1 栗間さん
日記が空いてしまってすいません。ちょっと日本を救ってました。
いつものように部屋でポケモンをやっていたら突然頭の中に男の声が響きました。
???
「もしもしあなた、私の声が聞こえますか。」
あたし
「ビクッ。………………気のせいか。それにしてもポリゴン高いな。9999枚ってw」
???
「聞こえていますよね。返事をしてください。」
あたし
「ビクーッ。な、何これ幻聴?あたしの頭ワロスw」
???
「幻聴ではなく、あなたの頭に直接話し掛けているのです。」
あたし
「えっえっなんなのこれ。頭?誰?幽霊?」
???
「私は100年後の未来人です。」
あたし
「あー。そろそろバイトの用意しなきゃ。よっこらセックス。」
???
「信じて下さい。現実です。」
あたし
「幻聴を信じてって、ねぇ。心が病んでるのかなあたし…」
???
「仕方ないですね、少し手荒ですが信じて貰えるために」
………………
バン!!
吹っ飛ぶポケモン赤。割れるアドバンス。
あたし
「ぎゃ!」
???
「中古ゲーム屋の店員に話しかけ、それがあなたの手に渡る前に壊させました。」
…壊す?何のこと?それより
あたし
「うわぁぁぁ!!やっと120匹まで集めたのにぃぃぃぃ!!ミュウがぁぁぁぁミュウツーがぁぁぁ!!」
???
「もう一度やります。」
バン!
弾け飛ぶ花京院のフィギア。(スタンド付き)花京院のあの前髪が飛んできてあたしの腕に刺さる。
あたし
「痛っ!!か、花京院んんんん!!1000円もしたのに!もうやめてぇえ!」
あたし
「こんなことが、あるなんて。未来人…マジ?」
???
「信じてもらえましたか?」
あたし
「え、はい…まだ信じることは出来ませんが…てかあなたはどこにいるんですか?誰ですか?」
???
「100年後の未来から話しかけています。名前は栗間です。」
あたし
「…くりま…さんがあたしに何の用ですか?」
栗間
「時間がありません。手短に話します。あなたに…」
栗間
「あなたに未来を救って頂きたいのです。」
あたし
「救う!?未来?あたしが?…ど、どういうことですか!?」
あたしは半信半疑ながら栗間さんの言葉をゆっくり、反芻しながら聞いた。
栗間さんが言うには100年後の日本はアシモが征服しているのだという。
あたし
「アシモ!?アシモってあの二足歩行型のロボットですよね?」
栗間
「はい。あのアシモが今私のいる年から30年前にある日本の技術者の手によってAI、人口知能を搭載されてしまったのです。」
あたし
「AI…」
栗間
「人間が持つ頭脳を遥かに凌ぐ程の、です。制御しようとする人間の感情を心拍数や汗、気を感知して読み取り、先回りして殺してしまうのです。」
あたし
「そんなことが出来るなんてありえない…」
栗間
「アシモはどんどん能力を上げて行きます。体中に核を含む兵器を組み込み、日本の自衛隊は太刀打ちできません。」
栗間
「そしてアシモは自分に服従しない人間を奴隷にし、やがて同じタイプのアシモを量産して日本全土を治める権力を手にしたのです。」
あたし
「その元凶の技術者は?」
栗間
「アシモが暴走し始めた頃、罪にさいなまれ自殺しました。」
あたし
「…」
栗間
「遺書には『漏れの能力が社会に認められなかったからむしゃくしゃしてやったお。ごめんなさいお(;^ω^)逝ってきます。ノシ』、と…」
あたし
「ちょwwwvipperかよwwwwwいつの時代もまったくvipperは…。ビキビキ」
あたし
「あ。少子化や国交問題や税金とかはどうなったんですか?そっちも問題になってるんじゃ…」
栗間
「あなたが今いる年から50年後には、山根総理が全て解決しました。」
あたし
「山根総理?」
栗間
「元アンガールズの山根さんです。芸人引退後に政治家になられたようで。」
あたし
「うはwwww山根すげぇwwww」
栗間
「それから20年は問題もなく平和な日本だったんですが。」
あたし
「そこでアシモ登場…。天国と地獄ね。」
あたし
「で、さっきあたしに救って欲しい、と言ってましたが何をすればいいんですか?」
栗間
「わたしのいる100年後の未来に来てほしいのです。」
あたし
「断る。」
未来に行くなんて見当もつかない。てかよく考えたらなんであたしが。
栗間
「…あなたしかいないのです。人間が奴隷化し、夢も希望もない未来を救えるのは!」
あたし
「無理。」
栗間
「お願いします!」
あたし
「今からバイトあるし。」
栗間
「しょうがないですね…人々の未来のためです。ルーラ!」
あたし
「か、体が…ぎゃぁぁぁ」
…
目が覚めると一面真っ白で何もない部屋の中だった。
あたし
「こ、ここは?あたし…」
キョロキョロと回りを見渡す。目の前にサングラスをかけてオールバックの髪型の男が倒れている。
あたし
「あの…」
グラサンの男はうぅ…と体を起こしてこう言った。
「あ…改めまして、私が栗間です。」
栗間さん!?ってことは…ここは、まさか、未来?無理矢理連れて来られたってこと?
…それより気になることがあった。
あたし
「あの、いきなり失礼ですが栗間さんの先祖って」
栗間
「あなたの時代ではミスターマリックです。」
栗間たすみは本名だったのか!!!