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閑話1


「…………っ!」


いざ部屋の出入り口の戸に向き合い、ドアノブに伸ばした彼女の手の先は震えていた。

今も尚、この薄い木の板一枚挟んで、生きている人間なのかさえ定かではない何者かが打撃ノック音を響かせる。



トン、トン、トン、トン、



ラップ音に混じるその規則的な音は、あたかも彼女を急かすように、或いは、彼女へと迫り来るように部屋に響き渡る。心なしか、先程よりも音が大きくなっているようにさえ感じられる。


−−スレの中では余裕があるふりをしていたけど、それでも。

−−彼女は怖くて怖くて堪らなかった。


本当は、2ちゃんねるのスレなんかに助けを求めるつもりはなかったのだ。

だが、電話もメールも使えず、家族にも友人にも連絡が取れない今、唯一、スマートフォンの回線が繋がったというネットに頼るしか方法がなかった。

ただ同じインターネットのスレを共有しているだけの、名前も顔も知らない他人の、アドバイスになどならない悪ふざけにも近い書き込み。それでも、たった一人で判断して動くよりはマシに思える。


だから、彼女は、意を決してドアノブを回したのだった。





ガチャリ



『あらあら、こんにちはぁ』


「…………あれっ?」

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