26話 キプロス学院の劣等生 入学編2
─── アビス 歓楽街ベルコア中心部 アビス セントラルタワー ───
side マーキス(インフェルノのボス)
犯罪シンジケート、インフェルノの幹部たちが招集され月次報告会が行われている。
「昨年度は華宮を傘下に加えた事に加えカジノ部門の躍進、金融トレードの成功などで目標を大きく上回る過去最高の利益を達成する事が出来ました。売上高に対する経常利益の割合は~」
会計士の報告が続く。
最近は暴力使わなくてもいくらでも稼げるらしい。と言っても最後に頼るのはそれなんだが。
『ボス。今日あいつが来ていないようですが?』
念話で話しかけて来たのはカジノの仕切りを任せているモンティスだ。30年来の付き合いで一時期共に掃除人をしていた事もある。
『あいつ?ああ、朧か・・・彼は債権回収だ。』
『そんなもの部下に任せておけばいいものを。』
『バイオシンテクノロジーの焦げ付きだぞ。信頼出来る奴にしか任せられん。』
『ああ・・・あそこか、そりゃお気の毒。そういや倅の入学式は明日ですよね。まさかあいつが式にでるとは。野郎もガキには甘いって事か。』
『いや、息子と言うよりはキース会長に誘われて渋々といった感じだな。』
『ああ、なるほど。』
『キプロスも大分様子は変わったようだが・・・強者が支配すると言う本質は変わらない。過去あの学院を統一出来たのは魔王アルルただ1人。いつだったかベルゼビュート様が楽しそうに話していたよ。』
『魔王アルルと前会長が同じ学校に通ってたとかマジでヤバいわ。暴力に生きる奴らにとっちゃ天国みたいなもんか。』
『いや、地獄だろ?』
「はーっはっはっ!違いねえ!」
幹部の視線が男に集まる。
『声が出てるぞ。』
「・・・失敬。報告の続きを。」
会計士が報告を続ける。
『それにしてもキース会長が入学式に出るとか大丈夫なんですかね。』
『流石に暴れたりはしないだろ?気にしすぎだ。ふふっ。』
『笑い事じゃないですよ。キプロスの注目度は以前とは桁違いに高くなってます。面倒事は御免ですよ。』
『別に他所の組に喧嘩売りに行ったわけじゃないんだ。問題あるまい。』
以前某組織と戦争になった時は、その対応を巡り内部で分裂。勢力は3分の2まで落ちた。
その時、華宮が仲介人となり抗争を収める流れになった為組織のダメージは最小に抑えられた。ベルゼビュート様は朧の手腕を評価し相談役としてインフェルノに招き、その後華宮を正式に傘下に加えインフェルノは拡大して行った。
だが、デカくなったのは良いが細部まで目が届かなくなり裏では小競り合いや掟を破る馬鹿が続出している。
『マフィアより警察の方がヤバいですよ。奴らに目をつけられたら面倒だ。』
警察か・・・以前は治安維持を行っていたのは冒険者ギルドだったが街が急速に拡大したため専門のチームが組織化。
実力派の神官やスキル持ちが多数在籍している。
薬、喧嘩・・・とにかく面倒事が起きると奴らが飛んで来て制裁を受ける。その場で〇されるなんて話も珍しくない。
街を支配しているのはベルゼビュート様だが警察組織の仕切りはあの方とは別。ただでさえインフェルノは目の敵にされているんだ、何かあれば潰しに来るだろう。
『その時はALL AROUNDに就職でもするか?私は定年退職させてもらうが。ふふっ』
先代会長が立ち上げたインフェルノのフロント企業だが、今では世界一の商人ギルドで、あのフロックス(軍需企業の最大手)やIT、テクノロジー関連の巨大企業を幾つも傘下に収めている。
『いやいや無理でしょ。面接で弾かれますってwそうならない様に会長には上手く立ち回ってもらいたいんですけどね・・・』
組織がここまでデカくなったのはキース会長のおかげでもある。彼の圧倒的な暴力を前にしては誰もが膝を屈するしかないのだ。
しかし問題なのは、キース会長の支配エリアにいた魔神たちだ。会長へ付き従いインフェルノへ加入。いくつもの敵対組織を潰し勢力を広げていった。
シノギの上がりが増えると当然態度もデカくなり、古くからインフェルノにいた者との間に軋轢が生じ、今現在も内部や警察を相手にした揉め事が多発。以前の内部分裂もこの者たちが絡む部分が大きく私の頭を悩ませている。
『で、例の話は会長から何かありましたか?』
モンティスが気にしているのは組織の跡目問題だ。私も高齢で引退も近い。次はだれがトップに立つのか気になるのだろう。
『何も。気になるならお前、立候補するか?』
『ふふふ。ご冗談を。もう20年も若ければ考えたでしょうが・・・昔とは立場も状況もまるで違う。今はインフェルノは本家、華宮、キース派に別れています。以前から揉め事が多かったのにさらに面倒に・・・失礼。しかし、これをまとめられる人物がいるかどうか、まぁ誰が選ばれても揉めるでしょうね。』
『・・・朧が継いでくれるのが一番いいんだが、あいつには断られたからなあ。息子がキプロスをまとめられるようなら将来的には任せてもいいかもしれないが。』
魔王アルルの場合はその精神力、胆力、器のデカさに生徒たちが畏敬の念を抱き僅か一日で学院を掌握してしまったと聞く。
私も魔王と一度ヤッた事はあるが、その力の一端を垣間見る事さえ出来なかった。生徒たちがその圧倒的暴力と魅力に強烈に惹き付けられたのは容易に想像出来る。
『頂点を目指す奴は毎年必ず現れるが実際に獲ったのは魔王アルルだけ。朧の倅もヤるらしいですが厳しいんじゃないですかね。ちなみに剣術科ですか?』
『いや、学術科だ。剣の腕は親父に鍛えられたせいで学ぶ事は無いんだと。経営学でも勉強するんじゃないか?』
『勉強か。うちらには縁の無い単語ですな。』
シノギの勉強なんてしないからな。見て覚えるだけだ。
「では、続きまして来期の経営戦略について御説明いたします。まず個別の数値目標としまして~」
ガチャ
会議室の扉が開く。
素早くボディガードが私の前に出て構える。
男が入ってくる。
まったく、噂をすればと言うやつか。
あいつセキュリティ結界を無効化したのか。
男は部屋を一瞥した後
「会議中に悪いな。」
ドサッ ドサッ
パンパンに膨らんだバックパックとデカいトラベルバッグを放り投げた。
「うちのシマで覚せい剤捌いてた売人だ。一応まだ生きてる。」
インフェルノは麻薬密売(薬局)禁止だ。掟を破った者は処刑される。
部下がバッグを開けると口をテープで塞がれ体を魔力の糸で縛られた男が顔を出す。顔は腫れ上がり着ている服は血で赤黒く染まっている。ホントに生きてんのか?
『ボス・・・奴はエシュロンのギールグッドです。』
顔が腫れていて気づかなかったが、顔に掘られたTATOOには見覚えがある。
エシュロンはアビス郊外に拠点を持つマフィアで長年インフェルノと縄張り争いをしていたがキース会長が本部を壊滅させてからは郊外に移り細々とシノギをしていたはずだ。
こいつはエシュロンの大幹部でキース会長のカチコミ(殴り込み)から逃れた数少ない生き残りの一人である。
「説明してもらおうか。修羅。」
朧の息子でインフェルノ直系組織、華宮の若頭に問う。
「マーキスの叔父貴か。」
「ここでは代表と呼びなさい。」
「OK代表。」
⋯⋯。
「で、こいつは?」
「ダチの女がシャブ中にラチられてよ、アタマ来て事務所に乗り込んだらこいつがいてさ、半殺しにした?みたいな。」
簡潔に説明し過ぎだ。
「スピードうんぬんと言う話は?」
「ボコってる時に勘弁してくれっつってペラペラ話してたんだよ。よく分かんねえから、とりあえず金庫の中身と柄さらって来た。」
頭が痛くなってきた。
「アジトにはそいつ以外にも組員がいたはずだが?」
「こいつ以外は始末したけど・・・不味かったか?」
構成員は数十人はいたはずだ。
キース会長に潰された後エシェロンはヤクの売買をメインのシノギにしていた。うちのシマに手を出していたのは把握していたが、修羅の身内に手を出したのが運の尽きだったな。
「いや、良くやってくれた。そのバックパックの中身はこちらで調べて後で報告させよう。」
「いや別に帳簿とか興味ないから。」
・・・・・・。
「分かった。後はの処理はこちらでしよう。」
後始末が面倒だが、警察にも組織の者は多数潜り込ませている。上手く処理してくれるだろう。
にしても本当に朧の息子なのか?慎重さが皆無で性格は真逆だ。
「それはそうと、修羅、明日は入学式だな。もう準備は出来ているのか?」
「ああ、そういや親父が言ってたな。いや、何も用意してないよ。どうすっかな。」
「キース会長も恐らく出席するはずだ。まぁお前が行きたくないのなら別に構わないが」
「叔父貴それ先に言ってくれよ!総長がいるなら行くに決まってるだろ。」
修羅はガキの頃から会長と付き合いがあり総長と呼んで慕っている。
「ふぅ、いいだろう。おい、テレシアを呼べ。修羅を家へ送ってもらう。」
テレシア・・・ランクAの魔術師。
ベルゼビュート様の紹介でAランクチームから引き抜いた優秀な駒。
「マジかー。今日女の家に泊まるからそっちに飛ばして貰っていい?」
「ああ、テレシアに言っておこう。」
武力は申し分無し。キプロスでもう一皮剥けて化けるといいが⋯
「あと、朝迎えに来て貰えると・・・」
チラッ
「テレシアに言え。」
「あざーっすw」
先行きは不安だな。
──── 現在 ────
キプロス学院 アリーナ前
side ダリル
「学術科、新入生の方は22番ゲートへ、ご家族、付き添いの方は36番ゲートへお進み下さい。」
猫の着ぐるみを着たスタッフがプラカードを掲げて案内している。
行列に並び進んで行く。これみんな新入生なのか?学術科の定員は2000人となっていたけど、いざ目の当たりにすると圧倒されるな。
獣人、亞人、魔族と様々な人種が入り乱れて所々で小競り合いも起きているようだ。対応するスタッフも大変だね。
以前の学術科は今の様な人気は無かったと聞く。科学の飛躍的進化がこの状況をもたらしたのは言うまでもない。
ん?チャムが行列から離れて行く。
「おい、チャム。22番ゲートはそっちじゃないぞ。」
「あっ、私スピーチ頼まれてるからこっちなんだ。また後でね。」
ウィンクして行ってしまった。
スピーチ?何だろ。
わああああ
後方から歓声が聞こえる。
「ねえ、後ろにWeTuberのエミーいるって!」
「マジ?ホントに入学式出るんだ。」
「何日か前にキプロス行くって配信してたよねー。」
「私一緒に写真撮りたい!」
「誰?」
「WeTuberやってる2年生だよ。」
「超有名な配信者だぞ。なんとかってチーム脱退した・・・」
「DFLな。解散してからはアイドル魔法使いエミーな。」
「ああ、思い出した。あのフェイク動画の!」
エミタソ来てんのか!?
エミリーンは元冒険者チームの魔術師でチームが解散してからは、動画サイトWeTubeでアイドル魔法使いとして活動している。
去年映像デザイン学科に入ったのは知っていた。
歌手としてのライブ配信がメインだが人気なのは得意の転移魔法を使った【フロアボスの拠点に転移してみた】シリーズで、累計再生数5億回を記録している。
タイトルそのままに同じ獣人のカメラマンと毎回2人でフロアボスの拠点に転移するのだが、敵に発見されて慌てて逃げ帰ると言うのがお約束でそのかわいい見た目とポンコツキャラがウケてバズりまくっている。
でも皆がエミタソを知る切っ掛けになったのは大炎上したDFLのミラージュ攻略配信【閲覧注意】カメラがとらえたミラージュの悪霊 だ。
生配信中に起きたハプニングをとらえたこの動画は8億再生を超え今なお物議を醸している。
DFLが解散した頃、リーダーが悪霊に憑りころされたのでは?と言う噂が流れこの動画本物じゃね・・・と話題となり、フェイク派との大論争になったのだ。
見たもの中には体調を崩すものも現れ、いつからか冒頭に【これからご覧になられる動画には一部ショッキングな映像が流れます。苦手な方はお控えください。】というトリガー警告が入れられた。
だがこれが逆にオーディエンスの好奇心を誘ってしまい爆発的な再生数を記録。
検証動画やフェイク動画が大量に上げられたが・・・真実は今も不明らしい。
生エミタソ会いてえええ!
何気にDFL時代からのファンなんだよなあ。何度もお世話になってるし・・・
もしかしたら会えるかも、とは思っていたが、こんな早くにチャンスが来るとは。
会いに行くか?
あっ、そうだ、もしかしたら生配信してるかも。スマホのアイドル魔法使いエミーちゃんねるを開く。
Live配信中だ。
悲鳴の様な声が聞こえる。
揉みくちゃにされてブレブレの画像にはエミタソの姿がチラチラ映っている。
「ち、ちょっと、待って!今配信中だから!もう・・・あっ、こらっ!変なトコ触んな!」
どこ触られたの!!?はぁはぁ
クッソ!うらやま・・・けしからん!
「ガイウス!会場に飛ぶよ!あっ・・・やだっ!もういい加減に・・・」
エミタソ涙目だ!クッソ!僕が行って・・・
ズオッ
バタバタッ
何か今凄い殺気の乗った風みたいなのを感じたんだけど・・・。
「は、はい!では次は会場内に移動したいと思います!アイドル魔法使いエミー!アリーナに・・・Let's GO!」
決めセリフを言って転移しちゃった。つか今周りの生徒たち泡吹いて倒れていたな。大丈夫なのか?
アリーナに入ると5割程座席が埋まっている。
エミタソどこだー?
配信は休憩中となっている。
しっかしこの会場のキャパ3万人だったよな?関係者多過ぎません?
それにしても変わった建物だ。天井から壁まで真っ白。もっと装飾とかすればいいのに。
座席に座る。
!うわ、広くてめっちゃ座り心地いいんだけどこれ。大型獣人などに対応する為なんだろうけど、ゆったりしていて快適過ぎる。絶対寝るわこれwドリンクホルダーも付いてるぞ。
映画館かな?w
おおおおおおおおお
また歓声が上がる。見ると天井は空に変わっていて日差しが眩しい・・・って屋内だよねここ!?
天井や壁面の白いパネルはLEDスクリーンで映像映してんのか。画質クッソええやんけ!
やっぱ映画館じゃねえか。ヤバっ!
何処からか風も吹いてきてマジで外にいるみたい。キプロスヤバっ!
最先端の施設で生徒のハート鷲掴みや!
周りの生徒もキッズみたいにはしゃいでるぞ。氷河の映像に変わったとたん冷気が吹くし演出えっぐ!
そんなこんなではしゃいでいると、
ファファファーン!
鳴り響くファンファーレに体が震える。
オーケストラが開会式の序曲を奏で始める。
音楽の事は詳しくないが演奏技術や表現力は世界トップクラスと聞く。
こんな魂の揺さぶられる美しい曲を聴いたのは始めてだ。
キプロス管弦楽団の演奏に呼応するかのように周囲の映像は眩い星空に変わり流星が流れ、空にいくつもの光の線を描いていく。
スケールデカ杉ワロタ。ここまでするか!?
周りを見ると涙を流す者もいる。めっちゃ分かる。心にガツンと来る感じなぁ。
正面スクリーンの映像が変わり入学生の名前が流れ始める。
全ての入学生の名前が流れた頃には会場の座席は埋まっていた。
いやだから関係者多過ぎィ!
演奏が終わりステージに演壇がせり上がってくる。
「これより第243回 キプロス魔術学院 入学式を挙行いたします。」
開会のアナウンスが流れる。
「学院長 式辞。」
三角帽子を被ったヨボヨボのおじいちゃんが登壇する。あれが院長か。
「ゴホッゴホッ、えー、日差しの心地よいこの様な良き日に、キプロス学園、役員、先生方、多数の保護者、ご家族の皆様方のご臨席を賜り、ゴホッゴホッ、このように盛大に入学式を挙行することができましたことを心より感謝申し上げます。
新入生のみなさん・・・ゴホッ・・・ゴホッゴホッ入学・・・ゴホッ、おめでとうございます。これから始まるキプロス学院での生活は、皆さんにとってかけがえの・・・ゴホッ、かけがえのないゲホッゲホッ、ものになると思います。ゴホッゴホッ・・・」
大丈夫か?言い終わったら倒れないだろうな。
5分後
長えよ!がんばっての一言でいいよ!
「今日から始まる学院生活が、ゴホッゴホッ、健やかで明るく充実したものになることを心から願います。これをもって、私の式辞といたします。ゲボッゲホッ!」
やっと終わったか。早よ病院行けや!
次は来賓の挨拶か。
!!?
今ステージ奥から出てきた人って、まさか。
ざわざわ
「ここで来賓の方々からご祝辞を賜わりたいと存じます。はじめに当学院のOBでもあり当院の事業活動に対する温かいご理解の上多額のご寄附を賜り円滑な運営に多大なご貢献を戴いております、ディスペアホールディングスCEO、ミコ・ルブランシュ様よりご祝辞を頂戴いたします。」
おおおおおおおおお
会場がざわめく。
それもそのはず、ミコ社長は学院を首席で卒業した後起業し僅か数年で世界最大の企業グループを作ってしまったのだ!
翌年キプロスの受験倍率が400倍まで跳ね上がったのも当然だ。
それにあの美しさよ。はぁ~たまらん。生ミコに会えるなんてこの先一生無いだろう。目に焼き付けるぜ。
スクリーンにアップの映像が映し出されると
わああああああああ
拍手と大歓声。アイドルじゃないんだからさぁ。いやアイドルよりかわいいから仕方ないか。
「草木も芽吹き、街も明るく華やぐこの暖かな春のよき日に、晴れの門出をお祝いできますことを心から嬉しく思います。」
ミコ社長の祝辞が始まったとたん歓声は収まり水を打ったように静まり返る場内。
なんて澄んだ声・・・頭にスっと入って来る。
音響と言うか声質?声まで美しいとか最高かよ。
「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
また、これまで惜しみない愛情を持って育ててこられたご家族の皆様、今日という日を迎えられましたことを心からお喜び申し上げますとともに、そのご尽力とご労苦に、改めて感謝と敬意を表します。お子様の立派な姿に感慨もひとしおのことと拝察申し上げます。」
はえ~、キレイな声、ずっと聞いてたいわぁ。
あんな綺麗な人が彼女だったら最高だろうなぁ。彼氏とかいるのかな。
てか写真撮りたい。クソ!望遠カメラ持ってくりゃ良かったぜ。
「さて、新入生の皆さんは、新しい生活への期待に大きく胸を膨らませ、今日の日を迎えられたことでしょう。これからの学院生活は将来に向けて社会を知り、皆さんが大きく飛躍するための準備期間です。素晴らしい環境の中で様々な物事に挑戦し、多くのことを吸収してください。取り組んだこと全てが良い結果に繋がるとは限りません。私事で恐縮ですが私自身、何度も失敗し、お叱りを受ける事もしばしばありました。ですが、それまでの努力、経験、挑戦し続ける強い気持ちは大きな財産となります。勉学に励むだけではなく、クラブ活動や友達と過ごす時間も大切にし、 今しかできないことを精一杯楽しんでください。」
成功者が言うと重みがあるわ。ミコ社長でも失敗する事あるんだ。
「また、これからたくさんの出会いが訪れます。それらすべての出会いは、一生に一度の大切な出会いであり、機会です。ひとつひとつの出会いを大切にし、自身の自立に繋げていただきたいと思います。
そして 3 年後・・・
それぞれが目指す進路を実現し、大きな花を咲かせることができるよう祈っております。
キプロス魔術学院のますますのご発展と、ご列席の皆様のご多幸をお祈り申し上げましてお祝いの言葉といたします。
本日は、誠におめでとうございます。」
最後にニコッと笑顔。
クッッッソかわえええ!
もっとミコタソの声聞きたいゾ!
さっきのジジイと違って時間が経つの早ええw
わああああああああああ
うるさいぞ豚共!黙れや!
鳴り止まない歓声と拍手。こいつらみんなミコ社長の虜だな。
「えー、続きまして、当学院からも数多くの卒業生が就職、活躍している防衛企業フロックス代表ベリアル・レアン様よりご祝辞を頂戴いたします。」
フロックスの社長!!?
うおおおおおおおおお!
思わず叫んでしまう。ミコ社長とは別ベクトルでリスペクトしてるからな。
ミコ社長ほどではないが歓声が上がる。特に剣術科からの熱い叫び。
やっぱあのスターシップはベリアル社長のだったんだな。
渋いイケおじ登場。
かっけぇぇえ!
ベリアル社長に向けた歓声も相当なものだ。
「・・・・・・。」
登壇した社長は下を向き何も話さない。歓声はざわめきに変わる。
何だ?何で話さない?
5分が経過しようとした時
「・・・やっと黙ったか。5分7秒。貴様らクソがその汚い口からクソをひり出すのにかかった時間だ。まったく、私の貴重な時間がクソで台無しだ。」
YES!ベリアル節キター!くぅぅ、たまらん!
客席を見渡し
「ここはまるで・・・糞の山だな。時間がないから簡潔に話す。貴様らはクソだ。上も下も無い平等な価値を持つただのクソだ。それを頭に叩き込め。3年たって上等なクソになったらウチの便所で流してやる。以上だ。」
ファアアアアアアアアアアwww
よく分からんが見込みがあれば会社に入れてやってもいいって事か?
最高だよ!
「何言ってっか意味わかんねーよ!あんたがクソだろ!」
魔術科のエリアで文句言ってるクソ野郎がいるな・・・あっ、気絶した。口から泡を吹いている。
クソが話すなって事か。クッソCOOLだぜ!
さっきのエミタソの動画でも見たが気絶させるには殺気、威圧?よく分からないけど気みたいなのを相手にぶつけるらしい。これは格闘技とか魔術とは違い誰でも放つ事が出来る。が、相手を気絶させるレベルに到達するのは10万人に1人と言われている。ランクAでも使える者はごく僅かだと聞く。っぱベリアル社長パネェ!
笑ってる声がチラホラ聞こえる。まぁ僕も笑いたいけどこの空気の中声出すのキツいわ。
「つ、続きまして祝辞を頂戴いただきますのは・・・」
その後も名だたる大企業のお偉方の話が続くが、あの初っ端2人のインパクトが強すぎて退屈だ。
「続きまして・・・」
「あー、姉ちゃん、後は飛ばしていいだろ?同じ事ばっか聞かされてコイツらそろそろ寝ちまうぞ。」
「えっ、で、ですが・・・」
「学院長の爺さんよー、いいよなぁ?」
「ゴホッゴホッ、あー、順番は守って・・・ゴホッゴホッ」
氏にそうだな・・・。
「ほら!いいってよ!そんじゃ次は俺の番だな。」
言ってないよね?てか誰だよあの輩は?
壇上に上がりマイクを取る。
「流石に俺の顔知ってる奴はここにはいねえだろ。俺が通ってたのは10年以上前だからな。つーわけで自己紹介させてもらうぜ。」
OBか。キプロス出てチンピラしてんのか?ダセェ。
「元八柱で亜流々連合3代目総長、今はインフェルノの会長やってるキースだ。ちなみに魔王アルルは俺の女だ。覚えとけ。」ニヤッ
は?今なんて?元八柱?あるる連合?彼女が魔王?情報大杉ィ!
ざわざわ
「今のマジ?八柱ってあの八柱だよな?」
「キースってあの焔帝キースか!?」
「キース総長カッケー!」
「インフェルノってアビスを拠点にしてるマフィアじゃん。」
「そんな奴学院に入れたらダメだろ。」
「それを言ったらベリアルさんも微妙じゃね?軍事企業の代表だぞ?」
「あるる連合って魔王アルルの組織か?」
「ほら、あの白服軍団の・・・」
「魔王様を自分の女とか言っちゃって大丈夫なの?」
「でもちょっとカッコイイよね。」
「分かるー!私めっちゃタイプだわ。」
「キター!悪に惹かれる系女子www」
「はぁ?テメェはクソなんだから黙ってろよ!」
「お前もクソなんですが?」
「臭えんだよ!口とじとけよクソ野郎!」
総合するとクソヤバい奴って事か。
「ベリアルの言う事も一理あるな。どいつもこいつも腑抜けたツラしやがって。少し前までここは漢を磨く場だったのによ、近頃は金目当てのバカしかいねえ。」
大半が一流企業目指して努力して来たんだ。馬鹿は失礼だろ。
「使えそうな奴はどれくらいいるか確かめてやんよ。オラァ!」
確かめる?
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ん?特に何も起きないが。
「おいコラ、ミコ邪魔すんな。結界解けよ。」
結界?
「キース様ご無礼をお許しください。ですが、ここは学びの場ですのでどうかご容赦を。」
「だからよお、今から社会の厳しさを教えてやるんだろ?解けよ。」
何だ?ミコ社長と何か話しているが・・・知り合いなのか?
「拒否します。私に命令出来るのはオフィーリア様だけなので。」
「そうかよ、なら無理やりこじ開けてやる。」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
きゃああああああああああ
アリーナが揺れ客席から悲鳴があがる。
揺れはすぐ収まる。
何が起きた!?
ん、あれ?あのステージの端でウロチョロしてんのエミーじゃね?撮影してんのか!
スマホを取り出しエミーちゃんねるを開く。
「リスナーの皆さん!キプロスアリーナは今大変な事になっています!元八柱、焔帝キースと大企業ディスペアHDのミコ社長がステージ上で対峙しています!先程焔帝の覇気が放たれ、それをミコ社長が結界で抑え込むと言う攻防がすでに行われています!一触即発の状況が今も続いています!」
覇気?威圧するやつの事か。ミコ社長の結界無かったらヤバかったんじゃね?
「やるじゃねえか。3年後まで待つのも面倒だ。ステージに上がれよ。エキシビションマッチと行こうぜ。」
「キース様、今日の主役は新入生の皆様です。お引取りを。」
ニッコリと笑う。
「・・・んだよ、つまんね。帰るわ・・・・・・なんつって。」
ドオオオオオン!!
「あ?」
キースの拳が見えない壁?結界?に阻まれ止まっている。
その拳の先にいるのは・・・チャム!?
何してんの!?
「兄ちゃん、ミコちゃんの言った事理解出来なかったのかい?駄目じゃないか女の子を殴ろうとするなんて。」
「おいガキ、その魔力・・・魔王様のじゃ」
「何言ってんだい。寝言は寝て言いな。」
グラッ
キースがよろめき倒れそうになる、が踏みとどまった。
「一瞬意識が飛んだぞ・・・」
「あら、アンタ凄いね。魔神でも眠りこけるのに。」
「信じられません!あの焔帝の攻撃を・・・小さな女の子が防いでしまいました・・・。か、彼女は一体何者なのでしょうか!?」
ダダダッ
ステージの両側から武装した警備員が現れる。
「学院内での暴力行為を確認。直ちに排除する。」
5人の警備員がキースを取り囲むが、
「うぜえな、話してるだけだろ。少し寝てろ。」
バタバタバタッ
「け、警備員が全員倒れてしまいました!は、覇気をぶつけたものと思われます!しかしキプロスの警備レベルはランクA。それをいとも容易く・・・信じられません。」
ランクAを一瞬で、ヤバ過ぎる。
「シス様の魔力使えんのか?お前何なの?」
何事も無かったように話を続けるキースさん。
「チャム様は魔王様のお友達でキプロス学院の新入生です!」
ミコ社長、今魔王様って言った?
「はっ?」
は?
「は?・・・えー、今のミコ社長の話だと彼女はチャム?と言う名の新入生で、ま、魔王様のだ、友達と言う事で・・・いいのよね?」
「あ、ああ、そうらしい。」
マジ?
ざわざわ
「あの子が魔王様の友達?」
「冗談だよね?」
「いや、DHDの名誉会長は魔王様って言う噂だし」
「マジならヤバいじゃん!」
「嫌な予感しかしないんだが・・・」
「今年のキプロスは荒れるわね。」
「勢力図が一気に書き変わるぞ。」
「勢力図って何だよ・・・」
「てか、あの警備員たち動かないけど大丈夫?しんでないよね?」
「そもそも本当かどうか怪しくね?」
「ミコ社長が言うなら間違いないよ。」
「ミコ社長は正義。」
「じゃあエミタソは俺の嫁。」
「ミコ社長マジしゅきぃ。」
「ミコママぁ!」
チャムが魔王様の?冗談だろ。
「ただの茶飲み友達だよ。アンタ、シーちゃんの知り合いかい?悪さしてると言いつけるよ。」
「シーちゃん?・・・クククッ、ハッハッハッ!シーちゃんて。クックックッ。やべえ、今年は面白くなりそうじゃねえか。はぁ・・・んだよ、気が抜けちまったぜ。」
「爺さん、邪魔して悪かったな。」
学院長にそう言って手をヒラヒラ振ってステージを下りていく。
「キース氏!We Tuberのエミリーンと申します!今ライブ配信中なのですが、リスナーに向けて何か一言頂けないでしょうか!」
エミタソの突撃インタビュー!勇気あるなあ。
「あん?何だよ?一言って・・・あれ?お前ガイウスか?久しぶりじゃん。」
「ご無沙汰しております。」
カメラマンと知り合い?
「ガイウス、知り合いなの!?」
「顔見知りと言うだけだ。」
「んだよ、つれねえなぁ、また風呂入りに行こうぜ。」
「え、ええ、機会があれば是非。」
「で、何だっけ?あー、一言言うんだっけ?」
「お願いします。」
「うーん、そうだな・・・俺は頭から洗う派だ。じゃあな。」
なんの情報!?
「ち、ちょっ、待って!もう一言!もう一言お願いします!」
食い下がるエミー。
「はあ?面倒くせえな。髪を洗う時は爪立ててガシガシやると気持ちいいぞ。ほら、もういいだろ。」
だからなんの情報だよ!てか爪立てたら頭皮が傷付くだろ!リスナーがマネしちゃうからやめろ!
エミーの制止を振り切る。
「ちょっとアンタ、ミコちゃんに謝りな!」
チャム!?
「やだよ。帰って寝る。寝言は寝て言うもんなんだろ?ハッハッハッ!あと俺の名前はキースだ。じゃあなチャム!」
消えた。転移したのか。
「チャム様!お怪我はございませんか!?」
ミコさんが駆け寄りチャムを心配している。
「え、ああ。うん、私は大丈夫だよ。あの子、キース・・・君、はミコちゃんの知り合い?」
「いえ、違います。(キッパリ)それよりチャム様助けて頂きありがとうございました。」
え!?ミコ社長がチャムに頭を下げてる!?
何が起きてんだ!?
ざわざわ
「ちょっと、止めてミコちゃん!それワザとやってるよね?キース君を煽って・・・何が目的か知らないけど悪い子だ。」
ペロッと舌を出すミコ社長。
クッッッッッソかわいい。
「この子たちも起こしてあげないとね。」
チャムが手をかざすと警備員の体が淡く光り・・・意識を取り戻していく。
ざわざわ
「あの子ヒーラーなの?」
「回復術師って貴重だよね。医学部行くんかな。」
「モッフモフのヒーラーとか反則じゃん。」
「あっ、ミコさんが抱きついた。モフモフしてる。」
「私もモフりたい!」
「あの間に挟まれたい。」
「あの間で暮らしたい。」
僕もモフりたいよ・・・。
何だかチャムが遠くに行ってしまった気がして寂しい。また会ってくれるのだろうか・・・
「え、えー、予定の時間を大幅に過ぎてしまいましたので来賓挨拶は割愛させて頂きます。ご了承下さい。」
あのまま続いてたら絶対寝てたわ。
「続きまして、新入生代表 挨拶。」
おっ、代表は入試の成績で決まるんだったよな。今年はへスターとか言う子かな。模試でトップ独走してたし。
「学術科1年チャムさん。」
は?
「はい!」
はああああ!?
─── アビス 歓楽街ベルコア中心部 アビス セントラルタワー 30階 オフィスラウンジ ───
side キース
ラウンジに転移したが人気は少ない。昼前でみんな仕事中か。
ウェイターにコーヒーを頼む。
窓から外を眺めると繁華街も人はまばらだ。
ミコの奴いつの間にあんな力を付けた?
八柱に匹敵、いや超えてんな。
俺ものんびりやってる時間はないか・・・。
コーヒー飲んでいると
「おかえりなさいませ。キース会長。」
マーキスだ。
「ああ、昨日は集会出れなくて悪かったな。」
「いえいえ、会長もご多忙でしょうから。業績については何も問題ありません。」
ふぅん、別に興味無いけどな。
「そうか、まぁ座れよ。」
「失礼します。」
コーヒーを注文する。
「今から仕事?」
「ええ、と言っても書類に判を押すだけですが。」苦笑い。
あれ面倒なんだよな。俺はすぐ部下に投げたし。
「うちの連中とは上手くやってるか?」
「ええ、それなりには。」
歯切れが悪いな。
「・・・あいつら、まだ他所行って暴れたりしてんのか?」
「暫くは大人しかったんですが・・・退屈なんでしょうね。最近は南の地ピエンナのセウレツァに手を出してるようです。」
随分と遠いとこへ出張ったな。アビスから離れてりゃ問題無いとでも思ってんのか?
ピエンナ・・・アビスから南へ600km程離れたところにある都市国家。セウレツァはそこに拠点を構える新興のマフィアだ。ボスは他所の階層のフロアボスだがイケイケの組では無かったはず。
「しょうがねえな、また俺からキツく言っとくよ。」
とは言え、あいつらも暇を持て余してんだよな。何処か暴れられる場所探してやんねえと。
「お願いします。ところで、キプロスへ行ってらしたんですよね?どうでした?」
「キプロスか、何人かは見どころある奴がいたな。ミコに邪魔されて試せなかったけどよ。」
「ミコ?ディスペアHDの社長ですか?」
「ああ、来賓とかで来てたぞ。」
「あの方が表舞台に出てくるとは珍い。ビジネス誌ではよく見かけますが。」
俺も会ったのは久しぶりだ。今は会社経営で忙しいんだろうな。
「まさか揉めたりしてないですよね?」
「するかよ、ちょっとじゃれただけだっつーの。魔王様のダチが新入生で入ったからな。そのお守りでも任されたんだろ。」
「魔王様の!?そんな情報・・・初耳ですね。」
「俺もシス様にダチがいたなんて知らなかったよ。ありゃとんだ食わせ者だぜ。」
「それほどの実力者という事ですか。しかし力だけではあそこをまとめるのは無理でしょう。」
「そうだけどよ⋯裏にミコが付いてんだ。大多数の奴は擦り寄って行くだろ。それに力つーか、面白い奴だったからな。犬っコロみたいなナリしてババアみたいな?よく分かんねえけど笑えるヤツだ。」
この時期に入学とか何か裏があるのか・・・勘ぐっちまうな。
「キプロスが再び1つに成ると?」
「さあね。けどそうなったら面白れじゃねえか。3年後、丁度アルルが帰って来る頃だしよ。」
「ディスペア頂上決戦とか言われてるアレですか。マスコミ連中が焚き付けて皆浮き足だってますよ。次の魔王は俺だ!ってそこら中で野良犬共が吠えている。」
「俺もその中の1匹なんだが?」
「ハハハッ。失礼、しかし八柱のあなたと有象無象とじゃ話にならない。」
分かってるじゃん。
「朧はまだ式に?」
「いや、来なかったぞ。昨日の仕事で疲れたから寝るって連絡あったな。」
「ハハッ、やはりキツい案件だったか。」
「なんだ、厄介事でも押し付けたのか?」
「まぁ、使える人材は限られていますからね。キプロス出の優秀な人材も育ってはいるんですが現場を仕切れる者となるとなかなか・・・」
「修羅は期待出来そうじゃねえか。アイツは親父に似て切れ者だろ?腕っぷしだって俺の配下に引けを取らねえ。」
「まだ16のヤンチャなガキですよ。キプロスで変わればいいですが。」
「まぁな、あいつは一度徹底的に挫折した方がいいかもな。そこから這い上がって来れたなら何か掴めるかもしれねえ。」
「会長が教えてあげられないんですか?社会の厳しさってやつを。」
「クククッ、さっきそれを教えてやろうとしたんだけどよ、ミコに止められたわ。それに、俺あのガキ気に入ってんだ。朧にも世話になってるからよ。ぶちのめすのは無理だわ。」
「ふふっ、そうですか。」
コーヒーを飲む。
「さて、では私は仕事がありますのでこの辺で、」
「なに?パフェ食べてかないの?ここの美味いぞ。」
「いえ、そろそろ行かないと・・・」
「おーい!コーヒーおかわり。あとスペシャルパフェ2つ!」
「ちょっ、会長!」
「問題ねえよ。それにお前が甘党なの知ってんだぞ?会長なめんなよ。」ニヤ
「ふっ、ふふふっ。はぁ、会長命令なら仕方ありませんね。付き合いましょう。」
3年後の頂上決戦に向けて世界はうねり始めている。当然キプロスもその流れに飲み込まれるだろう。
セウレツァもそうだが他層のエリアボスがこの階層になだれ込んでいる。この都市には物、金、人材、全てが揃っているからな。
シマの縄張り争いも激しくなるはずだ。
そうなるとブランディングのやり方も変える必要があるかもな。外圧を力で抑えるのは簡単だが、それは不安や危機感を無くし事業成長の妨げになりえる。個々の意識改革が必要・・・って今そんなもん考えたところでどうにもならねえか。後で朧にでも相談しよう。
パフェまだかよ。




