表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/17

なるほどこれを闇サイトというんだななんて便利なんだ

13話まえがきにてに訂正を載せてあります。

ご覧ください。

  家に帰った俺は、さっさとパソコンに張り付いた。

 昨日見ていたページにログインすると、同盟の話がもうあがっていた。

[今年は同盟早かったですねー]

[ハート結構キビしいんじゃねーか]

など、想定内の言葉が飛び交っている。

 その中で、一つとんでもないスレッドがあった。

[今年は闇のジョーカーいるの?]

……!?

 なんで知ってるんだろう。言い回しからして昔から知っているような――。

 [近年いないらしいですね。私達の役目なくなっちゃうじゃないですか]

[ここって、昔の闇のジョーカーが、未来の闇のジョーカー保護の為に作ったんだよね]

[えっ、最初からその目的で作られたんですか?知らなかったー]

……え?なにそれ……。

 そんなの聞いてない…。ガセか?

[そもそも闇のジョーカーがここの存在を知らない可能性があるんですよね]

[あ、私も現役んとき知らなかったー。終わってから知るとか皮肉っすよね]

[え、OBなんですか?]

[はい。もしかしてここって現役もいるんすか?]

[現役は少数派だよ。でも闇のジョーカー経験者も少ないね。歴代ゲメルデと、スポンサーについてる裏社会の人なんかが殆ど]

[詳しいですね。さすが管理人]

管理人……この人が。

 なんかすごく信憑性がある会話だけど……もしかして非公式だったとか?

[今年の闇のジョーカーが、ここで名乗り出てくれればいいんだけど]

[それ、神にバレそうじゃないすか(笑)]

[大丈夫だよ?検索除けはしてるし。あと書かれたら全員に知らせて速攻消す]

[まぁ最終手段はハッキングかまして強制データ削除ですね]

……会話からして、ここの人達相当手練れなのか?

 もしかして、話しておいた方が得……?

 それは、本当に勘だけれど。

 {あの}

そう書き込む。

[おや、新入りさんだね]

[わー、見たことないIDですもんね。いらっしゃい]

{あの、突然で悪いんですが}

{僕、今年度闇のジョーカーです}

その後の、そのスレの荒ぶりようと言ったら。

 それは、本当に勘だったけれど。

 なんだか、当たっている気がした。

 この、皆の協力性の良さを見ると。



 その晩だ。

 本格的な『仕事』が舞い込んだ。

 最新の書き込みで「ダイヤがハートと同盟組むっぽいよ」とあり驚いていたところに、奏からメールが来た。

『仕事だよ。

ダイヤとハートが同盟を組むらしい。

当事者間では話が進んでいるみたいだから

ダイヤ側のメール回線を破壊して、公布できないようにして欲しい。

いや、ウイルスでもなんでもいいんだけど。とにかく公布を阻止するんだ』

……ははぁ。なるほど。考えたね。

 要するに、壊れたように見せかけてメールを阻止すればいいんだな。

 いや、回線の混雑を装うか?でもそれじゃWEBメールを使われたら終わりだ。

 それともいっそ、一時的にサーバーを停止するか……。それだとすごい影響が……。

 ていうかそもそも、締結はいつだ。

 あー、これは奏もわからないかな。

 視線をケータイからパソコンへ移し、キーボードに手をのせる。

 {それっていつ締結かわかりますか?}

[んーと、明日かな?]

{ということは、最低でも明明後日までに公布ってことになりますね}

[そうだね。なに、仕事かい?]

うわぁ、数時間でここまで知れ渡ったか。

{ああ、まぁ……。外部に漏れないようにお願いします}

[はっはっは。ここの連中を甘く見すぎだ。プロが集まっている上にサイトに護衛部隊がついているんだぞ?]

……素直にすげぇなここ。それで流出を防いでるのか。

{知りませんでした。すごいですねここ}

{仕事なんですよ。ダイヤのメール回線を破壊しろっていう……}

[あ、それ私やりましょうか?]

えっ?

 さっきまで話していたのとは別の人だ。

{どうやってですか?}

[簡単ですよー、無線RANのアクセスポイントにちょちょっと細工して、壊すんです。各王宮に振り当てられたアドレスから送らないといけないんで、妨害できます。あ、私ダイヤの関係者なんで]

{本当ですか!?いいんですか?裏切り行為ですけど}

それはいい手かもしれない。ついでに直るまでの数日間連絡不能になる。

 [大丈夫ですよ、生徒ではないので。ただ、問題は――]

告げられた言葉に、俺はにやりと笑う。

 そういえば、奏が、なんか言ってたっけ、と。

{大丈夫です。なんとかする手があります}

[そうですか。なら実行しますよ]

{ありがとうございます}

[お役に立てて嬉しいですよ、闇のジョーカー]

{そんな、大袈裟な}

[いえいえ、私たちはあなたの為にいるんですから]

そうらしいが、なんかそう言われると落ち着かない。まるで俺が王様みたいだ。

 ひとまず、仕事は成功させられそう。あ、でもその為には奏に電話しておかないと。

 ケータイを操作して、奏の番号を選択し発信ボタンを押す。

 ――と。

『はっ、はいっ……』

電話がつながり、やけに怯えたような声が聞こえた。

「あ、もしもし奏?俺だけど……なんでそんな震えてんの?」

『……澪?』

そうだと答えると、奏は心底安心したように「よかったー……」と言う。

「なにがあったんだ」

『いやさー、テレビで今ホラー特集やってて』

「怖がりのくせに一人で見ていたと。へぇ、今度すごい怖いお化け屋敷に連れて行ってあげるよご主人様」

『え、遠慮しますっ!!……で、何?』

……弱点みっけ。

 いやそれより、まずは仕事仕事。今度いじればいいや。

「仕事のことだけどさ、こないだ話してたいとこに頼みたいことが――」

『あー…刹那に?あいつはプロフェッショナルだから多分いい仕事してくれるよ』

電話の向こうから、少し楽しそうな奏の声。

 プロフェッショナル?

 この手の? 

 ……嫌な予感しかしないのは、俺だけか。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ