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折々な日常の中で  作者: 仲村遊一


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20/43

見られる


ある意味緊張感のある日々を過ごしている。




先日、課長からの呼び出しがあり、6月からの異動を命じられた。

実質2ヶ月を切っている為、今は毎日引き継ぎと異動先の勉強の2つを掛け持ちしながら、忙しい日々を過ごしている。

私のしている仕事はそれ程複雑な仕事ではない為、少し乱暴な言い方をすると、やる気次第で幾らでも覚えられる仕事だ。

実際、転職してからの1年半、その班でずっと仕事をこなしてきたが、班全体の仕事を覚えるのに3ヶ月も要らなかった。

現状、引き継ぎ相手は同じ班内の人なので、仕事の流れや、扱っている機械の仕組みを教える必要はなく、スムーズに引き継ぎが進めば時間は掛からないと思っていた。

だが、意外にも私と他のメンバーでは覚える進捗に時間差があり、考えていたより上手く引き継ぎがいっていない。

私も次の異動先の仕事を覚えないといけない立場なので、のんびりしている暇は無いのだが、上司からしっかり引き継ぎするよう頼まれている以上、自分が覚える時間を割いてまで、迷惑が掛からないよう教えることに力を入れている状態だ。


人を教えるというのは年齢を重ねても難しいものだ。

口頭で上手く説明出来れば1番いいのだが、口下手ですぐに擬音を使ってしまう癖があるため、まずは作業内容を見てもらうという方法をとっている。

見てもらってから、そこで感じた疑問点を後で掘り返し、細部を詰めていく。

そして実際にやってもらって、私との違いを感じてもらいながら、経験を積んでいく。

こちらとしては質問に対する回答を用意しておき、すぐに応対できるよう、引き継ぎ相手がこなしている仕事をフォローしながら、粘り強く対応している。


ここで話は少し変わるが、昔から人に見られるのが苦手だ。

今やっている事、仕草、態度、仕事風景、顔など、見られることへの抵抗感が昔から強い。

普通にこなせる内容の事でも、じっと見られているとそちらに意識がいってしまい、変に力んだり、良いところを見せようとして、ろくでもない結果を生んでしまう。

過去に女性や後輩の前で良いところを見せようと思い、普段慣れている仕事や知識を見せびらかしたところ、間違っていたり、失敗したりと、いい結果だった記憶が無い。

それに、視線を意識すると変に汗をかいてしまう。

冬場なのに手や額が汗でびっしょりなんて事は、中年になった今でも治らない癖みたいになっている。


だが、このエッセイを通じて、見られることへの苦手意識は少しずつではあるが減少しているように思う。

心の内部をつまびらかに書き記し、弱い部分を曝け出して、極論、世界中の人へ発信している現状がそうさせているのかも知れない。

最近始めたエッセイ専用のSNSも色んな人と繋がりを作り、違う角度からの見られるを感じている。

物書きという立場上、誰かに見られないと価値は無いとも言えるため、苦手意識を無くす良い機会と捉えている。


見られることへの過剰なまでの意識をある意味感じながら、緊張感を保って日々の仕事、毎週のエッセイへと繋げていきたい。


暫くは、額と手に汗を感じながら。




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