309.宇宙での攻防
309.宇宙での攻防
「魔大陸が。アークを起動させたか。己の心臓をコアシステムに直接接続させて制御をのっとったか。だが……」
俺は淡々とその光景を見つめながら言う。
「そのこと自体は無意味だぞ、レメゲトン。お前がアークを起動させたかった目的は女神の意思を汲んでのことではなかった。お前はきれいごとを口にして皆をだましていただけだ。その最終目標は自分が神となり遍く星々を支配することだ」
「今さら気づいても遅い! こんな星にもはや未練などない! 霧のカーテンが晴れ、錨が外れた今こそ、俺はこの千年の悲願を達成するのだ‼ 見ろ‼」
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ‼
凄まじい轟音と、上昇による圧力が俺たちにのしかかる。
「スキル≪浮遊≫≪全体化≫を発動。全員これで重力と相殺出来ているな?」
「おえええええええ! ぎもぢわるい‼」
「おえええええええ!」
勇者ビビアとパウリナが同じようなリアクションをしていたが、とりあえず見なかったことにする。
「で、何をするつもりだ?」
「油断したな、アリアケ! 俺がこの千年何もしなかったと思うか! 我が権能は『支配』! 俺の血をのませることで四魔将をも支配した! ただの獣であった奴らすらもな! ゆえにアークの制御のために我が心臓を捧げることに躊躇いはない‼」
「お前自身が方舟となるか」
「そうだ。そして俺に従わぬ異分子は排除する。まずは大賢者アリアケ・ミハマ。そしてその部下ども」
「俺は部下じゃねえ! 俺は最高勇者ビビア・ハルノア様だ!」
「船酔いしながらでは威厳がありませんわねえ」
「うぜえなぁ。ほれ、激辛の酔い止めをくれてやるよ。ちなみにレッドペッパーの1万倍辛いけどね、きひひひ!」
「なんでそんなものを持っているんだ……」
勇者パーティーが回復作業をしているうちに、レメゲトンの肉体はドサリと倒れる。
その代わり、今まで深紅に染まった美しいコア・クリスタルが、どす黒い光を放ち始める。
「ご主人様、残念ながら私たちはここまでです。これ以上はレメゲトンに私たちの思考システムを侵食されます。停止状態に一時的になりますので、終わったら起こして頂けますか? せっかくのクライマックスなのに、残念無念ですが」
「エリス達もか?」
「いいえ」
サイスは苦しそうにしながら微笑む。
「最外殻仕様オートマタとは、アークとはあえて切り離された自律システムを持つ個体です。最後までご主人様の助けになるでしょう。うらやましいです」
「分かった。君たちには助けられた、礼を言う」
「もったいないことでございます。我が母のパートナー様……」
彼女はそう言うと、停止状態になる。恐らく他の基本素体も同じだろう。
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン‼
更に衝撃音が轟く。
同時に、ブリッジの草原の風景は消失し、狭い部屋へと変わる。と、同時に、一瞬にしてその壁面に無数の穴が形成された‼
「ブリギッテ!」
「はいはい、聖域の盾!」
「ビビア! そろそろ行けるだろう! ≪無敵≫付与!」
「辛いいいいいいいい! 痛みを忘れるには何かぶっ潰して誤魔化すしかねええええ! うらああああああああ‼ 魔王いい加減星剣を返せやああああああああ‼」
ブリギッテの展開した防御結界に、壁面から高威力のバレットが乱れ撃たれる!
それらを円状に展開されたシールドによって、ブリギッテは全弾跳ね返した。
「俺より威張ってんじゃねえぞ、この犯罪者ごときがあぁああ! てめえが神なら俺はもっと偉い何かだああああああああ‼」
ビビアは壁面に突っ込むと、俺の譲渡した星剣により、バレットの射出口を次々に破壊してゆく。
「さすがビビアだな。窮地に陥った時、仲間を救うために何十倍という力を発揮している」
「プララさんの香辛料が効きすぎてるだけな気がしますけどね~。後で絶対へばるパターンなような気がしますけどね~」
横でアリシアが苦笑しながら、周囲を観察してアドバイスを俺に伝える。
「この部屋は狭すぎますね。ここは既にレメゲトンの体内のようなもの。外の方がまだ戦いやすそうです」
「そうであるな。我も変身するにはちと手狭であるなぁ」
「ああ、外に出よう。おーい、行くぞ、ビビア」
「辛いいいいいい!」
俺たちはブリッジから脱出する。と、次の瞬間、
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン‼
ブリッジごと大爆発を起こす。
「次元切断!」
ラッカライが次元ごと切除することで炎から俺たちを守る。
こうして俺たちは無事に市街区画まで戻って来ることに成功したのだった。
だが、そこは最初見た時の光景とは全く別のものになっていたのである。
なぜなら。
「空が暗いですね。魔大陸に灯された人工灯によって明るさは保たれていますが」
「魔大陸と周辺の海ごと、魔大陸に備わった魔力フィールで包まれているので、空気などの心配はないようだな」
エリスとデュースが分析結果を報告する。そして。
「あ、見て下さい、アリアケ様。青い星が頭上に見えます。そして、白い星がこんなに近くに。もしかして、これ、は……」
セラの言葉に俺は頷いた。
「俺たちの母星、惑星イシス。そして、その衛星である月だ」
そう。
既に俺たちは魔大陸という方舟により、惑星を脱し、宇宙を飛翔していたのである。
「その通りだ。アリアケ・ミハマ。いや、宇宙の藻屑と消える儚き者どもよ」
どこからともなく、アークと一体化したしたレメゲトン。アーク・レメゲトンの声が響く。
「この宇宙という我が胎の中で何もできずに死ぬがいい‼」
こうして、方舟そのものとなったレメゲトンとの、宇宙における最後の戦いが開始されたのであった。
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