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折々な日常の中で  作者: 仲村遊一


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こういうのは見逃してはいけないのだなと感じた。




最近、何かと忙しい。

仕事での引き継ぎ期間ということもあるが、それ以上に資格試験や色んな人からの誘いなどがあり、自分の時間をゆっくり取ると言うことがあまり出来ていない。

誘われたり、任されたりすることは有り難いことなので全く不満はないのだが、自分のキャパシティを越えてくると中々気持ちの折り合いが難しくなる。

たまに出来た時間もダラダラと過ごしてしまい、後でやりたかった事などを思い出し、無駄に時間を過ごしたことにイライラしてしまったりしている。

今、書いていても馬鹿馬鹿しくなるくらいに自分という人間を制御出来ていないなと感じているが、これで誰かと過ごしたり、人の為に何か出来るかを考えたりすることが出来るのだろうか。

本当に自律という部分からかけ離れていると感じている。


そんな中ではあるが、毎度の事ながら料理人の友達から連絡があった。

休みなので少し電話をしようというので、期間が空いていたこともあり二つ返事で了承し、時間を作り電話をした。

まだ辛い思いをしているのかな、や、体調が思わしくないのかな、など色々と考えていたが電話に出た声色は意外と明るいものだった。

6月から連休になったこともあり、体を休める時間が増え、少しずつではあるが心身のバランスが取れてきたようだった。

ただ、職場の環境自体は変わりないのでストレスや日々の激務自体は変わらず存在しているようだった。

2日休んだだけで明日から仕事に行きたくないと弱音を吐いていた。

そらそうだろうと相槌を打ち、辛かったら逃げるのも手だよと伝える。

本人の中ではわかってはいるが中々踏み出せないと言っていた。

凄く気持ちもわかるがそれ以上に体と心が出すサインを見逃さないでほしいとも伝えた。

30年近く友達として一緒にいると、少しの変化もわかるようになる。


近い距離だからこそわかる変化を言葉にして伝える。

偏見で申し訳ないが、小さい変化を見逃さないようにする、といった行為は妻にもしてきた。

だが男女の違いや育ってきた環境の違いで中々受け入れてもらえなかった。

そのもどかしさを自分の中では中々消化できなかった。

だからこそ今、目の前で苦しんでいる人たちに手を差し伸べれるよう、小さいサインを見逃さないようにしたい。

自分の中にゆとりと余裕を持てるようにしたい。

会社の同僚であれ、友人、家族であれどんな小さい悩みでもいい。

心の受け皿になれるよう自分を磨きたい。


電話の最後に友人がこんなことを言っていた。

「仕事が落ち着いたら旅行に行きたい」

「近くじゃなくて少し遠いところでゆっくりしたい」

「バイクに乗ってツーリングをしたい」


時間とお金が許す限り全て叶えてあげよう。

友人として最大限出来ることはしてあげよう。

そしてどんな小さなサインも見逃さないようにしよう。

自分の周りにいる人が1人でも辛い思いをしないために。


その為には今、何をすべきか考えよう。

「その日」が来ると信じて。





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