第14糞 カバディ カバディ⊂(`・ω・´)⊃カバディ カバディ
オレが『精神と時の部屋』を使ってから2分半が経とうとしていた。そんな中、尾股はまだ「さ〜〜〜〜」と言っていた。一体何と言おうとしてるのか気になって気になって仕方なかったが、なんとか技が切れた後の作戦を考えついた。誇張したいのでもう一度言うが『なんとか』だ。
※
『オマタさん肺活量すごいですね〜』
『もう尾股はいいんですって〜、それより作戦考えないと…』
『そんなの他の技使えばいい話じゃないですか』
そんなことオレもすぐ考えついていたが何があるのか、どうやって使うのかが分からなかった。
『なるほど……何があるのかが分からないと…詳しい説明省きますけど一応キンタさんはあと3つ、技を持ってます!
1つは「カバディ」です!
ちなみに技は私が選びました!!』
『エェ!?カバディ?!』
カバディは鬼ごっことドッジボールが融合したようなスポーツだ。結構前にこのスポーツのことを聞いた事がある。
カバディを技と言っているが、カバディに攻撃要素みたいなものは特にない。
知っているからこそ分かる、この技の糞さは。
『…なんでカバディを技に選んだんですか?』
『何でって、キンタさんのおねえー……』
『あっ、あぁそうでしたね!』
『…………』
※
この後、その他2つの技も聞いたがカバディがマシに見える程の糞技だったため割愛する。(後々役に立つかもしれないが……)
そして、技が切れた後の作戦についてだがそれはカバディを使うことにした。
尾股は父がプロレス選手ということもあり、生粋のスポーツマンだ。高校の体育祭やスポーツ大会では優れた運動能力を活かし、皆を導いていた。
そんな尾股のことだから「カバディ」というれっきとしたスポーツで勝負を決めようと言えば承諾してくれるだろう。
『キンタさん!そろそろ3分経ちます!』
スカーレットさんがそう言うと尾股が空から降ってきた。
ストンと着地したと同時に「さ〜〜」も途切れた。
オレは尾股が何と言おうとしてるのか結構気になっていた。戦いの前に「街の喧嘩じゃないんだ」と言うくらいだから、かっこいいことを言うんだろう。オレの予想では「早速技を使ってきたか……」や「最近感覚鈍ってきてんなぁー」とか言うんだろう。
「さ〜〜〜~~、さくれ痛てーな」
「え?」
しかし、尾股が言ったのはどうでもいい独り言だった。(数メートル上から聞こえる独り言とか意味分からんが……)
オレが尾股の独り言に気を取られぼーっとしていると
「なんだ困惑した顔して……万策尽きたか?」
と尾股に挑発された、が「さ〜〜〜」と空中でずっと言っている姿や「ささくれ痛てーな」と言っている姿を見たあとじゃあ何とも思わなかった。
「あ〜、その事なんだけど『カバディ』で勝負を決めない?」
「おー、カバディか!いいじゃねーか!でもお前ルール分かるのか?」
「ルールつったって「カバディ」って言いながら動くみたいな感じ?」
「はぁ……お前『銀魂』でカバディ知っただろ?」
図星だった。銀魂では隙あらばカバディをするキャラがいる。それはカバディを銀魂で知ったという人がいるくらい有名だ。そしてオレもその一人だった。
「よくいるんだよ、カバディをただのネタスポーツだと思ってる奴、カバディはなぁ筋肉がぶつかり合う熱意がこもったスポーツなんだよ………カバディ…舐めんなよ」
と、白目になる勢いで睨みながら言ってきた。
「さ〜〜」と空中でずっと言っている姿や「ささくれ痛てーな」と言っている姿を見たあとなのに凄みを感じた。
俺は尾股の熱意ある言葉に身体で応えたいと思った。
「カラン」
俺は武器を捨て、手を広げ、前屈みになった。
「やろう!カバディ!!」
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