全力
久々に楽しい飲み会だった。
今週の水曜日、地元の友人と集まり、近くの居酒屋で飲み会を開催しようということになった。
前にも書いたが、私は飲み会が少し苦手だ。
色々と気を遣ったり、また逆に全く楽しめなかったり、あまり飲み会というものにいい思い出が無かった。
だが、今回は地元の学生の頃からの友人なので、その点、気疲れや話が盛り上がらなかったりの心配は無かった。
仕事が定時で終わり、急いで帰る。
帰宅し、身支度を整え、歩いて行ける距離の居酒屋で集まる。
予約してもらっていたため、席を取る必要は無く、入ってすぐのところに友人が先に来ていた。
今回のメンバーは私を含め3人で、その点も気持ちが楽な部分だった。
気心知れた友人との宴が始まる。
19時開始で最初は2人きりだったが、20時過ぎに仕事を終えた友人が1人増え、メンバーが揃った。
そうしてからは狂喜乱舞だった。
皆、思い思いにストレスを抱えているのか、アルコールを摂取するスピードが半端なかった。
それと同時に食事の方も進む。
やはり、中堅クラスの年齢になると給料もそれなりに貰えるため、遊び方やお金の使い方が変わる。
食事ひとつ見ても、もう食べれないとわかっていても注文し、食べ切る。
お金との相談を一切せず、自分の気の向くままにこの時間を楽しむというのは、凄く楽しいことなんだなと感じる。
結局閉店までお店に居座り、半ば追い出されるように店を出た。
私は歩いて帰れるが、2人は自家用車とタクシーだ。
1人が代行を頼み、待っている間にソワソワし始めた為、どうしたのかを聞くと一言。
「気持ち悪い」
ほら、言わんこっちゃない。
明日も出勤なのに無理したんだなと思う。
それでも地元の友人という、かけがえのないものに時間と労力を費やし、全力で楽しむ。
瞬間瞬間を懸命に生きているんだなと、駐車場の排水溝で吐いている友人の背中をさすりながら思った。
楽しい時間はあっという間に終わる。
人生も案外そうなのかもしれない。
あっという間に終われるような人生にするためにも、こういう時間と人間を作っていこうと思った。