第4糞 ワイルドドラゴン
投稿が遅くなって申し訳ないです。
オレが臭すぎて人と話せないという問題が生じた。
そして、オレたちは今、人と話すにはどうするかという問題を考えていた。
「うーん、こうしよっかなぁー」
「どうするんですか?スカーレットさん?」
「いや、今うんこしよっかなぁーって言いました。」
「しょうもないこと言わないでくださいよ…」
「.........すいません」
そんな調子で悩んでいると、
「あっ!」
と、スカーレットさんが何かを思いついたらしい。
「ヘルメット的なものをつければいいじゃないですか!!」
「.........確かに、いい考えですね!」
普段うんことしか言ってないスカーレットさんがこんないい考えを思いつくとは思わなかった。
「今からキンタさんに防臭のフルフェイスヘルメット送りますね!」
オレは固定スキルを『激臭』にしたスカーレットさんのことだからヘルメットのデザインがとても不安だった。
「デザインとかオレに選ばせてくれないっすか?」
「…なんでですか?」
「スカーレットさんのことだから不安なんですよね…」
「あぁ!、うんこ関連のデザインにすると思ってるんですね!
大丈夫ですよぉ、今回はしないですから」
オレはそれでも不安だった。
「本当ですか?」
「はい、任せてください!!
私神の中でもセンスはいいんで!」
「いや、せっかくなんで僕に選ばせてくれないですか?」と言ったが全然返答がなかった。
「ちょっと、スカーレットさん…スカーレットさーん!」
神のセンスも信用ならねー
………終わった…と心底思った。
少しすると、スカーレットさんの声が聞こえてきた。
「キンタさーん!、ヘルメット作り終わりました。今から送りますね!」
と、言った直後眼前に眩い光が現れ光が止むと、ヘルメットがあった。
そのヘルメットのデザインは小学生の書道セットのドラゴンそのものだった。
「!?…これがスカーレットさんのセンス…」
「ふふん、とてもいいでしょこのドラゴンのデザイン!!」
「…正直言うとダサいです。」
「えぇ!キンタさんドラゴンのデザインの書道セット使ってたじゃないですか!?」
「それは小学生の時じゃないですか!ドラゴンかっこいいって言うのは小学生だけですよ!」
「えぇ!人間センスなっ!」
そう言われると人間と神のカルチャーギャップを感じる。
オレはヘルメットに目を向けた。
「…このドラゴンはどっから来たんですか?」
「キンタさんの書道セットから持ってきた『ワイルドドラゴン』です!
…あと言うの忘れてたんですけど、キンタさんのユーザー名もワイルドドラゴンにしました!」
「何やってるんですか!?
そこは金太でいいのに!」
「善意でやったつもりなんですけど…」
「っ…」
…悪気がなさそうでなんとも言えない。
オレは長い間ヘルメットを見てるとあることに気づいた。
「…このドラゴンなんか巻グソみたいになってません?」
「チッ…バレたか」
「はぁ」
もう呆れて怒る気力も残っていなかった。
「とりあえず、ヘルメット被って見てくださいよ」
スカーレットさんにそう言われ、オレはヘルメットを被った。
デザインはむさ苦しい割にヘルメットの中は息苦しくなかった。
「…結構快適ですね」
「そうですか…それなら良かったです!」
「じゃあ、対話問題が解決したんで姫宮さんのいる場所教えてもらっていいですか?」
「ミカク村という場所にいますね!マップ画面ってところにその村が写ってると思うのでそこに向かいましょう!」
「OKす」
そして、オレは森を抜け出すことにした。
チュートリアルの時は明るかった空が暗くなったというのにオレはまだ森を抜け出せずにいた。
スカーレットさんが言うにはそういう『バグ』らしい。
「…抜け出せないですね」
「そうですねぇ…他のユーザーに会えればいいんですけどね、とりあえずキンタさん寝たらどうです?」
「その前にお腹減ったんですよね…ゲームなのに」
「…言うの忘れてましたけどキンタさんは身体全体がこのゲームと連動してるんですよ…」
「それって死んだらもう生き返れないってことですか!?」
「そうなりますね…まぁとりあえずご飯を用意しないとですね!キンタさんがチュートリアルで倒したフランスカンク食べれますよ!」
スカンクとかめっちゃまずそうだと思うが今はそんなこと言ってる暇じゃないと思い、フランスカンクを探すことにした。
そして、オレは何とかフランスカンクを口臭で倒すことができた。
しかし、オレは料理をしたことがないのでスカンクの解体の仕方が分からなかった。
「このスカンクってどうやって解体すればいいんですか?」
「あぁ私に任せてください!」
と、言った直後目の前のフランスカンクが光り、光が止むとそこには焼かれた肉があった。
「神に任せればこんなのちょちょいのちょいですね!!」
「ありがとうございます!!」
と、言いながらオレは貪り食った。
味はよく分かんなかったが腹が満たされて行く感覚があった。
スカンク肉を食い終わると突然の睡魔が襲ってきた。
「スカーレットさん…布団とか出せます?」
「神頼みは辞めてください!さっきの肉はヘルメットの謝罪を込めてのものだったんですから!」
「…今日くらいいいじゃないですかぁ」
「…今日だけですよ」
と言われると布団が出てきた。
「じゃあ寝ます。今日はありがとうございました。」
「あっ!最後に助言なんですけどヘルメットは外して寝た方がいいですよ!」
なんでかはよく分からなかったがヘルメットをつけて寝るのはやだったのもあり、ヘルメットを外して寝ることにした。
「ふぁぁぁあっ〜」目が覚めた。
「あっ!キンタさんおはようございます!
よく寝れました?」
「あぁ、はい」そう言いながら立ち上がるとそこには数十頭のスカンクが倒れ込んでいた。
「!?なんかスカンクがめっちゃ倒れてるんですけど!」
「あぁそれキンタさんの寝込みを襲おうとしてキンタさんのいびきで死んだスカンクたちですね!」
「えぇ!オレのいびきで死んだんですか!?」
「そうです!キンタさん臭いので!!」
その時、初めて加齢臭の父の気持ちが分かった気がした。
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