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うん、このゲーム糞だ  作者: 運 虎太郎
コロシアム編
24/27

第22糞 バレる!

今週から連載再開です。

約半年間、失踪してしまい本当に申し訳ございません。

これからは死に物狂いで毎週更新していきます。


『…ンタさん!……キンタさん!朝ですよ!』

『んあぁ…おはようございます、スカーレットさん』

『おはようございます……今日はワカバヤシさんと闘う日ですよ!』

『ああ、そういえばそうでしたね』

『どうですか? 勝てそうですか!?』

『………、ん〜〜』


正直、若林には絶対に…何があっても勝てる!という自信に満ち溢れて仕方がなかった………昨日までは。


よくよく考えてみると若林が弱いという根拠が1つもないのだ。要するにオレは若林のことだから(・・・・・・・・)弱いだろうという思い込みだけで勝てると思っていたのだ。


そう、今日、その事実に気づいたのだ。


『……まぁ勝てるかは分からないですけどやれるだけやってみます…』







「ひいぃ!やめてくれ!やめてくれ!ワイルドドラゴンん〜〜!」


オレの今朝の不安とは裏腹にやっぱり若林は若林であった。


「おい!それでも漢か!!若林〜!!!」

「知らねー!!今はそんなことどうでもいいんやーー!!」


「はぁ」


呆れた。

まともに戦いができないほどに弱いとは…

茸澤との戦いに向けて少しでも実戦経験を積んで置こうと思ったのに…


「マジで!マジでやめよう!腎臓払うから!腎臓!!」

「そんなことしなくてももう殺らねーよ…ちょっと裏で話そうぜ」

「お?…おう!」


オレと若林の勝負はオレの勝ちということで終わった。





その後オレは若林から茸澤に関する情報を仕入れるため若林をコロシアムの裏に連行し、浅川と尾股と共に若林を問い詰めている。


「それでおれはあまりの恐さからその場から逃げたんだ…」

「それで終わり?」

「うっ、うん!」

「なるほどなぁ〜…」


若林から訊いた話をまとめると、茸澤はオンボロの倉庫にいたネナロというやつに洗脳されていて、若林はそいつにわざと『魔呪?』という技についての話を聞かされ、その上脅されたらしい。


「恐い思いしたんだなあ〜…若林」

「本当にそれなだよぉ〜………まあさっきのワイルドドラゴンの殺気の方が恐かったけど…」

「なんか言った?」

「いや!なんも言ってないよ!?」

「?…そっか」

『私は聞こえたけど黙っとこ♪』




若林が茸澤との話を始めた途端から、なぜか浅川たちは黙りこくっていた。それについて疑問に思ったオレは浅川たちに直接聞いてみた。


「…なぁ、浅川と尾股、さっきから黙りこくってるけどどうしたんだ?」

オレがそう聞くと浅川と尾股はひそひそ話し始め、一通りすると俺の方を向き、深刻な顔をした浅川が喋り始めた。


「…実は、俺たちもネナロのこと知ってるんだ」

「えぇ!?」

驚愕した。が、それ以上に浅川たちもネナロになにかされたのではないかという不安の方が勝った。


「浅川たちもなにかされたのか!?」

同じ思考回路に辿り着いたのか、若林が先んじてそう聞いた。


「……うん、だけど俺たちは若林とは違っていいことをしてくれたんだ」

「え?いいことって?」

「…そのネナロって人に私が持ってるスキンどれかあげるって言われたんだ…

最初は俺たちも申し訳ないからって言って断ってたんだけど、あっちがあまりにもしつこいから貰ったんだ」

確かにいいことをされているな……


「それで浅川たちは何のスキンを貰ったんだ?」

俺がそう聞くと尾股の方から話し始めた。


「俺は今履いてる『俊足』っていうシューズを貰った…んだけどこれをネナロが渡してくれた時に「私の俊足はひと味もふた味も違う」って言ってたんだ…だからもしかしたらこの『俊足』にもチートが付与されてるかもしれない……」

「!」

『俊足』という言葉を聞いた途端、俺は尾股との戦いでのある出来事を思い出した。


『スカーレットさん』

『はい?』

『尾股の俊足は普通の俊足よりも飛んでたって言ってましたよね?』

『はい、言ってましたね〜

私も今思い出しました』


じゃあ、そう考えるとそのネナロってやつはチートの使い手なのか?

『そう、かも、です、ね〜

アサカワさんたちが目をつけられてることからもしかしたら後々キンタさんの脅威になるかもですね…』

そう言ったスカーレットさんの声は何故だか動揺していた。


『どっどどどど動揺してないですよ!!』

『……してるじゃないですか』

『いや、ちょっとイレギュラーなことで……』

神様でも行動が読めないってどんなやつなんだ、ネナロは。



スカーレットさんとそんな話をしていると、コロシアムの方から聞き覚えのある声がした。

「すいぶん興味深い話をしているなぁ〜」

オレは咄嗟に声のした方に顔を向けた。

なんとその声の正体は姫宮さんだった。


「ひっひひひひひ姫宮さん!?」

『キッ、キンタさん本名言っちゃあ……』

いきなりのことで、オレはつい姫宮さんの本名を言ってしまった。

「あっやべ」


「??、なんで私の本名を知ってるんだ?」

「い、いや…その……」

オレが狼狽えているとどこからともなく肩を組まれた。それは浅川だった。


「あーこいつ金太なんだよ!」

「えっ!ちょっ、浅川何言って…!」


「え〜〜〜〜!!お前!金太なのか!?」

「えっ、金太ってあの……糸魚川(いといがわ)の?」

少しすると、若林と姫宮さんの驚きの声が聞こえた。



「あっ、ごめん、金太………

いや……ワイルドドラゴン…」


「………もう遅いって……浅川」



ちなみに姫宮さんが言っている「糸魚川(いといがわ)」は金太の苗字です。

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