第3糞 フランスカンク一生の不覚!
短いです。すいません。
オレは、うんこくさい森で自分の固有スキルが『激臭』と伝えられた。
「…ゲキシュウ?」
「そうです!!!」
「…激臭ってすごい臭いってことですか?」
「はい、すごいうんこ臭いです!!!」
「…しかもうんこ臭いのか…」
オレは終わったと思った。
こういう系の固有スキルはチートレベルで強いやつだと思ったのに、ただ臭いだけじゃ何もできない。
少しの間沈黙が続いた後、スカーレットさんが話しかけてきた。
「……なんで落ち込んでるんですか?」
「……なんでってただただ臭いんじゃ何もできないじゃないですか…」
「いやいや何もできないなんてことはないですよ。
なんせ、このゲームは五感が通じてるんだから!」
「!!」
度肝を抜かれた。
確かに『嗅覚』があるからオレの臭いで相手を怯ませることはできる!…でも
「でも、臭いくらいじゃ相手を怯ませることくらいしかできなくないですか?」
「いや、キンタさんの臭いは尋常じゃないんです!どれくらいかというと…」
と、スカーレットさんが話していると、チュートリアルを終えたためか細長い胴を持ったデカい動物が眉間に皺を寄せながら近づいてきていた。
いや、動物というよりはモンスターに近い。
「スカーレットさん…なんかモンスター的なのが近づいてきてるんですけど…」
「あっ!ついに来ましたか…そのモンスターはフランスカンク…人間界のスカンクと同じでくっせースカンクです!」
「……そんな臭いですか?」
「いや、まだ臭くないだけです!
人間界のスカンクもそうなんですけどスカンクは肛門の両脇にある『肛門線』から分泌液を飛ばすらしいです!
ちなみにフランスカンクの分泌液が顔に付くと激臭に耐えられなくて死にます。」
「えぇ!なんかもう飛ばしてきそうな雰囲気なんですけど!」
と言っていたのも束の間分泌液がすごい速さで飛んできた。
オレは終わったと思い、避けることを諦めた。
ベチャッ、分泌液が顔に付いた。
前が見えない。
真っ暗になっていた。
しかし、激臭は全くしなかった。
……てゆーかただ分泌液で前が見えないだけで生きていた。
「………えっ、全然臭くないんですけど……」
スカーレットさんの声がした。
「それは……多分キンタさん自身が臭すぎて匂いがしなくなってるんですね!
でもまさかフランスカンクよりも臭いとは…」
「オレってそんなに臭いんだ…」
「キンタさん!とりあえずフランスカンクに向かって大きく息を吹きかけて見てください!」
オレは言われた通り大きく息を吸いフランスカンクに向かって息を吹きかけた。
「フウウゥゥゥゥゥ」
すると、フランスカンクはただでさえしかめっ面な顔なのにさらにしかめっ面をしバタンと倒れた。
「え、なんで倒れたん?」
思わず声が出ていた。
「キンタさんの固有スキル『激臭』もフランスカンクと同じである身体の部位から臭いを放つんです。今回は『口臭』でしたけど違う部位からも出せるんで自分で探してみてください!」
「オレの口うんこ臭いのか…しかもスカンクより…」
絶望に打ちひしがれていると、あるひとつの疑問が生まれた。
「…スカーレットさん、オレに糞ゲーで55日間生き延びろって言ってましたけどただ生き延びるだけなんですか?」
「いや、私からのクエストもクリアしてもらおうと思ってますよ!
そのクエストを通してキンタさんには本物の『一軍』になってもらうつもりです!」
「なるほど
…その中に人と関わるクエストってありますか?」
「もちろんあります!
てゆーか最初のクエストが『姫宮嬢と話す』なんで!!」
「!?……口うんこ臭いから人と話せなくないですか?
しかも姫宮嬢だし……」
「あっ、、やべ」
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来週は休むことになると思います。