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302.魔大陸の正体(前編)

302.魔大陸の正体(前編)


「ど、どどどどっどど! ど、どどどどっどど!」


「まぁ落ち着いてダーリン。翻訳すると、どういうことだ、説明しろコラ、ですわ」


「なるほど。ごもっともです。とはいえ、千年間掃除とメンテナンスで航行機能を維持してばかりでしたので、少しテンションがぶち上がってしまいました。お恥ずかしい限りです。反省を致しました」


「見た目と反して、こやつ恐らく、割とやんちゃな性格をしておるのじゃ!」


「エリス女王の基本素体だからな」


「どういう意味でしょうか? 理解しかねます。そしてついでに言うなら、私の素体ということについても疑問を覚えます。私やエリスと同期とも言っていたようですが?」


「そうだ! 私は私だ! ベースになる存在なんか身に覚えがないぞ! 私は最初から私だった」


エリスたちが疑問を呈するが、逆にアリシアやリスキスはその言葉の方に違和感を覚える。


「あ、でも、それはそれで変じゃないですか? 普通の生き物には親がいますが、オートマタ種族はそうじゃないですよね? じゃあ、そもそも、どこからあなたたちは来たんでしょうか? 今までは分裂でもしてるのかと思ってましたけど、違うんですよね?」


「確かにそうなのだ。まるで最初からこの魔大陸にいたみたいなノリなのだ‼」


「お二人とも正解です! パンパカパーン‼」


「やったのだ! 正解したのだ‼」


「このメイド緊張感というものを知らんのかえ? 反省はどうした、反省は」


「失礼致しました。猛省しましたので、もう大丈夫です」


「オートマタ種族というのはあれですか、意外性を求めてやまないタイプなんですか?」


ローレライの言葉に、サイスは咳払いしてから再び話し始める。


「魔大陸と同時に私たちオートマタは生み出されました。なぜなら、その目的が魔大陸の維持管理。そして、いざ運用した時のスタッフだったからです」


「ふんぎが! ふんぎが!」


「ああ、もううっさいこのクズ勇者! はい、デリア! 翻訳‼」


「意味分かんねえことばっかり言ってんじゃねえぞ、ゴラ。魔大陸の運用とか意味不明すぎんだが舐めてんのか、ああん? とのことですわ」


「あと、このビビア・ハルノアに賛同するのは、ストレステストのようで不快なのですが、私たちにサイス、あなたの言った、そのようなメモリーはありません」


「それはそうです。目的が違いますので、当然初期配置も違いました。私たちの目的は管理運用・維持メンテですから、この魔大陸コアに初期配置され、必要な記憶として歴史がインプットされています。ですが、最外殻仕様オートマタはフラットに外部の生命と交流し情報を蓄積することが必要です。そのため、私たちのように歴史はむしろ邪魔であり、一方で旺盛な好奇心やコミュニケーション能力が付与されているのです。ああ、私ももっと皆さんを楽しませるコミュニケーション能力が欲しくてやみませんが、仕方ありませんね」


「十分面白いよ! 今度一緒にネタを作りましょ!」


「光栄です。えっと、面白そうな女の方」


「女王なんだけど⁉」


「まぁ、コンビ結成は喜ばしいこととしてだ」


俺はパンパンと手を叩く。


「何から説明しようかと思っていたが、手間が省けて良かった。要するにこの魔大陸は現在、待機状態でな。本格稼働を待っている状態というわけだ。そして、そのための鍵となる存在がパウリナであり、同時にレメゲトンでもあった。二つに鍵を分割したことにも意味がありそうだ。女神イシスはあんなノリの星神だが、割とヒトの可能性に賭ける性格だからな。俺を千年後に時空転移させたりとかが、その際最たる例なわけだが」


「フンガアアアアアアアアアアアア‼」


「そうだな、ビビア。結局のところこの魔大陸が何なのか、か」


「どうして先生には勇者様の異次元言語が分かるのでしょうか、お姉様?」


「この星、最大の謎なのじゃ」


ラッカライとコレットがなぜか呆れている。


「アリアケ様には既に見当がつかれているのですか?」


「ん? ああ」


俺はサラリとサイスに向かって言った。


「この魔大陸は邪神に星を破壊された時のための脱出艇だろう?」


要するに、


「宇宙船だな」


一瞬の空白の後、


『えええええええええええええええええええええええええ‼』


味方たちから驚愕の声が上がったのだった。

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