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悟空、覚醒!!これが∞無量大数乗の力だ!

【    年 The・END 終わりと始まりの泉】


 オイラの体『お菓子の城』3000mのてっぺんに、一つで数100mある『キャンディの星』がついている。


 その『キャディ・スター』がひと際大きく輝くと、オイラの頭から外れて、『闇』の方に飛んで行った!!


 そして闇にぶつかると、大地からき〇この里とたけ〇この里が無数に生え、天からはコーラやファ〇タなど、ジュースが『闇』に向かって降り注いだ。


『魂・創造!!』


 オイラが何かに突き動かされるように、そう叫ぶと『闇』の周囲のお菓子が一点に集まって、そこから魂が産まれた。


「こ、これは!!」


「『闇』に魂が産まれたのか!じゃあ、これでオイラとは別々に行動できるってわけだ!」


「ほ、ホント!?これでアタシは、アタシも、自由になれる!!」


 オイラと『闇』が喜びあっていると、『終わりと始まりの泉』が輝き始めた


『自らの『闇』を愛することができたみたいだねぇ。ほんじゃあThe・STARTに向かうといいよ』


 泉の中からアエン・トビエンが出てきて、オイラ達をいざなう。


「『闇』はどうするんだ?一緒にThe・STARTに行くのか?」


「あ、ああ!アタシも、できるなら∞無量大数乗』の力を手に入れたいからな!それに、アンタとツバサの恋も見届けないといけねえ!!」


 つまり、The・STARTの後に、ツバサのトラップから抜けられたとしても、着いてくるつもりなんだな。


 もちろん、オイラには何も問題はない。『闇』の力も借りて、一緒にあのクイーンってのを倒せばいいんだ。


 それに、その後 そらに頼まれた『輝夜の捕縛』をしに行くにしても、『闇』の協力があった方が絶対に有利だからな。


「よし!じゃあ話は決まった!The・STARTに向かうぞ」


『じゃあ、泉に飛び込んでねぇ』


 そう言われて、オイラと『闇』は輝きを放ち続ける『終わりと始まりの泉』に飛び込んだ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【   『始』年 The・START 始まりと終わりの泉】


 『終わりと始まりの泉』を抜けると、そこには『光』だけが存在する世界があった。普通の物質はもちろん、『空白』も『ダークマター』もない。


 完全な+エネルギーを持つ『光』だけが周囲を漂っていた。


 永遠の空白は『空白』だけで、The・ENDは『ダークマター』だけだったから、今度のThe・STARTも『光』だけってことなんだろう。


 そう思っていると、周囲の『光』が一点に集まり、野球のボールほどの大きさの球になった。


『皆さん、まずはおめでとうございます。よく己の『闇』を愛することができましたね。The・STARTは貴方達を歓迎します!』


 オイラと『闇』はその光の球をマジマジと見つめ『また変なのが出てきた』と思っていた。


「アンタは、このThe・STARTの主か何かなのか?ここにくれば『∞無量大数乗の力』が手に入ると言われてきたんだが」


 オイラの言葉を聞いて、『光の球』はより、強く輝いた。喜びの感情表現らしい。


『ええ、ええ!!このThe・STARTは『チートスキル神』ですからねえ。ここにいらした方の才能を見抜き、チートスキルを引き出すのが役目でありますよ』


 チートスキルをくれる神?それじゃあ、オイラのチートスキルとやらが、たまたま『∞無量大数乗』ってだけで、誰もが∞無量大数乗になるわけじゃないってことか。


 しかし『∞無量大数乗』クラスのチートスキルを、次々目覚めさせているとしたら、とんでもないな。


 だって、オイラに便乗した魂達だけでも結構いるんだ。こいつら皆が全次元を破壊できるようなエネルギーを持ったら、普通に全次元は滅びるだろう。


「ここに来たやつ皆にチートスキルをあげてるのか?それって危険じゃないのか?」


『チートスキルと言っても、貴方ほどとんでもないスキルの方はそうそういないのですよ。これまであげた中で全次元が滅ぼせそうなものと言えば『輝夜』さんの『プログラミング』くらいですかね』


「輝夜!?」


 輝夜のスキルはプログラミングというのか。確か輝夜はその能力でオイラも含む、TTRAWそのものを作ったんだよな。


 プログラミングで、全次元級の大きさを持つ世界を作れるとしたら、確かにそりゃあぶっ壊れ級のチートスキルだ。まあ、こいつの話じゃオイラのスキルにもそのくらいの破壊力はありそうだけどな。


 そうか、ようやく輝夜に匹敵する力が手に入るわけだ。


 待ってろよ、ラプラス! 輝夜!オイラの力を思い知らせてやるぜ!


『それでは、そろそろ力を授けますよ。それっ『ウボンイエ・アーバーオ』!』


 チートスキル神がそう言った瞬間、オイラは生まれ変わったみたいに、自分の中の細胞が激変したのを感じた。


 こいつが魂の進化?これが、チートスキルを与えられるってことなのか!!


 これはすげえ、こんなの負けようって方が難しいんじゃないか?


 油断は禁物だが、輝夜以外にこれに匹敵するやつがいるとは思えないな。


「なあ、これでこのThe・STARTにもう用はねえんだろ、ツバサ達のところへ帰ろうぜ」


 自分の力に感動し過ぎて動けなくなっていたオイラを、『闇』が揺さぶって立ち直らせてくれた。


 そうだ。こんなところでのんびりしてる場合じゃねえんだ。


「ああ、そうだったな。あの後、ツバサがどうなったかもわからねえんだ。一刻も早く助けにいかねえと」


 オイラはオイラを強くしてくれたツバサへの恋愛感情がさらに高まった。そしてツバサの恋愛傾向は『トラップを突破した相手に恋する』だ。


 すでにオイラ達は相思相愛、オイラが戻ればツバサは複数の人間と恋をし、もっとも憎む相手に恋をしたことで『アガペー』に目覚めるはず。


 そうすりゃオイラが手を貸さなくても、あのクイーンってやつくらいは余裕で倒せるだろう。


「それじゃあ、帰ろう。今のオイラなら次元を超えるテレポートくらい簡単にできそうだ」


 そう言って、オイラはツバサ達のいる宮殿をイメージした。よし、いけるぞテレポートだ!!


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【???年 ツバサとハルナ姫の宮殿】


「ツバサーーー!!オイラだ!帰って来たぞ!!」


 帰ってくるなりオイラはツバサに向かって叫んだ。返事はない。そうだ、ツバサは吸魂機に魂を込めたせいで、肉体が抜け殻になってるんだったな。


 まずはツバサの魂を復活させるところからだ!


 そう考えて、オイラは吸魂機に向けて、頭の『キャンディ・スター』を飛ばした。


 『闇』のときと同じように、地面からは『き〇こ・たけ〇この里』が生えてきて、天からは炭酸飲料や果汁ジュースが降り注いだ!


『魂・創造!!』


 オイラが叫ぶと、吸魂機の回りを覆っていたお菓子が一点に集中し、吸魂機の上に一つの魂が浮かび上がった、


 そして、その魂は吸魂機の横で抜け殻になっているツバサの肉体へと入り込んだ!


「はっ!?僕は一体、何を……?」


 目攻めたツバサは、酷く混乱しているみたいだ。まあ、さっきまで魂が抜けてたなんて自分じゃわからねえだろうからな。


「そ、そうか!悟空のために、ハイパーパワーアップ・トラップを作って……、じゃあ僕が復活できたってことは!!」


「ああ!オイラはトラップを突破して帰って来たぞ!!ツバサも復活させて、TTRAWに抗う力も手に入れた!!」


 オイラのその言葉を聞いた瞬間から、一気にツバサの様子がおかしくなった!


「あっ……あっ……はあっ……。ぼ、僕の命がけのトラップが……全身全霊を注いだのに……あはっ……」


「お、おい、ツバサ?どうした、大丈夫か?」


 ツバサの様子は明らかにおかしい。顔が紅潮して汗が流れ、息遣いも荒い。熱で浮かされてる時みたいな症状だが……。


「ああっ!!僕の、あのトラップを超える力があるなんて、僕のトラップが蹂躙されるなんて……んああっ!!」


――――システムメッセージ――――

 ツバサ・プレリアの恋愛傾向が『アガペー』になりました


 ツバサが呻き声を上げると同時に、オイラの頭の中にメッセージが浮かんだ。


 どうやら、ツバサは『アガペー』になれたみたいだ。ならば!


 オイラは『パーフェクト・ハーモニーパワー』とやらの手助けをする!!


 そう考えて、∞無量大数乗のパワーを全開にする。オイラの体から無数の〇ロルチョコやと〇がりコーンなど、尖った形状のお菓子が出てくる。


「信孝の封印を解く!!」


 お菓子が信孝が封印されたバリアに向かって行く。お菓子達が命中すると、その部分のバリアが少しずつ消えていく。


 それを見たクイーンは驚愕した!


『馬鹿なっ!?私の封印はパーフェクト・ハーモニーパワーでなければ解けないはず!!』


「∞無量大数乗パワーを舐めるなよ!!すでに周囲の『光』や『ダークマター』を通じて封印のDNAは解析してあるんだ!だったら封印を溶かすくらい簡単だ!!」


 そう言っている間にも、無数の尖ったお菓子がバリアにぶつかり、ついに信孝の封印が解けた!!


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【信孝視点】


 封印され、全く動けなかったのに、突然視界が開けた!ツバサと悟空が俺の封印をどうにかしてくれたのか?


 それに、とてつもない量のハーモニーパワーが、俺の体に流れ込んでくる!そうか、ツバサがアガペーに目覚めたんだ!


 俺はツバサの方を見つめる。どういう訳か、ツバサは虚ろな目でハァハァと荒い息をしているが、今はチャンスだ。ここで決めないといけない!!


「行くぞ!ツバサ!!悟空がハルナ姫の思いを繋いでくれた!!今度は俺達が悟空の思いに答える番だ!!」


 俺の言葉に、ツバサはハッとしたように、こちらを見つめ返した。


「う、うん。そうだね!!クイーンに見せてあげよう、僕たちの『パーフェクト・ハーモニーパワー』を!!」


 そう言って、ツバサは俺の方に駆けてきた。クイーンが邪魔をしようと、ツバサの足元に『地獄穴』を開く、これに落ちると焦熱地獄まで落ちるらしいが……。


「させるかぁ!!」


 俺はハーモニーパワーで、ツバサを『引っ張って』手繰り寄せた。


 そして、俺達が抱き合うと、さらにハーモニーパワーが溢れる!!


「これは……、そうか 分かったぞ!ハーモニーパワーの出所、そしてパーフェクトという言葉の意味も!!」


「そ、そっか!確かに、それなら無限のエネルギーを引き出せる!!」


 ツバサと俺は、これまでのアトラクションを突破したお陰で、喋らなくともお互いの意思が伝わる。


 どうやら、ツバサは俺が何を思いついたのか気づいたみたいだ。


「よし!じゃあ実践だ。空中にパーフェクト・ハーモニーパワーを込めるぞ」


「うん!お互いの動作を読み切り、視覚と聴覚を共有して、心を通わせるんだね!」


 俺達がハーモニーパワーを強めていくと、空中に鍵穴が現れた。それと同時に、俺達の手に小さな鍵が現れる。


 俺達は鍵を手に取り、鍵穴に突っ込んで回した。


 すると、今度は空中に扉が現れてゆっくりと開いていく……。


「よし!!これが今、俺達ができる最強の技!!」


「「『愛の大瀑布』だ!!」」


 俺達が技名を叫ぶと、開いた扉から大量の水が滝のように流れ始め、クイーンへと降り注ぐ。


 そうだ。ハーモニーパワーは、あらゆる人々の夢が現実化する異世界、全次元ともTTRAWとも違う世界『夢現界』への扉を開くための力だったんだ。


 俺達はパーフェクト・ハーモニーパワーの力で夢現界に、『クイーンと愛し合うために必要なエネルギー』を生み出した。


 そのエネルギーが今、滝となってクイーンに降り注いでるわけだ。


『こ、これは、わたくしの心が洗い清められていくようです。これは普通のパーフェクト・ハーモニーパワーじゃない……一体、どうやってこんなことを』


「俺たちの愛が深かったから、より強く夢現界に干渉できたんだろうな」


 クイーンはしばらくの間、目が変な方向に向いたり、何度か痙攣したりしていたが、少しずつ俺達の『パーフェクト・ハーモニーパワー』によって浄化されていった。


 十分ほどそんな状態が続いた後、どうやら落ち着いたようで、キラキラと光る目で話し始めた。


『ふう、もう大丈夫ですわ。貴方がたのお陰で、わたくし、真理に辿り着くことができました』


『我が夫に、『無限の愛を注ぎ続ける』覚悟ができました。』


『無限の愛なのだから、いくら側室がいようと、ただ夫を愛し続ければ良い。無限の愛なのだから、いくら相手にされなくとも、夫を愛し続ければ良い』


『そして、無限の愛を注ぎ続ければいつか夫に届くと言うことを確信できました!!』


 クイーンは憑き物がとれたように、非常にスッキリした顔をしている。


 これは洗脳ではない。クイーンが元々持っていた想いが表面化しただけだ。これまでは恨みが強すぎて隠れてしまっていた、本当の気持ちがな。


 ともかく、これで最終試練も合格ってことだ。


 そう思っていると、どこからか『パンパカパーン!!』というファンファーレの音が聞こえた。


『おめでとうございます!わたくし、クイーンは貴方がたが愛し合い、アトラクション『Q’s(クイーンズ)マウンテン』を突破したことを確かに認めました』


『そのため、最初に申しました通り、貴方がたを我が夫の待つ『恋帝の間(エンペラーズ・ルーム)へお送りします』


 クイーンの言葉と共に、悟空たちを含む俺達四人は、新たな場所へと転移した。


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