表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

5

星祭りの夜、当日。


『大丈夫か?落ち着け、ちゃんとプレゼントは持ったか?』

「う、うん。大丈夫……」

全然大丈夫じゃない。緊張する。落ち着け。

落ち着くために深呼吸をする。


今日、レーネに告白する。

そのためにいつもより小綺麗な服を着て、プレゼントを手に持った。


『行くぞ、ラル。準備はいいか?』

「……うん、行こう」

ゆっくりと玄関の扉を開けて、外に出た。



町はいつもより賑わい、キラキラと綺麗にいろんな人が笑っている。皆笑顔だ。

「……っ!」

それを見ているとドキドキと高揚する。なんだか、告白が上手くいく気がする。


『これなら上手くいくかもしれないな』

「うん……!」

『さて、レーネを探しに行こうか』

「うん!」

レーネを探す。何処にいるんだろうか、この辺りにはいないみたいだけど。

「……片っ端から探すしかないな」

『時間はまだある。焦るなよ』

「……ありがとう、女神様」

レーネを探しに足を前に踏み出した。



「いっいない……!」

『何処に行ったんだろうなあ』

町の中の何処を探してもレーネの姿は見つからない。

「後行ってないのは……」

東の森。昔はよくレーネと一緒に行っていた。森の中で遊んで迷子になって、それからあそこで遊ばなくなったんだよな。懐かしいなあ。

「……」

行ってみよう。あそこならいるかもしれない。



「ここなら……」

森の中をズンズンと進んで行き、キョロキョロと辺りを探す。

今は道がわかるけど、昔はわからなくて怖かったなあ。

そんなことを考えて進んでいると、前の方に開けた場所がある。

『お』

「いた」

レーネがいた。隣にはあのカロンという男がいる。

バッと木の陰に隠れて様子を伺う。

二人は星を見ている。

ジッと二人を見つめているとレーネがカロンを見つめて喋り始めた。

「私ね、カロンのこと好きだよ」

「………え」

『………え』

男もレーネを見つめてこう言った。

「私も、レーネのことが好きだ」

「ふふふ、私たち両思いだね」

「そうだな」

二人が笑い合う。


「………」

俺はゆっくりと後退り、その場から逃げ出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ