301.魔大陸の中枢
301.魔大陸の中枢
「にょわ~! なんじゃ、あれは!」
レメゲトンの飛空艇は俺との空中戦に敗北し、墜落せんとばかりの勢いで不時着しようとしていた。そこにはちょうど海と見間違わんばかりの広大な湖がある。
「あははは、コレットちゃんったら大げさなんだから~。湖に不時着して何とか事なきを得ようとしているだけって、ぎょえええええええええええええええええ⁉」
「ミルノー女王。同じ女王として恥ずかしいという概念をあなたにも学んで欲しい。理由は女王全般の格があなたのせいで落ちるからだ」
「おお、エリス女王にもついに女王の自覚が。うっ、うっ、長年補佐してきて良かった」
まぁ、彼女らの悲喜こもごもは置いておくとして、目前で展開されている光景は圧倒的だった。
「湖が割れて……。中にあるのは……都市、でしょうか?」
「そのようであるなぁ。しかも水に浸かっていたわけではないようであるな。水の膜で隠されておっただけで、朽ちてもおらぬ。それにしても、いつ、誰が、何のための使うための施設なのかのう?」
「でもそもそもおかしいですよ、お姉様。都市は生活をするためで、使うのはヒト……ですよね。でも、それをこんな辺鄙な場所に隠蔽しておいたら、いつになっても使う機会は来ないはずです」
そうだな、と俺は頷く。
「存在自体が矛盾した都市。使われない都。あるいは、そうだな」
俺は点と点がつながる感覚に思わず頷く。
「使われないことも想定されていた都市と言うべきかもしれないな」
「む、難しい会話をしている。わ、私場違いじゃありませんか? 降りた方がいいですか⁉」
「こらこら。パウリナちゃんは明らかに関係者、というか多分、今回の鍵ですから。大人しく運命をアリアケ君に明け渡しちゃいなさーい」
「う、運命を⁉ う、うへへ。そ、それって養ってもらえるみたいでいいっすね……」
「こいつ図太いのか、か弱いのかよう分からないのだ! 人間とは不可思議なのだ!」
「魔王様に突っ込まれるとは逸材ですね」
「セラ様も結構なエルフ族の異端児《逸材》だったと記憶してますが……。まぁ、それはともかく、ブリギッテ様のおっしゃる通りのようですね」
ローレライの言う通りだった。
その広大な湖の下に隠された都市は、レメゲトンを不時着させると一度、また水の膜を張ろうとする。
だが、俺たちの飛空艇が近づくと、同様に湖の水が取り払われ、下に隠された都市を露出させたのである。
それと同時に、パウリナの胸元の紋様も赤い光を放っていた。
「こ、これは……。本当に火傷の痕じゃなかった説ありますね!」
「それはあまりに今更過ぎるなぁ」
俺は大いに肩をすくめたのである。
俺の船が着陸した時には、既にレメゲトンたちは船を去った後であった。
ボロボロになり、爆発の可能性もある飛空艇から必要な資材だけを早急に運び去ったのだろう。
「逃げ足が早いな。ビビア並みだ」
「んだとゴラァ⁉」
「褒めているんだがなあ」
「逃げ足が早いことは悪い事ではないですからね~。さて、アー君!」
「なんだ?」
アリシアが言う。
「そろそろアー君には今回の事件の青写真が見えているはずですよ! 情報共有よろしくです‼」
「うーん、そうだな、不確定要素があるし、割とぶっとんだ話だったから、あまり曖昧な話はしないようにして来たんだが、パウリナの能力についても一部確認できたわけだし、そろそろいいか」
「さすが儂の旦那様なのじゃ! 儂なんてなーんにも分からんのじゃ! そもそも、この魔大陸の存在が何かよう分からんと思ってるくらいなのじゃ! にゃははは!」
「あてぃしもなのだ! さすが大賢者ありあけっちなのだ! あと、あてぃしなんて、まだオートマタ種族というのに違和感があるのだ。なんか根本的に成り立ちが違う感じがしてしまうのだ。あ、これは別に悪い意味ではないのだ⁉ 気を悪くするのではないのだ、はわわわわ!」
「よく言われますので大丈夫です。心優しい魔王様」
「や、優しくないのだ! 勘違いするな! なのだ!」
やれやれ。俺は微笑んでから、
「そうだな、まずは分かりやすい部分から説明するか」
そう言って解説を始めようと思った時である。
「お帰りなさいませ、お待ちしておりました、ご主人様」
そう言って、複数の女性たちが、どこからともなく現れたのである。その誰もがショートヘアの黒髪で、エプロンドレス姿をして特徴がない。
「ようこそ魔大陸の中枢へいらっしゃいました。パウリナ・アルス・サロモニス様。また星の女神イシス様と同等なる権限をお持ちのアリアケ・ミハマ様」
彼女らの先頭の一人がそう言うと、屈膝礼をする。
そして、次に、
「最外殻仕様オートマタ・エリス様、デュース様、お疲れ様でした。千年に渡る情報収集に敬意を表します。後日、同期の時間を頂きたく思います」
そう彼女らに言ったのだった。
「君たちは……オートマタ種族の基本素体ということだな」
俺の言葉にその少女らは頷いた。
「その通りです、アリアケ様。さすが星の脅威《癌》を取り除いた救星の英雄でございます。私が基本素体たちを代表してコミュニケーションを取らせていただきますので、呼びやすいよう仮にサイスとでもお呼びください」
そう言って彼女は軽く微笑んだのである。
俺も微笑んで言う。
「やはりここが魔大陸の心臓部『コア』なんだな」
その言葉にサイスはやはり微笑みで答えたのである。
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