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苦手な方はご注意ください。

古木のホラー短編集

愛の手紙

作者: 古木花園

 大好きなあなたへ


 私たちが出会ってからこの日までもう5年が経ったね。今でも思い出します。私が携帯を落としてしまって困っているところを、声をかけて一緒に探してくれましたね。そして、あなたが見つけてくれた。

とても嬉しかったです。

 それから私たちは連絡先を交換して、友達になって、いっぱい色んなところに連れ出してくれましたね。楽しい思い出がたくさんあります。

 でも私たちの思い出は楽しいことばかりじゃなかったね。

 私の友達が急に態度を変えて仲違いした時も仲介してくれた。仲直りはできなかったけど、私にはあなたしかいなかった。

 いつの間にか私たちは恋人になっていましたね。

大好きなあなたと二人で暮らすことを決めて、決して裕福ではなかったけど幸せだったね。

 両親と結婚のことで言い争いになってしまったけど、あなたがお話をつけてくれましたね。

 あの日から少しずつ私たちの暮らしはお金も安定して、結婚式の資金も貯まりましたね。


 大好きなあなた。


 で、どうして?

 どうして?



 どうして?どうして?どうして?



 あなたは結婚式前にどこにいたの?

 きっとこれを読んでくれてる時には知っていることでしょう…

みさきちゃん?だよね。

 私の大好きなあなたを奪った女の名前。

 大好きなあなたが私のためにストーカーして、携帯を盗んで、私に渡して、情報抜き取って、友達を無くして、 親と疎遠になって、お金をむしり取って、でもそれは私のことを愛しているからしてくれたんだよね?


 だからね。愛してるあなたが、また見てくれるようにね。


 あなたを惑わした女の口も、あなたを見た目も、あなたの声を聞いた耳も、近くに寄る足も、触れようとする手も、あなたの子を産もうとする浅はかな子宮も、全て、切り取って、私たちの結婚式を引き立てる飾り付けに使ってあげました。


 これは全て、大好きなあなたのため。


 ずっっと、待ってるね。


 香緒より


 追伸   もし、来てくれなかったら耐えれないから、あなたにプレゼントを贈ったわ。

きっと喜んでくれると思うの。いっぱい食べてね♡

心から愛しているわ。

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