出現
数日後、世界中で「ユニークフィールド」と呼ばれる特別な地帯が突然出現したというニュースが流れた。ニュースキャスターが真剣な顔で伝える。
「現在、世界各地でユニークフィールドと呼ばれる特別なエリアが出現しています。このフィールドを攻略すると、一人一箇所まで、自分のフィールドとして所有できるとのことです」
「フィールドを攻略するって…どういうことだ?」
画面をじっと見つめながら、頭の中で様々な可能性を思い浮かべた。各国がこのフィールドを巡って競争を始めているらしいが、日本国内にもいくつかのフィールドが出現しているようだ。
「これ、面白そうだな…」
そして、そのフィールドの一つが、なんと自分の地元である富山にも出現していたのだ。
「富山か…これって運命か?」
心がざわつく。地元に出現したフィールドを見過ごすわけにはいかない。高速移動スキルを使えば、誰よりも早くフィールドにたどり着けるだろう。そう思った瞬間、体が自然に動き出した。
「行くしかないだろ!」
高速移動を発動させた瞬間、目の前の風景が一気に流れ去る。自分が考えるよりも速く、景色が次々と変わっていく。まるで時間すら追いつけないような速さで移動している感覚だ。
「すげえ…これが俺の力か」
風を切る感覚に酔いしれながら、あっという間に富山のフィールドの入り口にたどり着いた。そこは、古い山々に囲まれた美しい場所で、異世界のような雰囲気が漂っていた。
「ここが…ユニークフィールドか」
息をつく間もなく、フィールド内に足を踏み入れた瞬間、空気が一変した。まるで異次元に足を踏み入れたように、景色が変わる。周囲には奇妙な生物や、怪物がうごめいていた。
「まずい、こいつらヤバい…」
しかし、高速移動スキルを使えば、そんな危険も問題ない。瞬時に距離を取り、モンスターたちの攻撃を回避しながら、最短ルートで進んでいく。
「こんな速さ、誰もついてこれないだろ!」
罠をすり抜け、モンスターを回避し、ついにフィールドの中心部に到達した。その瞬間、何かが弾けるようにフィールド全体が静寂に包まれた。
「これで…俺のフィールドか」
心の中で小さな達成感が広がる。富山のフィールドは、これで自分のものとなった。新たな力が体内に流れ込むのを感じながら、ふと空を見上げた。
「これからどうなるんだろうな…」
だが、その答えはまだ誰にも分からなかった。ただ一つ言えるのは、これからの世界では速さが自分の最大の武器になるということだ。