スーパーのレジにて
〜三年前の夏休み〜
当時、大学生だった俺はヒマな時間を有効利用するため、朝から夕方(10:00〜17:00)のパートタイムの時間帯に働いていた。
夏の昼下がり
時間は午後3:00
平日でお客さんも少なく、とてもヒマなこの時間
とあるローカルなスーパーのレジで事件は起きた。
ケース1
〜ふくよかな40代女性〜
「いらっしゃいませ、こんにちは」
「こんにちは」
ピッピッ・・・
「ポイントカードはお持ちですか?」
「いいえ」
ピッピッ・・・ピピ!!
「お待たせしました。1780円頂戴いたします」
そう、ここまではいつも通りだった・・・。
ここまでは・・・
次の瞬間・・・、目の前の女性が口を開くまでは・・・
「ねぇ、アナタ、ちょっとお願いがあるんだけど、濡らさせてくれない・・・?」
・・・流れる沈黙5秒・・・
(・・・え?聞き間違いだよな・・・?)
「・・・あの、すいません良く聞こえなかったんで、もう一度言ってもらっても良いですか・・・?」
「あぁ・・・はい、だから・・・濡らさせて下さい」
・・・沈黙10秒・・・
(・・・ヤバい聞き間違いじゃなかったし・・・どうしよ?てか、怖っ!!・・・客という立場を利用して、・・・このオバさん怖っ・・・)
「すいません・・・ちょっとそれは・・・」
「え・・・?だめなんですか・・・?」
(いやいや・・・だめに決まってんだろ!!だいたい、昼間から何言ってんだよ!!若くて可愛いお姉ちゃんならともかく、お前みたいなオバさんが言ったら、ただのセクハラじゃんか!!警察呼ぶぞ!!)
「・・・はい、申し訳ありません」
「じゃあいいです・・・向こうで濡らすんで・・・」
(終わった・・・変態だ・・・店内で変な事される前に・・・警察呼ばないと・・・まず店長に・・・)
店長を呼びに行こうと、慌ててレジを止めて、今の客の特徴を覚えるため、ふと振り向いた俺の目に飛び込んできたのは・・・、
指先をスポンジでしっかりと濡らして、袋を開くオバさんの姿だった・・・。