようとするが、俺の動きは見えない。さらに、鎌を振りかざして風を切りながら再び彼らの間を駆け抜けた。


「や、やばい!これは勝てない!」


三人は恐れをなして、フィールドから退場していった。鎌を使ったことで、挑戦者たちにさらに「かまいたち」としての印象を強めることができたようだ。


「ふっ…これで俺のフィールドはますます注目されるな」


掲示板で「かまいたち」の噂が広がり、さらに多くの挑戦者が立山フィールドに挑んでくるだろう。次はどんな挑戦者が来るのか、楽しみで仕方がない。


「さあ、次は誰だ?かまいたちが待ってるぜ」


俺は鎌を肩にかけ、フィールドの中心で次の挑戦者を待ち構えた。



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