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312.破滅をもたらす大神

312.破滅をもたらす大神


レメゲトンは再び、顔だけの状態で俺たちの前に姿を現す。


だが、その表情は先ほどまでの余裕のあったものではなく、怒りに満ちた憤怒の形相と化している。


「許さぬ。どこまでをこの神たる俺を愚弄しおって」


「そなた程度では荷が重いというのに。我が言うのだから間違いないぞ? そなたは星に戻って畑でもいじって日々暮らすのがお似合いであると思うがな。とても為政者として有能には思えぬ。あ、これも女王やってた我が言うから間違いないぞ? ぬわっはっはっはっは!」


「黙れ! たかだか月の女神ごときが大言を吐くでないわ!」


彼女が元邪神であることを、レメゲトンは知らないのだ。


やれやれ、知らないことは幸せなことだな。


「ならば、これでどうだ! 所詮は貴様たちは人間! 神たる俺と違い、宇宙で生きることは出来ぬ! 死ぬがいい!」


まさか?


「魔大陸を。アークを包む保護フィールドを解除するつもりか? そんなことをすれば魔大陸に住む生命全部が死に絶えるぞ。分かっているのか?」


「そんなことよりも、俺が勝利することが大事だ。生命など、またどこかの星で見つけ、増やせばいい」


「愚かだな。そんな神が人に認められる訳もない。世界が歓迎し、権能を渡すと思うか、レメゲトン」


「無論だ。強さこそがその証となるのだからな! 喰らうがいい、アリアケとその一行よ! これで終わりだ‼」


レメゲトンが再び消える。


と、同時に。


パン‼


「あ奴、まじで魔大陸を覆っていた3層あるフィールドのうちの一つを消滅させおった! このままでは魔大陸の生命はすぐに消滅するぞ! どうする、アリアケよ!」


「あれは破滅をもたらす神にはなれそうだな。邪神のようだ」


「あんな奴と一緒にするでないわ。我の格が落ちてしまうであろう!」


真剣にイルミナが抗議する。


「じゃが、本当にどうするのじゃ、旦那様。あやつの言う通りむき出しにされれば魔大陸の生き物たちはすぐに死亡するじゃろう」


「そうだな。魔大陸に来て知り合いも増えたからな」


「マーメイドのお姫様なんかは、なかなか離してくれませんでしたもんねー、アーくーん?」


「む、そうだった、かな?」


俺は頬をかく。


「それでアー君。もう作戦は出来ているんでしょう? 私の大賢者様?」


アリシアの。妻の信頼する瞳はいつも俺を勇気づけてくれる。


そして。


「うむ! 旦那様といればどんな窮地もへっちゃらなのじゃ! 我が唯一の乗り手である竜騎士様なのじゃからな!」


「はい、お姉様! 先生に出来ないことはありません!」


コレット、ラッカライも笑顔を浮かべる。


「女ごころを理解すること以外はのう」


「本当です。そろそろ上限人数を決めるべきだと思います。第99回女子会をしましょう、女子会を」


フェンリルとローレライの意見はよく分からないが……。


「我がパートナー、私はあなたを信頼している。だからあなたの言葉で命令されたい。さあ、何でも言いなさい。あなたのパートナーである私に」


「私もアナタの力になりたい……。えっと、別に他意はないけどな……」


「女王もね、ここは一つけっぱらないといけないなって感じだよ‼ けっぱっていこう! セラちゃん!」


「もちろんです。ファンクラブ会長として、アリアケ様の雄姿は全てこの瞳におさめなければ。そのために蹴っぱるのは当然のことですとも!」


「あー、まぁ俺も頑張りますよ。旦那は先を見通し過ぎますからね。足元が心配ですから」


他の者たちも信頼を俺に向けてくれる。


「ありがとう、みんな」


俺は微笑む。彼らの信頼がなければ、俺は戦えない。


「俺自信に戦う力ない。全ては俺を信頼し力を貸してくれる彼らの力あってこそだからな。みんな力を貸してくれ」


「「「「もちろんです」」」」


みんなの声が一つになる。


「はっはー! しゃーねーなー! アリアケが俺に頼るんなら、ちーっとばかし力を貸してやるかー! くあー、最強勇者様の力をいつも頼りやがってよー‼」


「ふ、そうだな。宜しく頼むぞ、ビビア。まだお前には大切な役割が残っているからな」


「へ、へへへへ! わーってるわーってる! 最後の一撃! とどめはやはり最強最高勇者の俺の出番だよなぁ! ぐへ、ぐへへへへへ!」


「ダーリン、笑い方が邪神よりですわ」


「うむ。それに俺たちも当然活躍できるのだろうな、アリアケ!」


「ネイルが割れない感じでよろー」


「もちろんだ。勇者パーティーのことは頼りにしている。むしろ、この戦いに必要不可欠だ」


その言葉に、勇者パーティーたちも意気軒昂となる。


「ひゃーっはっはっはっはっは! この星剣が火を吹くぜー!」


「大丈夫なのじゃ? なんか最後操られてこっちに剣を向けて来るぐらいが関の山のような気がするのじゃが?」


「コレットちゃんの予感は未来予知なみに当たりますからねー。やっときますか?」


「やるなやるな」


俺は苦笑しながら止める。


と、その時。


バリン‼


「2つ目か。実質最後のフィールドだな。次が破られればこの方舟は終わる」


「ひ、ひい! 早く作戦をいいやがれれれれれれ!」


「声が震えているぞ、ビビア。作戦と言うのは簡単だ」


俺は単純明快に答えた。


「星に方舟を接舷させる」


ただ、それだけだ。


「……はああああああああああ⁉」


理解できないとばかりの声が轟いたのであった。

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