愛ゆえの戦い フォルティアと皇帝ティティス
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1536年8月 信孝22歳 信秀26歳 証如22歳 蓮淳72歳
【神界 ベルトワ皇国 フォルティア山脈 フォルティア山・跡地】
それから一日、フォルティアは必死に他宇宙のエネルギーを練習した。やはり真実の愛に目覚めていたことが大きく、一日で習得できた。
ついでに俺もフォルティアから人間化の神術を習った。正直、神聖樹のままでは不便すぎるからな。戦いになったら戻ればいいだろう。
それはいいのだが……
「どうしても、この神術では十三歳の見た目にしかなれないみたいだな」
フォルティアは、人間に化けた俺の姿をジロジロと見まわしてから、少し笑いながら言った。
「それは、練習不足じゃな。わらわは戦闘の術しか鍛えておらなんだし、ご主人様は初めてじゃもの」
どうやら練習すれば、もっと幅広い年齢に化けられるようになるらしい。まあ、十三歳で不便があるわけじゃないから、今はいいか。
そんなわけで、今の俺の容姿は信孝をそのまま若くしたような感じだ。もし年の離れた弟がいたら、こんな顔だったかも知れない。康孝は歳が近いからね。
さて…これで疲れて休んだ時間も含め、神界の消滅まであと七日だ。
そして…ついに戻って来たぞ!帝都ベルディナスだ。
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【神界 ベルトワ皇国 帝都 ベルディナス】
三日前と同じ門番が、帝都の入口にいた。俺とフォルティアは、その門番に話しかけるかどうかで揉めていた。
フォルティアは余裕の表情だが、俺は気が進まない。何せ三日前に鑑定板とやらでひっかかり、兵を呼ばれたんだからな。
「いいから、普通に鑑定してもらうのじゃ。今のわらわとご主人様なら、間違いなく通れるからの」
「だが、俺は罪もない人を6587人も殺してるんだぜ?そんな悪党を帝都に入れるわけにいかないと思うがなあ」
俺には暗殺者としての記憶チップが脳に埋め込まれている。鑑定板にはその情報が出てしまうんだ。
犯罪者は帝都に入れない。だから門番に話しても無駄だ…。素直にフレンド転移でゲンゾーのところに飛んだ方がいいと思うんだがなあ。
だが、フォルティアは俺が門を通れることに妙な自身があるらしく『ほらほら』と俺を門番の方に突き出した。
フォルティアがあまりに勧めるので、俺は嫌々ながら門番に話しかけた。まあ、応援を呼ばれたら、そのときに転移で逃げればいいんだしね。
「すいません。帝都に入りたいんですが」
俺の言葉に対して、門番は特に疑うこともなく鑑定板を出してきた。若くなってるお陰か、どうやら俺の顔に気づかないみたいだな。
「おう、それじゃあこの鑑定盤に触れてくれ。見たところ子供だけみたいだが、親はいないのか?」
ちなみに、この世界の元服は十五歳ほどらしいので十三歳はまだ子供だ。実年齢は二十二歳だから成人だけどね。
門番の言葉に対して、フォルティアが頬を膨らませて怒った。
「レディに対して、失礼なことを言うでない!これでも二人とも成人しておるのじゃ!」
フォルティアはそう言いながら、少し膨らみのある胸を張って、得意そうな顔をした。
俺は、レディはそんなこと言わないと思うが…という言葉を飲み込んだ。
門番は少し呆れたような顔になったが、気にせず話を進めた。
「そ、そうなのか。まあそれならいいぜ。とにかく鑑定盤に触れてくれ」
「おお、いいぞ。ついにわらわの名が世界中に知れるときがきたのう」
フォルティアはそう言って、ウキウキしながら鑑定盤に触れた。すると、白い文字が浮かび上がった。
名前:フォルティア・ドゥルケン
性別:女
職業:Sランク神:龍神帝
年齢:3324歳
スキル:邪黒炎 人間化 邪黒炎・オーバーヒート(単独)
犯罪歴:なし
門番は鑑定板を覗き込み、ひどく慌てた表情になって叫んだ。
「え、え、Sランク神だと!?嬢ちゃんが!?ホントか?」
そう言われて、フォルティアは本当に鼻が高くなったんじゃないかと思うくらい、得意満面になって言った。
「鑑定板をどうやっても誤魔化せんというのは常識じゃろ?間違いなく、わらわが『皇帝ティティス』の恋人、龍神帝フォルティアじゃ!!!」
フォルティアはいつも楽しそうで、嬉しそうだ。こいつといると、こっちまで釣られて楽しくなってしまうな。
フォルティアは龍神帝になれたこと、皇帝と会えることがよっぽど嬉しいみたいだ。
門番に『どうじゃ?』『龍神帝じゃぞ?』などと言って、はしゃぎまくっている。
門番は気おされながらも、ともかく言葉を発した。
「な、ならば、一刻も早く陛下にお目通りを…」
いよいよ皇帝のところへいけるかと思ったのだが、門番の言葉をフォルティアが静止した。
「まあ、待て。その前に!わらわのご主人様も鑑定板で調べるのじゃ!」
フォルティアは、俺の後ろに回り、背中を押してきた。
俺はフォルティアの不可解な行動に困惑していた。
俺が鑑定板に触れてどうなるというんだ?犯罪者ってことでつまみ出されるだけじゃないのか?
そうだな、三日前と違うことといえば……神聖樹になったことだ。もしかして神なら犯罪者でも入れてもらえるんだろうか。
仕方なく、鑑定板に触れてみると三日前と同じように、白い文字が浮かび上がった。
名前:松平信孝(望月たかし)
性別:男
職業:Sランク神:神聖樹
年齢:22
スキル:筋肉制御開放、脳制御開放、他宇宙エネルギー召喚、フレンド魔法 枝伸ばし 根伸ばし 人間化 邪黒炎・オーバーヒート(ツープラトン)
犯罪歴:殺人6587人
「な、な、な!?ま、まさか…そんな…神帝がもう一人!!」
おいおい、俺もSランク神だったのか?フォルティアは知ってた風だったな。だったら言ってくれよ。
フォルティアは俺と門番の顔を見比べて、にやにやしている。俺が慌てているのが楽しいみたいだな。
俺が何か言う前に、門番は帝都内部と魔道具で連絡を取り始めた。どうやら、馬車で皇宮まで連れて行ってくれるようだ。
俺達はすぐに馬車に乗り込み、皇宮へと向かっていった。
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1536年8月 信孝22歳 信秀26歳 証如22歳 蓮淳72歳
【神界 ベルトワ皇国 帝都 ベルディナス ベルトワ皇宮 皇帝の間】
皇宮についた俺達は、皇帝がいるという皇帝の間に案内された。
そして、俺達が皇宮の間に一歩踏み入れた瞬間…!!!
「フォルたああああああああああああん!!!」
ベルトワ皇国・皇帝ティティスが、フォルティア目掛けてダイブしてきた。突然のことにフォルティアは躱す暇も無かった。
「会いたかったよおおおおおおおおお!!!」
そしてフォルティアを強く抱きしめて、涙を流して喜び始めた。フォルティアの顔がティティスの胸にうずまり、呼吸が苦しそうだ。
俺は皇帝の奇行を見て、呆気にとられていた。……確かフォルティアの回想では、もう少しキリっとした……騎士のような性格だったはずだ。
思い出補正がかかっていたのか?
俺がそんな風に考えている間にも皇帝はフォルティアの身体に顔をこすりつけている。
「ぷはっ!」
フォルティアは、なんとかティティスの胸から顔を引き離した。そして抱きしめられたまま、抗議の言葉を発した。
「ちょ、ちょっと待てい!会いたかったのは、わらわも同じじゃが…人前あまりベタベタと…」
「なんでぇ~。いいでしょぉ~!私とフォルティアの中ではないか~」
「じゃ、じゃから!こういうのは、二人きりのときにせえ!ほら、ご主人様が見て……って!どこを触っとるんじゃ!」
『邪黒炎・オーバーヒート』
フォルティアは体中から、極小エネルギー弾を含めた光の帯を出した。そして、ティティスに触れた部分の温度を一千万℃まで高めた!
ツッコミなので、多少 手加減しているようだ。
「あちっ!?」
フォルティアは、ティティスが怯んだ隙に腕を振り払って抱擁から抜け出した。
そんなフォルティアを見て、ティティスは目をパチクリさせている。
「フォルたん、すごい!!私の肌を火傷させるなんて!!」
ティティスの防御力がどれほどのものか知らないが、一千万℃の過熱で火傷程度なのだから、相当強いのだろう。
「そ、そ、そうじゃろう!この3000年で強くなったからのう!」
フォルティアは、ティティスに褒められたのがよほど嬉しいらしく、鼻を高くしてニコニコと笑っている。まあ、強くなったのは、俺の指導と米神の神力球のおかげなんだけどね。
ティティスは『ふぅ』と息を吐いて、心を落ち着け真剣な表情になった。
そしてフォルティアを見つめた。どうやら神力の量を探っているらしい。
しばらくすると「ふむ」と一言言って、深く頷いた。
「さすがはフォルティアだな。私も恋人として鼻が高いぞ」
ティティスの言葉にフォルティアは、満面の笑顔で飛び上がって喜んだ。
「おお!!わらわのことを恋人と呼んでくれるのか!!」
そう言って、今振り払ったティティスに、今度はフォルティアから抱き着いた。ティティスは、優しく微笑んでフォルティアを抱き返した。
そんなフォルティアを見て、ティティスは目をつぶり覚悟を決めたような表情をした。
それから、一度フォルティアを引きはがし、しゃがんでフォルテアと目線を合わせた。そして真剣な眼差しでフォルティアの目を見つめ、はっきりと言った。
「そうだな。できればずっと呼んでやりたいが、そのためにはやはりお前が力を示さなければダメだ」
その言葉にフォルティアは一瞬ハッとした。皇帝ティティスの暴走で忘れかけていたが、ようやく本題に戻ったわけだ。
そして、フォルティアは「ふふふ」と言いながら、精いっぱい不敵な笑みを浮かべた。
それを見たティティスが『何、この可愛い生き物』と言ったのが聞こえたが、話がそれそうなので黙っていた。
「そ、そうじゃな。そうじゃ!わらわは強くなったんじゃぞ!今度こそ、ティティスを倒してみせるわい!」
ティティスは170cmほどの身長で、髪は腰までのロング、顔はきりっと整った美形で、皇帝というより、ラノベや漫画に出てくる女騎士みたいだ。
その風貌からは、自らの能力への自信と、皇帝としての責任感が溢れている。
そして…まあフォルティアの顔が埋まるくらいには胸がでかい。同性愛者の俺は、ほとんど興味がないけどな。
そんなことを考えていると、ティティスが皇帝の間全体に響き渡る声で言った。
「よし!皆の者!これから、私とフォルティアが戦うぞ!!巻き込まれてはいけないから、皆は離れていてくれ!」
その言葉に大臣や重臣たちは二人から離れた。俺も二人の邪魔をしないように、二人の様子がなんとかわかる程度の距離まで離れた。
いよいよ対決だな…フォルティアは以前と比べ物にならないほど強くなった。だがティティスの実力は未知数だ。
何せフォルティアのやつ、3000年前には一撃でやられたみたいだからな。あれからティティスの方も成長しているはずだ。
俺がそう考えていると、ティティスが準備運動をしながら言った。
「よしフォルティア、さっそく戦うぞ。まずはドラゴンの姿に戻るんだ」
その言葉にフォルティアは人化の神術を解き、ドラゴンの姿に戻った。今のフォルティアはエベレストよりでかいが、この宮殿はそれより何倍かでかい。
「おお、ついにここまで来たのじゃな。ご主人様にもらったわらわの力を見せてくれる!」
フォルティアがそう言うと、ティティスは初めて俺の方を見た。フォルティアを覚醒させた俺が興味深いのだろうか。
「貴方と話すのは、フォルティアとの戦いが終わってからだ。この子が力を見せないことには、交渉も何もないからな」
釘を刺されてしまったな。こうなると、フォルティアが勝てなかった場合、再びフォルティアを鍛え直す必要が出てくる。
そうなったら…どこかで別のSランク神を見つけてきて、二人で協力して倒すしかないか。そいつの神力球を吸収すれば、ティティスにも勝てるだろう。
ティティスがフォルティアの方に向き直った。フォルティアもティティスの目を見つめた。
フォルティアは戦う覚悟を決めたようで、『やるぞ』といきまいている。
だが…なんだ?ティティスの表情に悲痛なものを感じる…?あれはただ勝つという覚悟だけじゃないぞ。
あれは…死ぬ覚悟…いや殺す覚悟…か?
俺の困惑を無視して、戦いは始まった。
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1536年8月 信孝22歳 信秀26歳 証如22歳 蓮淳72歳
【神界 ベルトワ皇国 帝都 ベルディナス ベルトワ皇宮 皇帝の間】
「さて、フォルティア。まずは貴女が、どのくらい成長したか試させてもらう」
ティティスが居合抜きのようなポーズをとった。ただし武器は一切持っていないように見える。
「あの構えは…!」
どうやらフォルティアはティティスの技に見覚えがあるようだ。
『光・一閃』
ティティスは自らの身体を光の刃に変えた。ただの光線ではない。少しでも光に触れればズタズタに切り刻まれる光の刃だ。
しかも光だからスピードは光速だ。光速の無数の刃がフォルティアに襲い掛かった!
その瞬間、フォルティアが自信満々で叫んだ。
「わらわも成長したのじゃ!昔くらった技など、またくらうわけないじゃろ!!」
『神術・陽炎』
フォルティアが、邪黒炎と極小エネルギー弾を使って自分の周囲の温度を数千万℃まで上げた。
光には屈折率というものがある。同じ空気中でも温度が高い方が屈折率が高いのだ。数千万℃にもなれば、光はあらぬ方向に曲がる。
光の刃となったティティスは、フォルティアの作り出した温度差によって屈折し、フォルティアとはまるで違う方向に飛んで行った。
「何だとっ!?」
「見たか!成長したわらわの神術を!これでその技はわらわには効かぬぞ!!」
前々から用意してたように言っているが、『陽炎』は、昨日の特訓の中でフォルティアがたまたま思いついた技だ。いざというとき使えるように、ちゃんと練習させておいて良かった。
ティティスはフォルティアから離れたところで、光から元の姿に戻った。そしてフォルティアを見つめ、慈しむような笑顔で言った。
「なるほど…フォルティアにしては、頭を使ったようだな。ふふふ、いいぞ楽しくなってきた」
ティティスは技をかわされても余裕の表情だ。まあ、昔も使った技だからな。小手調べと言ったところなんだろう。
一方フォルティアは、とにかく前にやられた技をかわせたのが嬉しいらしく、飛び上がって喜んでいる。エベレスト級が飛び上がるので、周囲には大地震が起きる。
なお、この宮殿は頑丈に作られているので、帝都に衝撃が漏れることはない。
「では、これならどうかな?」
『光一閃・七変化』
ティティスの身体が七つの光の球になり、空中に浮かび上がった。
そして、それぞれの球から、さっきと同じ光の刃がフォルティアに向かって発射された。
『神術・陽炎!』
さっきと同じように、フォルティアは再び周囲の温度を上げて、光を屈折させようとした。
「いくら数を増やしても無駄じゃ!光である限り、曲がることは避けられんじゃろ!」
フォルティアはウキウキと楽しそうにしている。…有利なときに油断するのが、こいつの大きな弱点だな。
効かないとわかってる技をもう一度放つわけがない。ティティスは何らかの対策をしているはずだ。
案の定、光の刃が屈折させられた瞬間、ティティスが叫んだ。
「光変化の一、再屈折!」
陽炎によって曲げられた光の刃が元の軌道に戻った!途中で神力を込め直すことで、軌道を戻したのか?
「何じゃと!?」
フォルティアがそう叫ぶより早く、ティティスが次の手を打った。
「光変化の二、光子分解」
ティティスがそういうと、刃だった七つの光線は普通の光線に変わり、フォルティアに向かって放たれた。
「ま、まずいぞ!そいつはダメだ!よけろフォルティア!!」
俺は夢中で叫んでいた。脳の高度計算機能が伝えてくる。あれは…元の宇宙でもよく知られた光線…ガンマ線だ。
非常に高いエネルギーのガンマ線が原子核に作用することによって、『原子を崩壊』させることができる。
身体を構成する原子の結びつきを壊すだけでなく、原子そのものを崩壊させられて生きていられるわけがない。
「ぎぁぁぁぁぁぁ!!痛い痛い痛い痛い…!!」
フォルティアの内部で原子が崩壊しているのか、フォルティアは悲鳴を上げて痛みを訴える。まずいな…俺やフォルティアは回復系の神力を使えない。
この辺で勝負を止めないと、命に関わるんじゃあ…。
そう思っていたら、ティティスがフォルティアに降伏勧告をした。悲痛な表情で、フォルティアを心から心配していることがわかる。
「フォルティアよ!降参しろ!私は貴女を殺したくはない。今なら部下に回復させれば一命はとりとめられるだろう!」
「そ、そういうわけにはいかんのう。何のために3000年努力してきたと思っとるんじゃ。わらわは必ず勝つのじゃ…」
そう言いながらも、フォルティアは目がうつろになりかけてる。意識が飛びかけてるんじゃないか?少なくとも、ここから逆転するような策を、俺はフォルティアに与えてない。
『神術・人化』
そう唱えたフォルティアは人間に化けた。なんだ?今、人間に化けてどうなる……?
……!!そうか…!!
どうやら、俺と同じことをティティスも気づいたようだ。ティティスは少しほっとしたような顔をした後、再び険しい表情になった。
「なるほどな。人化の神術で化けるときには、体中の細胞が再構成される。それで失われた原子を補ったというわけか」
だが、人間に化けると身体能力が人間の少女並みに低下してしまう。次の一手がないんだったら、ただの悪あがきだ。
俺がそう考えていると、突然フォルティアが優しい微笑みを浮かべた。戦闘中とは思えない、愛に満ちた表情だ。
「確かに、この姿では力は人間並みじゃ。じゃから神術で戦うしかあるまい」
そういうと、フォルティアはこれまで見たことがないほど真剣な表情になった。
「ティティスよ。愛しき人よ。わらわが3000年かけて編み出した最強術をくらってみるがよい!」
なんだ?フォルティアには隠し玉があるのか?だが正直言って、ティティスに炎系の神術は効かないぞ。
光になるというティティスの能力は、最強の攻撃であるとともに最強の防御だ。光を攻撃するなんて誰にもできないからな。
光を燃やすことはできない。フォルティアはどうやってティティスを倒すつもりだ?
「ふは…ふははは!そうか、いいぞ!そうか。まだ私を倒す秘策があるか!!よし、やってみろ。私への愛をぶつけるんだ!」
ティティスは顔を紅潮させ、激しく興奮している。フォルティアの成長が嬉しいらしい。
「おお!…これがわらわの…愛じゃ!くらえ!!」
『邪神禁術……
フォルティアが術名を唱える直前、視界が暗転した。そして頭の中を引っ掻き回されたような不快感に襲われた。
世界が……歪む?なんだ…これは……




