黄金色の湖を
ひさびさにこういうの描いた気がします。
黄金色の湖を
眼下にひろげて おれはとぶ
水たまりよりも広大で
海よりはずいぶん狭っちい
止まり木もなく ひとあしに渡ろうと
挑むにはちょうどいいでかさ
黄金色の湖を
翅に映して おれはとぶ
こんがり焼きの太陽め
おまえのぎらつきを映したわけじゃない
水面のゆらめきにやわらいだ
ざらついた黄金色を映すんだ
おまえのぎらつきをじかに映したんじゃ
おれの翅を焦がしちまうぜ
黄金色の湖を
ひとあし渡りに おれはとぶ
止まり木もないけど
挑むにはちょうどいいでかさで
もし むこう岸が見えるまえに力尽きても
黄金色に堕ちる ひと雫になれるのなら
そいつはおれには 見合う以上のなれの果てだって
唇だけで笑えるから
引き返そうだなんて これっぽっちも考えなんだ
黄金色の湖をおれはとぶ
眼下にひろげて
翅に映して
ひとあし渡りに おれはとぶ
蜻蜓のイメージ。