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挑戦者



立山フィールドを改造してから数日が経った。静かだったフィールドが少しずつ動き始め、俺のもとに挑戦者の気配が感じられるようになった。ついに、その時が来た。


「来たか…」


フィールドの入口付近に、二人組の挑戦者が姿を現した。一人は長身の男で、もう一人は小柄だが敏捷そうな女性だ。彼らは手を繋いで立山フィールドを見上げている。


「やっと見つけたか。52位のフィールドなんて大したことないだろうけど、一応挑戦してみようぜ」


「うん、少し運動不足だったし、ちょうどいいかもね」


彼らは軽い気持ちで挑戦しているようだが、俺はニヤリと笑った。この新しい立山フィールドがどれだけ厳しいか、すぐに思い知ることになるだろう。


挑戦者たちがフィールドに足を踏み入れると、早速天候が変化した。急に空が曇り、激しい豪雨が降り注ぐ。


「えっ!?何これ、天候が急に…」


「大丈夫だよ、ただの雨だろ?進もうぜ」


二人は雨に打たれながらも、山道を慎重に進み始めた。だが、足元はすぐにぬかるんで、動きが鈍くなっていく。


「なんだよ、この泥…足が全然前に進まない!」


「こんなに酷いなんて思わなかった…でも、私たちなら大丈夫!」


彼らは必死に前進を続けるが、次に待っているのは隠されたトラップだ。突然、道の一部が崩れ落ち、小柄な女性がバランスを崩して落ちかけた。


「危ない!」


彼女は何とか手を伸ばして崩れた道をよけたが、その顔には焦りが見えている。さらに、強風が吹きつけ、挑戦者たちは押し戻される。


「くそっ!この風、全然前に進めない!」


彼らの進むペースが大幅に落ちてきた。それを見計らって、俺は高速移動のスキルを発動した。


「俺の番だな…」


瞬時に二人の後ろに回り込む。彼らが俺の気配に気づいた瞬間、俺は疾風のごとく彼らの間を駆け抜けた。


「えっ!?何だ今の!?」


「す、すごい速さ…!」


俺はあっという間に彼らの前に立ち、挑戦者たちに向き合った。二人とも驚愕の表情を浮かべている。


「おい、あの速さって…!」


「こんなの無理よ!動きが見えない!」


挑戦者たちは動揺し、対策を考えようとするが、俺のスピードは彼らの予想を超えていた。再びスキルを発動し、一瞬で彼らの背後に回り込み、次の一撃を見舞う。


「ぐっ…!」


二人は立て続けに攻撃を受け、ついに耐え切れなくなってフィールドから退場した。圧倒的な速さで撃退した俺は、満足げにフィールドを見渡す。


「このフィールドでは、速さがすべてだ。挑戦者に勝ち目はない」



---


その後も挑戦者たちが続々と立山フィールドに挑んできた。最初は52位だったフィールドランキングも、次第に上がっていった。天候の変化、隠されたトラップ、そして俺の圧倒的なスピードに、多くの挑戦者が撃退されていったからだ。


「フィールドランキングオープン」


ステータス画面を確認すると、ランキングは以前とは見違えるほど上がっていた。52位だった立山フィールドは、今や 全フィールド70中23位 にまで上昇していた。


「よし…順調だな」


挑戦者たちの間で、俺のフィールドが「速さのフィールド」として徐々に話題になり始めていることも感じる。これからもさらに多くの挑戦者が来るだろう。だが、その全てを撃退し、さらにランキングを上げるつもりだ。


「次はトップ10を狙うか…楽しみにしておけよ」


俺は自信を胸に、次の挑戦者を迎え撃つ準備を整えた。立山フィールドは、今や挑戦者たちにとって最大の難関となりつつあった。



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