第9糞 孤独のグルメ
短いです。すいません。
オレは体臭でモスキートを倒した。
『スカーレットさん、松谷といい感じに別れましたけど、死んだらどこで生き返るんですか?』
『…死んだ場所からですね〜』
『……やっぱり』
『!?、キンタさん速くここから離れないと!』
『そんなこと分かってますよォおおお!!』
オレは全力で走った。
「はぁ、はァ」
足を止めた場所はさっきのチョウカク村とは違い、人が多く、賑わった場所だった。
『スカーレットさん、ここって?』
『ここはミカク村ですね!』
『やけに賑わってますね…』
『まぁグルメ目的でこのゲームやってる人が多数ですからねぇ〜』
『あぁ〜、松谷が言ってましたね〜』
『そうです!』
そんなこんな話していたがオレの頭の中はさっきのモスキート戦のことでいっぱいだった。
『!!』
『どうしたんですか?キンタさん』
『なんでオレのレベルカンストしてんでしたっけ?』
『そういえば後で話すって言って話してませんでしたね
…フランスカンクって覚えてますか?』
フランスカンクはめっちゃ臭いスカンクらしい。
その時初めてオレの体臭が分かったこともあり、もちろん覚えていた。
『覚えてますけど…』
『実はあのフランスカンク、キュウカク村のボスなんですよね…』
『ぇぇえ!そうなんですか!?』
確かにフランスカンクの分泌液を喰らったら一撃で死ぬのにそんなキャラがモブの敵というのもおかしい。
『……でもなんでボス級の敵が森の中にあんないたんですか?』
『それは……私にもよく分からないですね…』
『つまり、バグ…ってコト?!』
『そうなんじゃないんですかね
まぁボスを倒しまくった経験値でカンストしたと思ってもらえれば大丈夫です!』
どうやらスカーレットさんにもよく分からないらしい。
しかし、このゲームの中で神様にも分からない何かが起こっているという事が俺にも分かる。
『とりあえず!ミカク村探索しましょう!!』
『……はい!』
探索していて分かったこととしては村にいる人々の殆どが何かしら食べていた。
それは松谷が言っていた五感ブレイカーの飯は美味いというのが関係しているのだろう。
『…みんな美味しそうに食べてますね』
『そうですねー、キンタさんも食べてみてはどうですか?』
『でもオレ、ヘルメットしてるんで食べられなくないですか?』
『あっ!そうでしたねー……まぁ買うだけ買いましょう!』
その後、ハンバーガーや漫画で見るような骨付きの肉を買った。
見た目はとても美味そうなのだが、匂いが分からないのが残念だ。
『スカーレットさん、姫宮さんいないですね…』
オレはミカク村を探索しながら、姫宮さんも探していた。
『気長に探しましょう!まだまだ時間はあるんで!』
そして、姫宮さんを探していたら人気の少ない所に来てしまった。
『姫宮さんもうミカク村にいない気がするんですけど…』
『いや、まだいるはずですけどね』
一応神様のスカーレットさんが言うんだから間違いはないんだろう。
『キンタさん、一応は余計ですよぉ』
『すいません…』
自分の心の中が読まれるのもいい気分がしない。
その後も呆れ半分で姫宮さんを探していたら、どこからともなく声がした。
「新商品のフランスカンクの照り焼きおいしい〜
普段はあんな臭いのに全然臭みがない!
やっぱこのゲーム食べ物だけは最高〜〜!」
オレは声のする方に行ってみることにした。
「ええぇええ!」
「ん?なんだ?……はっ!」
そこにいたのは姫宮さんだった。
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五感ブレイカーは、食べ物だけアップデートが続いています。