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Marionett‘s Memorial  作者: DEER
一章 その少女は微睡みの中に
8/30

八幕 裏の顔と表の顔

あぁ……うん、次に書く作品では気を付けようって場所が多すぎる、もうちょいさ……場面詳しく書こうよ、物語の展開が飛び過ぎてない? 気のせい?

「……レイヴ?」

日が届かない牢の中、私は今日も目を覚ます。


「どうして貴方はそんなところに居るのかしら? ……なんか不気味よ?」

おかしいわね……たしか眠った時はレイヴを抱えて居たはず、どうして……


「どうして貴方は天井に張り付いて居るのかしら? しかも魔術を使ってまで」

これを不思議の一言で済ませていいのかしら? 明らかに異常、レイヴがこんなことしたことはなったのに。


「とりあえず降りていらっしゃい、胸が寂しいわ」

いつも抱えていた物がないと落ち着かない、なんかこう……寂しいのよ。


「……(バサッ)」

「レイヴ……どうしてまた頭の上に乗るのかしら?」


 これが反抗期ってものなのかしら、悲しいわ……

「とりあえず点検しましょうか、これは手伝ってくれるかしら?」


 私は人形、体のどこかが異常だったとしても感覚では分からないわ。

 それに長い間眠ったままで点検をしていなかった、これが何年かぶりの点検になるはず。


「……(コクッ)」

「ありがとうレイヴ、じゃあまずは腕から見ましょうか」



「メアちゃん起きてるかニャ~」

 細く長く作られた廊下にベルさんの声が響く。


「今夜は悪かったニャ~、明日からはしっかり個室が……」

「あらベルさん、おはようございます」


 点検中だったけどベルさんが来てしまった、とりあえずいつもの部分は問題なかったわね。

「メアちゃん……ニャ?」


 まるでお化けでも見たかのような顔でこちらを凝視している、面白いわね。

「どうして……メアちゃんの片目が無くなってるんだニャ? よく見たら足も……」


 足は後からいっぺんに戻せばいいかと思って外したままだったわ、それよりもベルさん……

「ベルさんって普通に「な」って言えるのね?」

 今普通に無くなってるって言ってたわよね? 凄く自然な発音だったわ。


「いやいやそんニャことよりも! どうしてメアちゃんがバラバラにされてるニャ!?」

「点検中よ?」

「点検……ニャ?」


「人形だもの、よく点検しておかないといつの間にか壊れてて動けない……なんてことになりかけないわ」

「ニャ~……色々面倒そうニャんだニャ、とりあえず自分でバラバラにしてるニャら大丈夫ニャのかニャ?」


 自分の構造だもの、大丈夫よ。

 ……まぁ昔両手を外しちゃって元に戻すのが大変だったこともあるけど。


「それよりもベルさん、さっき「な」って普通に……」

「メアちゃん! 今日はメアちゃんに会って欲しい人がいるニャ!」

遮られた。


「な」の発音に触れられて欲しくない何かがあるのかしら?

「私に? 昨日の一件かしら?」


 来て早々に問題起こしているから……まぁ呼び出しされても仕方ないわ。

「そうじゃニャいニャ、ここのリーダーに会って欲しいんだニャ」


 この街のリーダーさん? 挨拶するにしても移住する気はないわよ?

「一体なんの用かしら?」

「まぁ話を聞いてもらうだけニャから大丈夫ニャ、ついて来るニャ」


 有無を言わさず引っ張って行かれる、ちょっと待って! まだ目が付けられてないのよ!

「レイヴ! お願い! 目を持ってきて頂戴!」

「……」


 あら? それ私の目……ありがとうレイヴ、言わずとも持ってきてくれたのね。

「あ……ゴメンニャ」


 何となく気怠そうな町の住民達をしり目に朝の街を進んでいく。

 昼間とは違い涼し気な空気の中、各々の仕事場での準備に取り掛かっていた。


「普通の街ね……なんで集落って言ってたのかしら」

 朝特有の澄んだ空気に包まれて、遠くに聞こえる様々な音や声に耳を澄ませる。


「嫌いじゃないわ」

 活気のある街ってどうして朝も昼も夜も魅力的なのかしら? 人の多い少ないに関係なく。

 都会の美しさと田舎の美しさは毛色が違うけど、どちらもいつまでも眺めて居たくなるわ。


「ニャ、そういってもらえると嬉しいニャ、ここはみんニャ(皆)で作ったところニャから」

 素敵じゃないの。


「それならどうしてここを街だと言わないのかしら? 別に問題ないほど整備されてるとおもうわよ?」

 下を見れば綺麗に切り出された石が道を作り、壁を見れば街灯が、設備もかなり大きめな工房や上下移動の為の自動滑車がある。


 上を見れば防壁の代わりに魔法が使われた防衛用の金属の棒? が設置されているし……集落ってレベルじゃないわ。


「それはリーダーに質問するといいニャ、多分教えてくれるニャ」

 お預けね……いいじゃないの教えてくれても。


「ここニャ、ここにリーダーがいるニャ」

 入り口とは真逆の街の最奥の、結構見にくい場所にある扉の前でようやくベルさんが歩みを止める。

 リーダーって普通指示を出しやすい位置にいるものよね? 変なの。


「……えっと入ればいいのかしら?」

 立ち止まった位置から動かないベルさんに声をかける、その後ろ姿はピシッとしていた。


「ここから先はメアちゃん一人で行ってもらうニャ、扉の先は直ぐに応接室があるから迷うことはニャいニャ」

 一人で? 何故かしら


「……? それじゃあ一人で行くわ、後でまた会えるのかしら?」

 案内役が居ないと迷う自信がある、迷ってもあんまり気にしないけど。


「会えるニャ、それじゃあまたあとで」

 それだけを告げると慌てたように走って行ってしまった、急に慌てだしたように見えたわ?


「一体何が……不思議ね」


 扉を見据える。

 今度の扉は子供サイズでも開けられる大きさで、作りも木製だ。

 これなら私一人でも開けられるだろう、でももしかしたら……


「レイヴ、この扉は開けられるかしら?」

 洋館の扉を私は開けれらかったけどレイヴは開けられた、使える魔術も逆だしもしかしたら……私が開けれる扉はレイヴが開けれないとか無いかしら?


「………………?」

「まぁそうよね、冗談よ」


「この人は何を言っているんだろう」といった感じの目で見られてしまった、ちょっとした出来心よ。

「じゃあ行こうかしら」


 扉に手をかけ押し開く、金具がしっかりしていないのか開くときにちょっと音が鳴っていた。

「ベルさん……嘘じゃないの」


 扉を開けた先に待っていたのは今開けた扉と似たような扉だった、応接室なんてどこにもない。

 チラッとレイヴを見る、分かってるわよもう聞かないわ。


「この先が応接室かしら……」

 多少頭を傾げながらもう一度扉を開ける、するとそこには……

「また? 本当に不思議ね」

 同じ扉が悠然と立ちはだかっていた。


 おかしいわ……シミや木目までも全く同じなんてあり得ない、でも魔術を使われている感じはない。

 となると……


「呪いの一種かしら?」

 私自身がカースドール(呪い人形)だし呪いはたしかにある、魔術とは違って魔力を殆ど使わないし、そもそも魔術の系譜から外れている。


 その理由は呪いのかけ方は誰も知らなかったこと、そして魔力とは別の代償が必要だったこと。

 どれも強力なものが多かったのに……まさか呪いも昔と変わってるのかしら?


 そんなこんな考えているうちに扉の向こうから足音が聞こえてきた。

「何をしているのですか? ノックをすれば普通に入ってこれますよ」


 そんな言葉と共に目の前に姿を現したのは……

「ベルさん?」


 語尾がニャじゃないベルさんだった。




「これは一体なんのつもりですか?」

 今この部屋の扉の前では先ほど別れたメアちゃんが居るはずだ。


「いや、魔術使いがどの程度のものか知りたくて手配させたんだ、陣は隠してはいるものの単純なもの、さらにわざわざ違和感を持たせるように見せている、これを見破られなければこの部屋の安全装置は問題なく使えるだろう。……しかし遅いな」


 監視の魔石球には二枚目の扉の前で頭を傾げているメアちゃんが映っている、違和感を感じてはいるようだが陣には気が付いていないようだ。


「扉にばかり注目していますね、このままでは陣は発見できそうにないと思いますが?」

 陣はメアちゃんの後ろにある、光は隠しているが陣は隠していない。


 普通の魔法使いなら直ぐに見破るだろう、それぐらいにありきたりな魔法なのだが……


「魔術使いとはこの程度なのか……? いやまだ様子を見るべきか……」

「何のために私を急がせたのですか? たしか魔石がそんなに確保できなかったんでしたよね?」 


「そうだ、あまり時間はないが……これは必要なことだ」

 魔石球に映るメアちゃんは三枚目の扉の前で完全に止まってしまっていた、完全に罠にはまってしまっている。


「……ベルスター、開けてやれ」

 しびれを切らしたのかそんな命令が出された。


「かしこまりました」

 命令に従い扉を開ける


 多分魔法で試していたことは伏せておいた方がいいだろう。

「何をしているのですか? ノックをすれば普通に入ってこれますよ」



スゲーくだらない短編小説考えました、「探さなければ見つからない、でもわざと見つかるように置いてある男心くすぐる宝物」です、異世界じゃなくて現実世界を舞台に書くのです、ちなみに想像ヨ?


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