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賤ケ岳から異次元に飛ぶんだから、賤ケ岳の戦いって言ってもいいはず

「おお!信孝様!よくワシのもとに来てくださいました!

まさかご無事だったとは!」


俺は賤ケ岳の合戦で勝家方に味方すべく、やつの居城である

北庄城を訪れている。


どうやら、俺は例の百鬼夜行で信雄ともども妖怪に殺されたと思われていたらしく、

俺が生きて現れたことを非常に驚いていた。


「ふむ、生きておったのか。それは良きこと」


そう言ったのは、今現在 勝家方の旗印になっている信忠だ。

ただ太上老君の話では、こいつは悟空の部下が化けているらしい。

本物の信忠は史実通り本能寺の変で亡くなっているみたいだ。


「兄上こそ、父上とともに光秀に討たれたと聞き及んでおりましたが」


一応、探りをいれてみる。まあ、俺としてはどっちでもいい。

異次元に転送されて、ブラックホールになって戦うのであれば、

軍の指揮官が誰だろうと、対して関係ない気がするからだ。


「何を言うか。ワシはキンカンなどに殺されはせん」


「さようでございますか。さすがは兄上」


ふーむ、太上老君の話では偽・信忠が旗印になってるのは、

勝家方にかつぐ人材がいなくて賤ケ岳の戦い自体が起きないのを

防ぐためって話だった。


俺が出てきた以上、俺を担げば戦争自体は起こると思うんだが、

こいつは、このまま信忠のフリをするつもりなんだろうか。


「サルのやつは、信孝様の不在をいいことにすでに兵を動かしております」


勝家が現在の情勢を説明してくれた。

賤ケ岳の戦いが何月くらいのことか覚えてないが、今はすでに天正12年の2月に

なった辺りだ。

勝家の話だと秀吉はすでに動き出していて、長浜城・岐阜城を勢力下に

入れたらしい。


岐阜城は俺が出家したあと、信雄名義になっていたんだが、俺が

信雄マンティコアを殺したあとは城主不明のまま、俺の叔父にあたる

織田有楽斎が主に管理してたらしい。


その後、伊勢の滝川一益が勝家方として兵を出し、抵抗したが情勢は

思わしくない。


このままでは畿内のイニシアティブを握られてしまうと考えた勝家は

雪解けを待たず出兵を考えているようだ。


史実の戦いでは、俺と勝家と滝川一益が、美濃・越前・伊勢から、それぞれ

攻めかかり優勢だったのを、丹羽長秀の琵琶湖を使った奇襲でひっくり返された

感じか?


あとは、肝心なところで利家が裏切ったとかだったような。

しかし、悟空は大軍同士ぶつかった上で無双することを望んでるみたいだし、

史実と同じ展開にはならないだろうな。

戦場こそ賤ケ岳かも知れないが。


「実はサルのやつから、このような書状が届いております」


宣戦布告書


来る4月10日、賤ケ岳において合戦を申し込む

当方、賤ケ岳に布陣するゆえ、勝家殿も布陣なされるよう

お願い申し上げます。


なんじゃこりゃ?宣戦布告書?

騙し打ちが当たり前の戦国時代に宣戦布告?

いや、そもそも宣戦布告なんて文化が日本にあるのか?


「さすがにワシでもこれが何かの策だとはわかりますぞ」

いや、これはあれだな。両軍を皆殺しにするための場を整えたいだけだ。

途中で小競り合いがあったらお互いの兵士が目減りするからな。


無傷の全軍と戦って無双したい悟空からすれば、正々堂々と両軍が

対峙してくれた方が都合がいいんだろう。


そして、本来ならこんな要請は完全無視されるのが当たり前だろうが、

勝家方の旗印は悟空の部下が化けてる偽・信忠だからな。


信忠がどうでも布陣すると言い張って、さらに俺がそれを支持すれば

確かに無茶が通るかも知れない。


俺としては、展開が読めなくなると異次元で悟空と戦うという計画が

台無しになる恐れがあるからな。


どちらかといえば、両軍が布陣して対峙してくれた方がやりやすい。

地球や天の川銀河が消滅する恐れは、できるだけ減らしておきたいしな


第一、俺は戦闘ならまだなんとかなるが、腹の探り合いなんかしたら

絶対にボロが出る。


向こうが正々堂々と言ってきてて、それが本気だってんなら、

無理して断る必要はないだろう。


「なるほど、では4月10日に賤ケ岳で対峙するのだな?」


「お待ちください!これはサルの策ですぞ!素直に退治などしたら

そこら中に罠が張り巡らされているはず」


「いや、いかに俺が傀儡といえど、これだけは譲れぬ。

貴様を殺してでも、軍を動かす」


偽・信忠から仙気が立ち上る

信雄マンティコアや川オロチなんて目じゃないな…。

部下でもこんなに強いのか。


勝家は仙気を感じ取れるわけではないみたいだが、

長年戦場に身を置き続けたせいか、危険だけは察知しているようだ。


「わ、わかりもうした。そこまでおっしゃるなら…。」


ビビった勝家は、賤ケ岳に布陣することに同意した。




それからしばらくして、ついに4月10日が訪れた。


――――――――――――――――――――――――――


https://35183.mitemin.net/i551275/


俺達は賤ケ岳の山頂を挟んで東西に布陣した。

俺と勝家の軍は琵琶湖の湖畔八幡神社の辺りに布陣した。

一方、秀吉軍は反対側の麓、西光寺の辺りに布陣した。


あれから何度かかわした書状により、ここから両軍は頂上目指して進軍し、

両軍の将が「やあやあ我こそは」というのをやってから開戦となる予定だ。

鎌倉時代の合戦みたいだな。


とりあえず、こちら側は偽・信忠が旗印になっているから、偽・信忠が

名乗りをあげ、向こうは三法師にやらせるのは無理があるということで、

秀吉自ら行うことになった。


「やあやあ我こそは、魔王・信長の嫡子にして織田家の棟梁、織田信忠なり!」

「やあやあ我こそは、織田家の棟梁・織田三法師様の1の家臣、羽柴秀吉なり!」


三法師VS信忠だと、完全に向こうの謀反ってことになるんだが、

そこはいいんだろうか。


ぱわおお~~~~!!


両軍でほら貝の音が鳴る


未だ!


周りが黒い闇に包まれ俺たちは異次元空間に飛ばされた


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