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2 100年後

アンガールズ山根がそのうち総理大臣になることと、ミスターマリックが特報王国でやってた『栗間たすみ』が本名だったことに驚くわたし。なによりここが100年後の未来だなんて。


栗間

「ハァハァ、もう信じてもらえましたか?う…」

あたし

「なんかしんどそうですけど大丈夫ですか?」

栗間

「ハァ、ルーラで体力をかなり使ってしまいました。」

栗間さんはルーラの意味を間違って覚えているようだ。あたし

「え、えっと…本当にここは100年後の未来なんですか?いまいち実感がないというか。」

真っ白で物が何もない部屋は違和感はあるものの、現代と変わりはなかった。

栗間

「これを見ればわかります。」

栗間さんは手を二回叩いて、小さく『女性と食事』と言った。ややあって、かすかな機械音と共に壁が開いた。

そこからダイニングテーブルとその上に食事が現れ、テーブルの真ん中にはバラの花瓶まである。それと同時に静かなクラシックが流れてきて、いつの間にか壁紙が上品なピンク色になっていた。まるでレストランの一画のようだ。

あたし

「す、凄い。」

栗間

「一人で食事の時はもっとシンプルなんですがね。合図によってテレビやベッドも出せます。」

栗間さんが手を二回叩いて『全て撤去』と言った。するとみるみるうちにテーブルは壁の中に吸い込まれ、元の何もないがらんとした白い部屋に戻った。

あたし

「科学の力はここまで…」

栗間

「山根総理が日本を平和にしたおかげで、人の暮らしを良くするための研究が飛躍的に進んだのです。さまざまな問題に充てていた予算が浮いたのですから。」

山根すげえぇぇ。もうキモイって言うのはやめておこう。

あたし

「本当にここは未来なんですね。未来の人はみんなテレパシーが使えたり過去の人間を連れて来れたり出来るんですか?」

栗間

「いえ、ミスターマリックの血をひく私だけです。ミスターマリックもこの能力があったみたいですよ。」

あたし

「まじすか。」

栗間

「よりリアルな時代劇作りに協力するために、江戸時代の人と会話したとか。」

マリックすげぇぇ。でもどうせなら説き明かされてない歴史とか聞いてよ。

あたし

「そうなんですか。…あ、最初から聞きたかったんですがなんであたしなんですか?」

栗間

「私の代になると能力が弱まってしまったんです。なので私は昭和60年生まれのタラコ唇の人にしか話しかけられないんです。」

なにその限定。

あたし

「でもあたしの他にもそういう人はたくさんいるじゃないですか。」

栗間

「そのタラコっぷりと、過去からいなくなっても未来の歴史にまったく影響がない人物、ということを考慮したらあなたになったんです。」

あたし

「('A`)ひどい」

あたし

「ハッ!…ちょ、あたし過去に帰れないんですか!?」

栗間

「アシモ問題が解決したら私が責任をもって帰します。」

あたし

「解決しなかったら…?」

栗間

「私に作戦があるんですが、それが失敗したら反逆者として私もあなたも一生奴隷、もしくは殺されるでしょうね。」

あたし

「あ、あたし帰ります。」

栗間

「だめです。」

あたし

「無理ですよ。自衛隊でも抑え切れないんでしょ?まったくもって無理ですよ。殺されて終わるのは火を見るより明らかですよ。」

栗間

「このままでは日本の未来はないんです。」

あたし

「100年後なんてあたし生きてないし。どうでもいいです。バイトがあるので帰して下さい。」

栗間

「あなたがどうしても無理だと言うのなら私は…」

栗間さんは手を叩き、『ナイフ』と言った。壁から現れるナイフ。それを拾い、自分の喉に突き付けた。

栗間

「ここで自殺します。…あなたは二度と過去へは戻れません。」

あたし

「ちょwwwwやめwwwwwうはwwwwwwwうwwwはwww」

栗間

「娘も妻も友人もアシモ団に捕らえられてしまった!あなたが協力してくれなければもう戻らない!生きる希望はない!うわあああああああ!」

ナイフを持つ手に力が入り、栗間さんの首元が少し切れた。

あたし

「わっ、わかりましたわかりました、落ち着いて下さい。その作戦って言うのを聞くだけ聞いてみます。だからそれは下に置いて下さい…。落ち着いて……ゆっくりと…」

栗間

「撤去」

ナイフが壁に消えた。

あたし

「ちょww冷静ww」

栗間

「じゃあ作戦をお話しします。その前にこれを着て下さい。」

栗間 パンパン

「アーマードスーツ」

壁からやけにごついスーツが出てきた。どこかで見覚えがある。

あたし

「これって…アーマードスーツって…もしかして…」

栗間

「そう、オリハルコンのゲフンゲフン」

あたし

「スプリガンのパクりじゃないっすかwww」

栗間

「そういうのはあまり言わないように。」

あたし

「はい。で、これを着るんですか?」

栗間

「お願いします。」

あたし

「…」

栗間

「…」

あたし

「……」

栗間

「……」

あたし

「あの…着替えるんで…」

栗間

「あ、すいません。」

パンパン、『熱湯コマーシャルのやつ』

上から熱湯コマーシャルでよく見る筒型のカーテンが降りてきてあたしを覆った。タイマーがピッポッピッポと鳴っている。残り27秒。

あたし

「ちょwwwムリスwww」

栗間

「ちゃんとタオル投げますから。」

あたし

「死ね栗間。」

栗間

「冗談です、すいません。」

なんで100年後の人間が熱湯コマーシャルを知っているのか謎だが、そんなこんなで着替えが終わった。体にフィットするかっこいいバトルスーツ。

あたし

「やばい皆川亮二の世界だぁぁぁ(皆川好き)」

栗間

「やっぱり!あなたなら着られると思いました。」

あたし

「?」

栗間

「アーマードスーツは人を選ぶんですよ。限られたタラコ唇で無職の人しか着られません。無職なら失うものがないですからね。」

あたし

「('A`)」

栗間

「もしスーツに拒否されれば四肢吹っ飛んでましたよ。」

あたし

「グロっ!先に言って下さいよ…。」

栗間

「やっぱり私が睨んだ通り、未来を救うのはあなたしかいません。」

あたし

「やらなきゃだめですか…で、作戦とは?」

栗間

「その前にそれ着替えちゃって下さい。汚れるとクリーニング大変なので。」

「せこい…」

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