復習と復讐Ⅲ 魔人の襲来
錬金術がこの世に必要なものかという質問は結果的に答えられなかった。人を救うなら魔法で十分だ。逆に錬金術がなければ、錬金魔法実験が行われなかっただろう。そうすれば、多数の命も無にすることはなかったのか。
「ここにいらしたんですね」
「おーリオン、笑顔が素敵だね」
「気持ち悪いですよ。どうしました?」
女神リオン様にことの説明を細かく話した。同情してくれると思ったが、どうやら俺が悪いと一蹴りされてしまい、また心に大きな傷を追ったような気がした。
「リナさん、なんでライオに事情を説明してないんですか」
「ライオなら大丈夫だと思ったから」
「そんな中途半端な言い訳であのクラスを任せるなんて、両方可哀想です」
「事情説明をしなかったのは、悪かったけど、あのクラスを任せられるのはライオしかいないの。だから、もう少しチャンスを与えて」
魔法訓練Ⅰも考え事をしながらだが、揉め事はなく終わった。今日は結局錬金術の必要性について、何も思いつかなかった。それにしても、リナの養子だからってアリサは少し頭にのっているのではないか?と思った。
翌日、何も解決できないまま、学園へ向かうことにした。あまり寝れなく、疲れも取れなくとてもイライラしていた。そして1時間目の授業のため、Sクラスの教室へ到着した。
「先生!、錬金術の必要性について、考えはまとまりましたか?」
また、この質問か。社会を知らない餓鬼があまり生意気なことばかり言うと、単位を落とすぞ。俺はこの授業の王様であり、俺の気分次第で貴様らを落第にしてやることだってできるんだよ。と爆発してしまいそうな感情を抑えた。
「よし、じゃあ授業を始めるぞ。今日は錬金術の原則についてだ」
「先生!生徒の質問に対して無視をするってことは必要ないと思っているんですよね?」
こいつ、人が少しだけ猶予を与えてやったにも関わらず、しつこく質問をしやがって、少し大人げないが、アリサに現実を教えてやるか。
「そんなに錬金術のことを聞いてくるが、逆に質問だが魔法はこの世に必要だと思うか?」
「当然です。魔法がなければ大戦は勝利を収めることは出来なかったと思います」
「そうか?10年前の大戦だって実際に勝てたのは規格外が4人いたからであって、宮廷魔術師団なんて、皇帝が逃げたことによって、何の役にも立たなかった。それに比べて、錬金術師達は、防衛戦をするべく、結界展開などをした。つまり、どっちが有能で、無能かはっきりしたよな?」
「そんなこと言って、貴方はあの場にいたんですか?」
「ああ!いたよ」
「・・・・・」
おいおい、少し言い過ぎただけで教室を飛び出すとはどこまで餓鬼なんだ。でも、言いすぎてしまったのも悪いか。我ながらここまで言うつもりはなかったと反省しながら、残った生徒には自習させ、アリサを探すことにした。
『緊急警報、緊急警報、マギア学園に魔人の襲来を確認しました。生徒各員は戦闘準備を』
大変おまたせしました。忙しいと言い訳させてください。ニートなのに忙しい・・?