第19話 ルール
母さん達が帰った後、ベッドに横になる。
窓から見える夜空はにはやっぱり見える星の数は少なくて、人工光に消えかかる物を眺めていた。
僕にできること。
それだけの条件で選択肢のほとんどが消えていくのがわかる。
一個人にできることなんてたかが知れてる。ましてや僕にできることなんて片手で数えられるくらいかもしれない。それでも、僕は音海のために何かしたい。
先生の言葉を100%信じるのは自惚れかもしれないけど
もしかしたら勘違いで、ただただ恥ずかしくて、バカらしくて、滑稽かもしれないけど、それでも何もせずに今までみたいに間違えるのは嫌だから。
僕にできることは多くない。
グラウンドの真ん中で叫ぼうとも、放送室を占拠して説得しても、ましてやいじめの原因である人を説き伏せようとしてもきっと僕には上手くいかない。
グラウンドの真ん中で叫ぶには勇気が足りない。
放送室を占拠するなんて、いつも鍵がかかっているのだから入ることすら僕には難しい。
ましてやいじめの原因である音海の友人を説き伏せるなんて度胸は僕には無いし、説き伏せる頭も無い。
手詰まりで、八方塞がりで、何をするにも何かが足りない。
けど、きっとある。そうじゃないと困る。
必死に回した頭はようやく一つ思いついたが、それはまあ、なんというか。
いかにも僕がとりそうな方法で、そのくせそれは解決策とは言えそうになくて、根本的なところは全く変わっていない上にそれはただの徒労に終わるかもしれない。
けれど、一つの答えが出てしまうと他には何も沸いてこず、いつまで頭を抱えても何も思いつかない。
早々に諦めてしまいベッドで横になるも、眠気はいくら待ってもこない。
こないでいい時にはよく来るのに、来て欲しい時は全くこないなぁ。
『関わらないで』
ふとした時に思い出す音海の言葉。
最近はほぼいつもこの言葉が頭の中にあった。
ルールを破ったら何でも言うことを聞くっていうのはやっぱり牽制だったのだ。
けど、それは間違ってると思うんだ。
ルールっていうのは、それを守ることが誰かの何かを守るためになるっていう条件が無いときっとそのルールは存在理由が無い。
法律だって、守ることで誰かが辛い思いをしないようにつくられたルールだ。
だったら、僕と音海の間のルールは一体何を守っていたんだろう。
あのルールで音海は守られていたのだろうか。
僕は守られていた。他人の視線が苦手な僕は音海に話しかけないことで余計な視線を集めずに済んだ。
けど、音海は……。
音海は守られていたのだろうか?
わからない。
多分、今ここで、どれだけ考えようともきっと答えなんて出ない。
だから、それを確かめなきゃいけない。
このままじゃダメなことくらい人間関係に乏しい僕にもわかる。
いや、僕がこんな風に音海との関わりを切るのが嫌なんだ。
だから……。
途端に瞼が重くなった。
まとまりそうだったものもほどけてバラバラになっていく。
けど、今回はそれで良いや。考えすぎても動けなくなってしまいそうだから。
眠気に逆らわずに目を閉じれば意識は容易に消えていった。
さすがにこれだけだと少なすぎるので今日中にもう一つくらいは書こうと思ってます。




