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あとがき

 まずは、最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 エンディングの後にゆるーい感じの文章がくるのを避けたかったため、一話分の扱いをしています。

 ということで、あとがきです。



  * この作品のテーマ

 この作品のテーマは『対比』です。これは当初からまったく変わりません。

 麻緒の独白で勇児編を最初から見直した方、ありがとうございます。

 アイシャの独白でミスト編を最初から見直した方も、ありがとうございます。

 勇児編とミスト編の文章を「ここはこうしたのか」や「あ、ここの部分こう換えてある」などと一行ずつ見比べていただけたなら、それはもう万々歳です。

 今後、推敲を繰り返して加筆修正を何度か行うと思いますので、その際はまた見比べてもらえると幸いです。

 なお、加筆修正時にエピローグとして『勇児と麻緒のその後』を追加するかもしれません。勇児編に比べると、ミスト編は二倍ほどの文量がありますし。

 そのためにも、あとがきを一話分として扱ってたりします。



  * こんな話じゃなかった

 この作品はこんな話ではまったくありませんでした。

 というのも、当初の予定では――四千字程度のマジメな現代ものを書いて、その後に六千字程度の魔王の彼女と村人の彼で、はっちゃけた話を書く――でした。

 なので、これでも勇児編の話はコメディ要素を少なめに書き進めていました。ネタフリでボケとおせば、オチが引き立たないので。

 書けば書くほど増える字数。勇児編の最終話を書き終えた頃には一万字を越えてしまいました。

 と、勇児編の終盤を書き終わった後、迷いが生じてしまいまして。

 「果たして、このマジメな話でボケ倒していいんだろうか……」と。ミスト編の一話目を書き終えたあたりで、やっぱダメだぁと断念。いちからストーリーを組み直すことにしました。

 次に、勇児編とミスト編に何か関連が欲しい、と。そんなことを考えて、ミスト編はこんな話になってしまいました。

 最終的にミスト編はシリアスになってしまったため、意図してコメディ要素をもっと抑えることになりました。

 さて、そんなわけで。

 連載序盤からの読者の皆様、中盤あたりからまったくコメディな話じゃなくて申し訳ない。

 そして最終話投稿時、全話の話数を入れ替えてしまって申し訳ない。

 お詫び申し上げます。



  * 遊園地に行ったことがない。さぁどうしよう?

 行った事がありません、遊園地。

 正確には物心つくかつかないかの時分に行ったんですが――

「つまんなぁい、早く帰って笑点みようよぉ」

 そんなやつでした。

「ジェットコースターってこんな感じかな?」

「おばけ屋敷? なにそれ?」

 いや、ほんと困りました。

 「こんなんないだろ、遊園地」なんて言われるとぐぅの音も出ない次第です。



  * 思わぬところでシリアスがひょっこり

 勇児編で初々しい場面を書くときに、それはもう悶えながら書いてたわけです。

 しかしですね、それ以上に書き直したミスト編のストーリーがシリアスすぎました。

「ミスト編の最後まで読んで序盤を読み返した時、果たして笑えるだろうか……」

 と、とりあえず笑ってやってください。



  * 思わぬところで戦闘シーンがひょっこり

 困りました。

 まぁ困ってばっかりです。

 ミスト編最後の戦闘シーンのことです。

「たった一場面で、残酷描写指定をしないといけないのもなんかなぁ」

 ということで、極力残酷にならないような描写に押さえる必要があって。

 「あ、残酷だ。危ない」と、描写を削り削り。

 最後の戦闘は色々と不自然なところがあります。



  * 思わぬところで死亡シーンがひょっこり

 これが一番困りました。

 極力、人を殺さないように心がけてるんですが、ミスト編は人がばたばたお亡くなりになってしまいまして。

 死亡シーンの心情描写は、書くのにかなりの負担を強います。

 鼻歌まじりに死亡シーンを書くなんて、やりたくないですし。



  * 謎

 未消化の謎が多くありますね。

 #勇児編とミスト編の関係

 #麻緒とアイシャの性格が全然違う

 #ぱんなこったの旅

 #神官のラストシーン

 などなど。

  『村人が魔王になるファンタジーの物語』

 ただの村人であるミストは、指輪を携えて旅に出る。

 ミストの前に現われる神官の少女。

 かつて、ぱんなこったが集めた魔物たちとの出会い。

 アイシャを襲った巨大な魔物。

 立ち塞がる魔術師。

 そして、忘れもしない勇者。

 多くの出会いと別れ、困難を乗り越えて成長していくミスト。

 最果ての地で迎える結末とは――


 なんて。



  * お気に入りシーン

 では最後に、お気に入りのシーンをいくつかあげてみます。



  #勇児編・麻緒が“遊園地”としか言ってないことがわかった

「すいません! ごめんなさい! いつか死にそうになったら切腹してお詫びします!」

 ⇒勇児君はボケ殺しのキャラで、突っ込んでくれません。



  #勇児編・コーヒーカップで回る

「こ、このままじゃ……バターになっちゃう」

 ⇒こういうツッコミの難しいボケをされると困りますね。



  #勇児編・弁当の感想

 そ、そうですかと彼女が恥ずかしそうに下を向く。おっちゃんが頬を赤らめる。

 ⇒な、なぜおっちゃんが……。やはりおっさんキャラが好きなのかもしれません。



  #勇児編・夕焼けに染まる麻緒を眺める

 僕は彼女をどう思っている?

 ⇒この勇児ミストの心情描写が苦労した、というだけかもしれません。



  #勇児編・マラソン大会でこける麻緒に手を差し伸べる

 わたしは信じられませんでした。

 ⇒『信じませんでした』の後の対比が良いなと。



  #勇児編・ラスト

「もう暗くなってきたんだけど。観覧車、何周するつもり?」

 ⇒最後のコメディなオチはやっぱりいいですね。



  #ミスト編・町の前で彼女に質問する

「そ、それじゃ……僕はいつ解放されますか?」

「つまんない」

 ⇒おぉい、と言いたくなるほどですね。



  #ミスト編・聞きたいことを聞く

「じゃあ本題に入りましょう」

「却下!」

「で、できれば本題に入らせてください!」

「いいわよ、どてかぼちゃ。二十字以内ね」

「あ、ありがとうございます」

「あと七字」

 そんなバカな……しかも読点まで入ってるなんて……。

 ⇒このあたりは特に、勇児編との違いが楽しめます。



  #ミスト編・魔導兵をぶっ壊す

 もしかして、壊した鎧は僕が弁償するのか?

 ガシャンガシャンガシャン!

 ガッシャッガッシャ!

 下の階から鎧の迫ってくる音が続々と聞こえ出した。

 彼女に目をやると、にこやかに手もみしている。

 全部ぶっ壊す気だ……。

 ⇒勇児編にはない追加文章でのオチの例。



  #ミスト編・どてかぼちゃのスープの感想

「そう。ありがとう、うれしい」

 微笑むと、彼女は「うっ」と呻いたまま固まっていた。

 ⇒勇児編の『ありがとう、うれしい』なんて言えないというフリを、ミスト編で消化。



  #ミスト編・彼女の回想

 私が“私”になった日の思い出――

 ⇒序盤からの仕掛けを全部消化していくシーンです。彼女の心情のふしぶしにせつないものがありました。



  #ミスト編・魔王モード

 黒い衝動が肩を震わす。震動が大気に伝わる。青い瘴気が体から立ち昇っていく。

 魔力が暴走する。

 風が吹き荒れ、上空に流れ込んでいく。再度魔術師から放たれた炎が、渦に飲まれて空に消える。

 雲が立ちこめ、雪が舞い降りる。

 教会の鐘が夜の訪れを告げる。

 あたりを闇が支配していく。

 見開いた瞳が紅く輝きを放った。

 ⇒たぶん修正が後ほど入ると思いますが、いよいよ戦闘が始まるという感じです。



  #ミスト編・魔術師に落雷

「雷よ!」

 魔術師に大気を揺るがして金の雷が降り注ぐ。頭上に張られた薄い膜を貫き、掲げられた杖を伝って地面を金が拡散していく。魔術師は体を震わせながら膝をついて倒れこんだ。杖が二つに分かれて転がる。

 ⇒大丈夫ですか、おじいちゃん。



  #ミスト編・悪魔のような勇者

 勇者が狂喜のような笑い声を上げる。口が凶悪なまでに吊り上っていた。おもしろいおもしろいおもしろい、呪文のように繰り返す。


 怖い。


 私が、魔王が恐れている。冷や汗で服が肌に張り付く。怒り、憎しみ、悲しみ、すべて気圧されようとしていた。

 ⇒なんか、危ない人がいます。



  #ミスト編・続外道勇者

 それならば――


「あの村人を助けてください」

 ひれ伏す。

 もう誇りなど要らない。

「お願いだから……」

 憎しみや悲しみも晴らせなくて構わない。

 ただミストを救えればそれでいい。

「ケダモノの言うことなんて聞いてられない、なっ!」

 蹴り飛ばされる。息が止まってむせる。

 ⇒おまわりさーん。



  #ミスト編・ラスト

 ⇒「魔王になろう」と言ったミストの心情と風、雪、教会の鐘の音。察するにあまりあります。




以上、あとがきでした。


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