ブランコ
靴の裏で
地面を蹴った
出だしはいつも
探り探りの
リズム
揃えて空を
漕ぎ出した足と
丸めた背は
風を受けた帆
捉えた速度で
突き進めば
しなやかに伸びる
ながれるように
指揮をとる身体
握りしめた鎖
奏でる音が
わたしの像を
追いかけ
揺れる猫じゃらし
水飲み場の蛇口
囲うフェンス
軽々と
波を掴むように
越えたなら
大きく
退くことは
大きく
舞い上がる 合図
そう高らかに
歌いだせよ
風の中に
遠ざかっていく「今」よ
見開いた目に
増えていく 青
そればかりで
すべてを 埋め尽くすまで