表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/202

水爆龍より上の進化があるってマジ?

「はっ!?」


次に俺が目覚めたのは、医務室のような場所だった。


「い、生きてる…。どうなったんだ?」


「ようやく目覚めたか」


俺の寝ているベッドの側には、いつもの獄卒が座っていた。


「あ、あんたか。もしかして看病してくれてたのか?」


「ん?まあな。あのまま死なれては寝覚めも悪い」


拷問してたときといい、なんだか面倒見の良いおっさんだよな。


「俺は三重水素を、やつの極怨拳にぶつけて……その後どうなったんだ?

俺はどうやって助かった?」


「お前達の起こした爆発があまりにもすさまじかったため、

異次元全体のエネルギーが暴走し次元が歪みに歪んだ結果、

異次元そのものが消滅してしまったのだ。」


「は?」


異次元が消滅!?そんなことあり得るのか?

いやまあ、あの異次元は地球と同じくらいの大きさって言ってたし、

水爆のエネルギー…さらにそれが強力になったものなら、

異次元ごと消滅しても、おかしくないのかも知れないが……。


少なくとも、俺の理解を超えた現象だというのは確かだ。


「ていうか、あの異次元が消滅したなら、どうして俺は助かったんだ?」


「お前は偶然、あの次元から地獄に戻るゲートの方に向かって吹き飛ばされたのだ。

そのため、意識を失っていてもこちらに戻ってこられたのだ。」


完全に運が良かっただけかよ…。危なかった……。ちょっとでも流れが違ってたら死んでたかも知れない。


「魔牛皇帝はどうなったんだ?」


「魔牛皇帝は爆発の中心にいたからな。さすがに逃げるどころではなく、

次元と運命をともにした」


「そ、そうか…」


魔牛皇帝は……死んだのか。俺のせいで…。

人を…人じゃないかも知れないが知的生命体を殺したのは

信雄マンティコアに続いて二人目だな。


できれば命を奪いたくなかったってのは、甘いんだろうな。

俺が死んでたかも知れないんだし、しょうがない……のか。


「勝負としては、引き分けとも言えるが、生き残った以上お前の勝ちと言って

いいだろう」


「あ、でも魔牛皇帝が死んだんなら、血液を飲むって話はどうなるんだ?」


「魔牛皇帝の血液は、ちゃんと決戦前に採取してある。お前も採血されただろう」


そういえばそうだっけ。


「これがその血液だ。地獄の猛者でも積尸気に目覚めたものは数少ない。

心して飲むがいい」


他人の血液を飲むのは、ちょっと気持ち悪いが、さすがにそうも言ってられないよな。


俺は魔牛皇帝の血液を飲んだ


また俺の体に変化が起こる。体の細胞がぐちゃぐちゃにかき混ぜられて、

それまでと異なる形に組み上げられていく。


非常に不快で苦しい。だが、血液を吐き出したところでこの変化は

止まりそうもない。


くああ……悟空貴様……なぜ裏切った!紅孩児……玉面公主……!!

なぜ殺した…!!

殺す……貴様が殺すなら俺も殺す……悟空を…そして奴らを扇動した観音菩薩と釈尊だ…!!

三蔵、悟浄、八戒もついでに殺す…!!


ぐはっ!?


あ、あぶねえ。意識を乗っ取られそうになっていた。

魔牛皇帝の憎しみの記憶があんまりにも濃厚で、危なく自分が

魔牛皇帝だと錯覚するところだったぞ。


しかし……どうにか積尸気は身につけられたのか?


よく見ると俺の体が水爆龍になっている。


「積尸気を身に着けることで、常時水爆龍でいられるようになったようだな」


おお!妖気のときは時間制限ありだったからな。助かる。


「そして、さらに水爆龍を超える究極無敵体に変身できるように

なったはずだ」


「究極無敵体?なんか中二病くさいネーミングだな」


いやこれまでがそうじゃなかったとは言わないけど

しかし水爆龍以上って何に変身できるんだ?


「とりあえず悟空戦に備えて一回変身してみるか?」


「待て、究極無敵体は恐らくとんでもない姿になる。ここでやられては

地獄が消滅する恐れがある」


「じゃあどうすればいい?」


「次元構築師に練習用の異次元を用意させよう。」


次元構築師!?地獄には、異次元を作る職業のやつがいるのか


そして異次元で検証した結果


「ブラックホールか」


ブラックホールとは、とてつもない重力?であらゆるものを引き寄せ

星や銀河すら飲み込み、光さえも逃れることができないという天体だ。


そう、そもそも天体なんだ。太陽よりでかい。最初に作ってもらった異次元は

地球規模の大きさだったため、中に入りきらなかった。


そこで、1級次元構築師に出てきてもらい、銀河群規模の異次元を

構築してもらってやっと入ることができたが、数秒でその次元のすべて

を飲み込んでしまい、次元が消滅してしまった。


とりあえず言えることは、これを賤ケ岳で使ったら

地球どころか少なくとも、天の川銀河が消滅することだ。


「なんというか……。もしこれじゃないと悟空と戦えないんだったら、

一旦、異次元に誘い込む必要があるな」



はっ!?次の瞬間、俺は目覚めた。目覚めたというくらいだから

今まで眠ってたのか?というかここはどこだ?


「ようやく帰ってきたようじゃの」


「ここは…元の伊勢神宮か?もしかして今までのは爺さんが見せた

幻覚だったのか?」


「そんなことはないぞい。お主は本当に2ヶ月間地獄で修行してきたんじゃ。

じゃが、現世と地獄では時間の流れが違うからのう。」


俺にとっては2ヶ月でも、この世では数秒も経ってなかったってことか!?


「じゃあ、俺はこっちでも水爆龍やブラックホールになれるんだな?」


「水爆龍やブラックホールが何かは知らんが、それが積尸気の究極無敵体

ならもちろんなれるぞい」


よしよし、爺さんにからかわれて幻覚を見せられただけだったら

マジでどうしようかと思ったぜ。


「じゃあ、これで俺は悟空と戦えるのか?」


「できれば人を喰って、邪気を魔神気に高めて欲しいとこじゃがの。

まあ、とりあえず戦ってみて考えればよいじゃろう」


そういえば、人を喰うと神としてパワーアップできるとか

言ってたな…。


しかし今の俺はブラックホールになれるんだ。戦い方さえ

間違わなきゃ、そう簡単に負けやしないだろう。あんなに頑張ったんだしな。


「あ、そうだ。爺さん、次元構築師に知り合いはいないか?

悟空戦に協力して欲しいんだが」


「そりゃあ、ワシは、天国地獄を問わず顔は広いから次元構築師

の知り合いくらいはおるが、何のために必要なんじゃ?」


「実は今の俺がフルパワーで戦うと、地球はおろか

今俺達がいる銀河そのものが消滅しそうなんだ。

だから異次元で戦う必要があると思ったんだよ」


「なるほどのう。さすが究極無敵体は違うわい」


「しかし、悟空一人を異次元に連れ込むのは難しいぞ。

やるなら、その日その時の賤ケ岳全体を異次元に移動させるぐらいでなくては

やつの不意をつけんじゃろう」


悟空の不意をつくのが難しいのはわかるが、

賤ケ岳全体を異次元に送りこむ!?そんなことが可能なのか?


「そんなことができるのか?」


「なかなか難しいが…。そうじゃのお、三清が力を合わせれば

できるじゃろうな」


「三清って何だ?」


「三清とは道教で最も尊いとされる三人の神じゃ。ワシと、

始まりの神・元始天尊様、そして(タオ)のシンボル・太上道君のことじゃ」


「ワシ等3人が力を合わせれば、両軍が布陣した瞬間に

強制的に異次元に送り込むことは可能じゃ。」


よしよし、それなら地球を滅ぼさずに悟空と戦うことができるな。


これで舞台は整った…!!ついに賤ケ岳の戦いだ!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ