撥条仕掛けの無感情
雲一つない蒼く塗られた天井から
今日も聞こえる撥条が回る音
僕らは動かされている
大きな一つの糸から
摩天楼の中の撥条に繋がり
次の糸を引っ張って撥条を回す
僕らはそうやって生きている
気付けば空は真っ黒に塗り替えられて
無理矢理動かされた月の光が
僕らを無意味に照らし歩かせる
景色を眺める暇なく撥条は回り
揺れ動く感情を留めさせてくれない
太陽が回って来れば淡い感情も消え
僕らの撥条が次の歩く道を決める
随分と楽しそうな撥条が腹立たしいのに
抗えないまま蒼い天井の下を歩く