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うん、このゲーム糞だ  作者: 運 虎太郎
松谷編
5/27

第5糞 五感ブレイカーの実態

キンタとスカーレットさんの会話のカギカッコを『』にしました。

(ほかのキャラクターと区別するため)

オレはミカク村を目指していたがバグのせいで森から抜け出せないという問題が生じた。


『ずーっと歩いてるのに抜け出せね〜』


『ですね〜、キンタさん叫んで助け呼んだらいいんじゃないですか?』


『そうですね........』


「誰か〜、助けてください〜!」






と、叫び続けて小一時間。


「おい、大丈夫か?」

と、背後から聞き覚えのある声がした。


「おっ、あなたは?」

と、言いながら振り返った。


そこには、覇気がなく猫背でぽっちゃりとした体型の見覚えのある顔の奴がいた。


『キンタさん、あの人って?』


『はい、松谷一成(まつやかずなり)だと思います。……このゲームって顔変えられないんですか?』


『…変えられないですね。』






松谷一成とはオレが中学の頃に仲良かった『そっち側』…所謂陰キャなやつだ。

ちなみにオレとは違う高校に通っている。






「…どうしたんだ?ぼーっとして」


「あっ、あぁすいません。えっとオレの名前は…」


『キンタさん!くれぐれも本名は言わないでくださいね

…現実ではキンタさん死んだことになってるんで』


『!…そうなんですね』

だから、ユーザー名を本名にしなかったのか…



「…ワイルドドラゴンです。」


「……かっこいい名前だな」

気を遣われた気がした。


「オレの名前はマッツーa.k.a.松屋大好き人間【低浮上】だ!」


「『なが』」






「それで…この森の抜け出し方分かりますか?」


「分かるぞ。この森を抜け出すには『バグ』を使う必要がある!」


「バグ!?」


「あぁ、『ある動き』をすれば抜け出せる。

今やるから見てろよ。」

と、言うと謎の構えをし、謎の踊りをしだした。

その直後、松谷は消えてしまった。

そしてまた現れた。


「ほら、お前もやってみろ」


「その前に今何が起こったんですか?」


「1回森から抜けてまた戻ってきたんだよ」


「そんな近くに森があるんですね」





とりあえずオレも松谷の謎の踊りをやってみることにした。


しかし、森から抜け出せなかった。


「足の上げ具合が違かったな」


「結構むずいんすね」


その後3回くらいやって何とか抜け出すことが出来た。


森を抜け出した先には、ナーロッパ風の街が拡がっていた。

たくさんの店があるが、糞ゲーだからなのか人が全然いなかった。


「やっと抜け出せたか」

後ろから松谷の声がした。


「はい、ありがとうございます。」


「……なんかよそよそしいな

タメでいいよ、タメで」


「あぁ、……分かった。」

オレの正体がバレたのかと思った。


「ここって何村っすか?」


「ここはチョウカク村だな

…お前なんか変なやつだな

こんなマイナーなクソゲーやる割には何にも知らねーで」


「あ〜、弟が糞ゲー好きで弟のゲーム勝手にやってる的な…感じ?」

咄嗟に嘘をついた。


「ふーん、なるほどな」


「せっかくなんでこのゲームのこと大雑把にでいいから教えてくれない?」


「いいぞ、まず村はシカク村、ミカク村、ショッカク村、キュウカク村、そして今いるチョウカク村って感じで五感に則った感じになってる。

ストーリーでは一応1つの村にその五感に関連するボスがいて、そいつに村が支配されてるって感じだな」


「だから、人が少ないのか…」


「いや、それはただ単にNPCが少ないのとゲーム人口が少ないだけだな」


「そうなんだ。

でも、ボスがいる気配ない気がするんだけど…」


「このゲームは、ボスの半径約5メートルのフィールド内(・・・・・・)に入るとボスとの戦闘が始まるという仕組みになっている。」


「ふーん、ていうか前から気になってたんだけどこのゲームをやる目的ってなんなの?」


「ん〜と、主に2つの目的がある。

1つ目は、マップを見てくれれば分かると思うんだが、五つの村に森が囲まれてて森の中央に城があるという感じになってるんだが、その城に『ロッカン魔王』っていうこのゲームのラスボスがいるんだがそのボスがバグの関係で倒せないんだ。

で、そいつを倒すのを目的でやってるやつが極小数だがいる。

2つ目は、このゲームにある『ミカク村』に実際に味がする食べ物があって、それが腹は満たせないがめっちゃ美味しい味がするんだ!

まぁそれを目的にこのゲームをやるやつが大半だな。とまぁこんな感じだ。」


「はあぁ、なるほど」

聞き疲れた。

ていうか松谷、スカーレットさんより有能だな


『聞こえてますよ、キンタさん』


『…すいません』






オレは姫宮さんがいるミカク村への行き方を聞いてみることにした。

「…マッツー、ミカク村への進み方教えてくれない?」


「お前めっちゃお願いしてくんな!」


「これが最後のお願いだよ」


「しょうがねぇな、まぁ村を移動すんにはその村のボスを倒す必要があるからな。

まぁ、オレみたいなプロゲーマーがいないと無理な話な訳だし」

と、ドヤ顔で言ってきた。


『スカーレットさん、オレがヘルメット外せばボス倒せますよね?』


『いや、ヘルメット外したらこの村にいるユーザー全員が激臭に見回れるのでやめた方がいいです』


『…オレって、そんなに臭いんだ』


『そうです!』


『そんな、元気に言われても…』








ボスの所に向かっている時、松谷がある話を持ちかけてきた。


「最近、オレが中学で仲良かったダチが亡くなったんだ。」


「!!」

すぐに自分のことだと分かった。


自分の事だからか心臓の鼓動が早くなるのを感じた。

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