表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/315

13.一方その頃、勇者ビビアたちは③~

13. ~閑話 一方その頃、勇者ビビアたちは③~






「があああああああああああああああああああああああああああ⁉⁉⁉」


俺は激痛の走る腹部を見下ろす。


骸骨騎士の剣が俺の腹部を貫いていた!


「あ、あがああああああああああああああああああ⁉ いでえ⁉ いでえ⁉ いでえよおおおおお‼」


嗚咽が漏れる。ヒューヒューといううるさい音がなっていた。それが俺の口から漏れる息の音だと知ったのはしばらくしてからのことだ。


だが、おかしかった。


「なんでだぁ! 相手は・・・モンスターはただの骸骨騎士なのにいいい⁉」


骸骨騎士はレベル20程度。ランクB程度の冒険者なら倒せるモンスターだ。


「俺のランクはSなのにい! 貫けるはずがない! 俺の体を! ダメージなんて受けるはずないんだ! ただのレベル20程度のモンスターにぃ‼」


激痛で涙が流れて前が滲んで見えない。


痛みで混乱し、俺の目の前に骸骨騎士が立ち、今まさに俺の首に剣を振り下ろそうとしている現実すら見えていなかった。


「危ない!」


と、そこへエルガーが飛び込んでくる。


国の盾と言われるほどの鉄壁を誇る男だ。


(くそ、ノロマめ。もっと早く来い)


俺は内心で悪態をつきつつも、ホッとする。


だが、これで大丈夫だ。時間が稼げる。


腹はまだじくじくと痛みを伝えてくるが、冷静になり始めていた。


恐らくこれは何かの間違いだ。そうだ、誰にだって万が一がある。勇者である俺でさえも油断していたのだ。二度とこんな不運は訪れることはない。ただの偶然。そう偶然だ。


そう自分に言い聞かせる。


しかし、


「ぐ、ぐあぁぁあああ・・・・」


押されていた。


「おい・・・」


「ぐ、ぐあああ。う、うぐぐっぐぐぐぐ、がああああああ」


「おいっ・・・」


「ぐぐううぐうぐぐっぐぐぐううううううううううあああああああああああ」


「おいって言ってんだよ!」


俺は腹から大量に流れ出る血を抑えながら、喚き散らした。


「何やってやがる! エルガー! 骸骨騎士ごときに押されてるんじゃねえぞ!」


「だ、だが、勇者よ。違うんだ。いつもなら、これくらいの攻撃、難なく受け止められていたのに・・・ぐ、ぐあああああああああああああああ」


鋼の肉体。国の盾。そう言われた男の体は骸骨騎士の膂力に押される。通常攻撃に難なく切り裂かれ、そこかしこから出血を始める。


明らかに骸骨騎士と戦うにはレベルの足りない冒険者の姿がそこにあった。


(馬鹿な、そんな馬鹿な! 俺たちはアリアケ以外、全員Aランク以上。俺と聖女に至ってはSランクの冒険者なんだぞ!)


なのにどうして、骸骨騎士一匹倒すことができないのか。


「このでくの坊が! 頑丈なだけが取り柄のお前みたいなのを何で連れてきてやってると思ってるんだ! 盾役すら満足にこなせねえのかよ!」


「だ、黙れ! お前こそ勇者のくせにいきなりやられてたではないか! 自分のことは棚に上げて、この恥知らずめが! いつからお前はそんなに偉くなった! いつも体のでかい俺に怯えていた腑抜けのくせに!」


「何だと‼ お前誰に向かって口をきいてるか分かってんのか⁉」


「二人とも邪魔よ、どいて!!」


罵り合う俺たち二人を罵倒しながら、女拳闘士デリアが割り込む。


「くらえええええええええええええええええええ!」


彼女は魔力で肉体を強化し、またユニークスキル『祝福された拳』による防御不可攻撃のスキルを持つ無敵のファイターだ。


彼女の拳をまともに受けて立っていられる敵はいない。


「え?」


「「は?」」


デリアがポカンとし、俺とエルガーが間抜けな声を上げた。


「嘘、どうして・・・」


「なんだよ、どうなってるんだよ!」「そんなこと知るものか!」


錯乱状態になった。なぜなら骸骨騎士はデリアの攻撃を受けてなお、そこに立っていたのだ。いや、それどころか、ダメージすら受けた様子がない。


そして次の瞬間には、


「うげえええええええええええええええええええええ」


デリアが雄たけびのような悲鳴を上げた。


体中を傷だらけにしてその場に倒れる。


骸骨騎士の至近距離からの魔法攻撃が直撃したのだ。だが、それは詠唱も特にない魔力をぶつけただけの単純な魔法だった。


「あの程度の魔法一撃で瀕死だなんて・・・」


俺は目の前で起こっていること全てが信じられずに、ただただ恐怖を覚え始める。


気付けばガタガタと歯が鳴り始め、涙が流れ始めた。


「そ、そうだ、プララ! 魔法で支援しろ!」


俺は天啓とばかりに言った。


何で気づかなかった。プララの魔法支援があれば攻撃力・防御力が格段に上昇するはずだ。


今回は不意をつかれたために、魔法によるバックアップが間に合っていないのだ。


「早くしろ! でないと全滅だぞ!」


「・・・るよ」


「プララ! どうした! 早く支援魔法を!」


「もうやってるって言ってんのよ!」


「・・・・・・・・・は?」


もうやっている? 何を?


「攻撃支援魔法も防御支援魔法もどっちもありったけ掛けてるってんのよ! でも、なぜかいつもみたいな支援力が出ないのよ!」


「じゃ、じゃあ。今のこの状態が・・・こんな状態が・・・俺たちのベストな状態だってのか?」


俺は愕然とする。


「嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ」


俺は腹の痛みに身をよじり、知らぬ間に涙を流しながら呻いた。なんでこんなことに・・・。


「俺は選ばれた勇者なんだ。なのに」


倒れ伏した拳闘士、脆い盾役のでくの坊、明かりすらつけられない魔法使い。こんな役立たずどものせいで、俺はこんなところで死んじまうのか・・・。


「なんでこんなことにい!」


俺は断末魔のような叫びをあげる。


と、そこに。


「エリアヒール。『天使の息吹』」


場違いだと思う程冷静な詠唱が聞こえた。それと同時に腹にあった傷がみるみる治っていく。


「アリ・・・シア・・・」


「ふう」


彼女はこんな事態だというのに全く動じていないようだった。冷静に次の瞬間には大聖水を使って骸骨騎士を一時的に無力化した。しばらくは動かないはずだ。


まさに大聖女とも言うべき貫禄がある。


「なんでこんなことに、とおっしゃいましたが・・・」


と、アリシアは静かに口を開く。


「そんなことは決まっています。あの人がいないからに決まっているでしょうに」


あの人・・・。俺はギリギリと割れるほど歯ぎしりする。それが誰を差しているのか、俺には痛いほどわかったからだ。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『勇者パーティーを追放された俺だが、俺から巣立ってくれたようで嬉しい。……なので大聖女、お前に追って来られては困るのだが?』ですが
https://ncode.syosetu.com/n5256gk/
ガンガンONLINEコミックスから【コミック第9巻】発売中。
https://amzn.to/4iLP7OJ
ぜひご購入ください!(ガンガンONLINE連載中!)
SQEXノベル様から【小説第7巻】発売中(完結)です。シリーズ80万部突破。こちらもあわせてぜひお読み下さいね!
Web版とはまた違った展開と、くりもとぴんこ先生の可愛いイラストをお楽しみください(*^-^*)、フェアも開催中です、特典イラストをゲットしよう!(在庫がなくなり次第終了)
買ってもらえると嬉しいですが、連載中のガンガンONLINEで【無料試し読み】だけでもどうぞ~
(コミック連載中)https://www.ganganonline.com/title/1252
(特典イラストフェア)https://magazine.jp.square-enix.com/top/event/detail/4020/
(小説)https://magazine.jp.square-enix.com/sqexnovel/series/detail/yuusyaparty/

下の方でコミックや小説の魅力的な表紙やキャラクター、特典イラスト(サンプル)を掲載中です
聖女アリシアやドラゴン娘コレット、聖槍使いのラッカライなど!
そして、勇者パーティー達のキャラデザも大公開中!
イラストの説明

イラストの説明

イラストの説明

イラストの説明
イラストの説明
イラストの説明
イラストの説明
イラストの説明
イラストの説明
― 新着の感想 ―
[良い点] 性格悪いからだろうけど、追放系って、主人公視点より、 落ちぶれていく追放側パーティ視点の方が面白い 性格悪い奴が不幸な目にあうのサイコー だからと言って自分が不運に見舞われても困るが [気…
[気になる点] コイツらを勘違いさせてしまうくらい過保護にしてきた主人公は逆に害悪じゃない?
[気になる点] ユニークスキルがあってレベルが高いのも事実なのに低レベルのモンスターに一方的に負けるのは違和感
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ