表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

3

『まずはそうだな。プレゼントとかはどうだ?相手が好きなものをあげたら好感度があがるんじゃないか?』

「そう、かなぁ?」

プレゼントかあ、どうだろう。

『そのレーネという少女の好きなものはなんだ?』

レーネが好きなもの……


「動物、が好きかな」

『ほほう』

「犬とか猫とかよく撫でてて餌あげてるの見るし」

『ふむふむ、犬や猫か………ぬいぐるみとかはどうだ?』

「ぬいぐるみ……」

レーネが犬や猫のぬいぐるみを抱きしめている姿を想像する。………いいな。うん、凄くいい。


「ぬいぐるみにしよう」

『うむ、それがいいだろう』

そうと決まれば、

「ぬいぐるみを見に行こう」



ぬいぐるみの専門店にやって来た。

……来たはいいが、入るのには中々勇気がいる。

「………」

そっとショーウインドウから中を覗く。小さい女の子の家族ずれでいっぱいだ。


場違いだ。完全に場違いだ。

『……どうした、入らないのか?』

「うっ……」

……レーネの、レーネのためだ。

「男は度胸!」

そう気合いをいれて、店内へと入った。


「しっ失礼しまぁーす……」

小さく呟く。なんだろう、なんか凄くやましいことをしてる気分になってくる。

軽く店内を見渡す。いろんな種類のぬいぐるみがある。とりあえず猫のぬいぐるみに近づく。

『おおー、かわいいなあ』

女神様が呟いた。確かに可愛い。レーネがこんなの抱きしめてたら可愛すぎてもう………って、意識が飛んでた。

頭を振って煩悩を消し去る。考えないようにしよう。

改めて猫のぬいぐるみを見る。

『……ふーむ、猫のぬいぐるみだけでこんなに種類があるのかぁ』

「どれがいいかな……」

レーネに合うのはどれだろう?黒い猫は目が鋭くて格好いい感じで、白い猫は目が大きくて可愛い感じで、赤い猫は目を閉じて寝そべっている。

『青い猫も知的で良いなあ』

「うーん……」

どれも凄く良くて中々選べない。


……そういえばこれ、いくらなんだろう?

青い猫を手に取って値札を見る。


「……!」

………無理だ。高い、高すぎる。買えない。

「……」

帰ろう。さすがにこれは無理。

青い猫を戻して出口へと向かう。

『ちょ、どうしたんだ?』

戸惑っている女神様を無視して店から出た。



噴水の前のベンチに座って頭を抱える。

「高い、無理」

『……そうか』

これだけで女神様はすぐに理解してくれた。

『そうすると、もう作るしかなくなるんじゃないか?』

「無理、裁縫苦手」

『おっおう……』

女神様が引きぎみに返事をする。

どうしよう。

『………ならぬいぐるみ以外の良いものを、探すしかないな』

「ぬいぐるみ以外の良いもの?」

それって何?

『とりあえず、そこら辺に出てる店を見て回ったらどうだ?』



出店が並ぶ道を進む。良いものはないかとキョロキョロと辺りを探す。

『どうだ?良いものは見つかったか?』

「いやー中々……」

それほど興味を引かれないものばかりだ。

『……そう簡単にはいかないか』

「うーん、あ」

興味が引かれた。そこに近寄っていく。

「……あの、これ何ですか?」

そういって綺麗な飾りのついた棒を指差す。

「ん?これかい?これは(かんざし)という髪飾りだよ」

「髪飾り……」

これなら、どうだろう。

『簪か……いいんじゃないか?』

「うん、これください」

「はいよ、毎度あり」

俺はお金を支払い、簪を仕舞った。

「喜んでくれるかな……」

『喜ぶだろうよ。大丈夫だ、自信をもて!』

「……うん、ありがとう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ