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『闇』との愛が燃え上がる~お菓子の城完成!!~

 身内に不幸があり、更新が間に合いませんでした。申し訳ございません。

でも、まだまだ続きます!


【    年 The・END 終わりと始まりの泉】


「お菓子……の……城……俺たちも……手伝う……」


 オイラは、その声がする方に強く意識を向けた。


 これまでは、そこに何も感じられなかった。けど、魂だけの今ならわかるぞ!


 これまで『ダークマター』があるんだと思っていた場所に、これまでとは異なる反応を感じる。


 これは『魂』か。


 『魂』だけになったお陰で『魂』を見たり、『魂』と会話したりできるようになったみたいだ。


 オイラは、周囲の魂へ言葉を投げかけた。


「アンタ等、何もんだ?どうして、こんなとこにいるんだ?」


 そらや、アエン・トビエンの話からすると、このThe・ENDは死んだ次元の魂が送られる『次元の墓場』って話だったな。


 そして、この『終わりと始まりの泉』からThe・STARTに向かって、新しい次元に転生するらしい。


 だとすると、ここに『誰か』がいるとすれば、次元だったモノの魂ってことか?


(わたくし)どもは『ダークマター』と申しまして、次元だったモノの魂でございます。我々がThe・STARTに向かうために、是非 貴方がたの『お菓子の城』計画(プロジェクト)に協力したいのです』


 やはり、こいつらは次元の魂らしい。しかし話が見えねえな。


 こいつらが『The・START』に行くのと、お菓子の城にどんな関係があるんだ?


「なんで、『お菓子の城』に協力すれば『The・START』に行けると思うんだ?」


 というか、ここに来た全ての魂がThe・STARTに行けるわけじゃねえんだな。


 何か、The・STARTに行くための条件があるってことか?


『我々は、The・STARTに行くため、『終わりと始まりの泉』に挑戦したのですが、自らの『闇』に敗れてしまったのでございます。ですが、貴方がたのお話をお聞きしましたところ『闇』を愛する方法を思いついたのでございます』


「その方法とやらに、『お菓子の城』が関係あるのか?」


 他人の力を借りて突破しようってのは、随分虫のいい話に聞こえるけどな。


『左様でございます。私どもが融合して『お菓子の城』になることができれば、必ず我々の『闇』を愛することができると考えております』


「アンタ達がお菓子の城になる!?」


 魂たちが融合してお菓子の城になる!?そんなことが可能なのか?というか、やってどんな意味があるんだ?


『魂は『魂合癒着』で融合することができるのです。それによって、私どもはより大きな一つの存在になれるのです』


 魂合癒着?何だか、輝夜がしようとしている神合癒着に似た名前だな。何か関係があるのか?


「魂合癒着ってのは何だ?神合癒着とは違うのか?」


「おお、神合癒着をご存じですか!けれど、魂合癒着は神合癒着ほど支配的なモノでも、完全な融合でもございません。一時的に一つになり力を合わせるだけです」


 なるほど、神合癒着より拘束度の弱い融合法ってことだな。


 その力でここにいる魂達が皆で融合して、強力なパワーを持つ一つの魂になる。


 というところまではわかるんだが。


「何故、合体してお菓子の城になろうとしてるんだ?他のものじゃダメなのか?」


『一つは、魂合癒着にはコアとなる『強力な魂』が必要と言うことでございます。二つには詳細なイメージが必要ということ、この条件があるため、私達はこれまで魂合癒着したくてもできなかったのでございます』


 つまりオイラの魂をその『コア』とやらにした上で、『闇』が夢に描いてきた『お菓子の城』のイメージを使って融合しようってわけか。


 ってことは、融合した姿がお菓子の城なのは、『闇』のイメージを依り代にしたいだけで、特別な意味があるわけじゃねえんだな。


 やっぱり虫のいい話に聞こえるが……。うーん、でも それによって、手っ取り早く『闇』の夢が叶えられるなら、まんざらでもないか?


「ええと、何か勝手に話を進めちゃってっけど、本気でアンタ等が、アタシのお菓子の城になんのか?」


『ええ、貴方がたを利用するようで申し訳ないのですが、魂合癒着すればコアの愛と共鳴することで、我々も自らの『闇』を愛することができるのです!それができれば、ようやく悲願であるThe・STARTへ参れるのでございます』


 オイラの、『闇』への愛に便乗して自分達の闇を愛するつもりなのか。とことん、他人任せなのには呆れるが、『お菓子の城』の実現に利用できそうではあるな。


 こいつ等に力を貸してやり、オイラ達は『お菓子の城』の夢を叶える。一応、両方得してるからいいだろう。


「なるほど、それでアンタ達が笑顔になれるってんなら、アタシは問題ないぜ」


「よし、じゃあ決まりだな。それで、具体的にオイラ達は何をすればいいんだ?」


『コアとなる方は愛する人のことを強く思い、1ランク上の『愛』に進化することを願ってください。イメージ担当の者は、ただひたすらに自分が求める夢をイメージするのです』


「わかった!イメージだな!!お菓子の城が見られるなら、アタシも頑張ってみるぜ!」


 そう言って、『闇』は目をつぶり、むむむと唸り始めた。お菓子の城をイメージしているんだろう。


 それとともに、The・END全体の『ダークマター』が『ぞぞぞ』と音を立てて集まってくる。


 想定よりも大分多いな。The・ENDは普通の次元よりかなり大きいみたいだ。The・END以外の全次元を合わせたくらいの魂が集まってくる。


 それだけThe・ENDには来たが、The・STARTに向かえていない魂が多いってことか。


『さあ、次はコアですよ。愛する人のことを思ってください!!』


 魂達の自分勝手な主張をよそに、オイラは『闇』のことを考え始める。


 と言っても、こいつとの思い出なんてほとんどないよな。ここで初めて会ったんだし、惚れたのも『お菓子の城』の話が出てからだ。


 いや、待てよ。『闇』はオイラの中から呼び出された『ダークマター』だけど、ずっと意思はあって、オイラのことを見てたんだよな。


 そうか!だったら、『闇』が生まれてからずっとオイラの中にいて、オイラと同じものを見て、『どう感じ』、『どう考えていたか』が分かれば『闇』への愛を進化させるきっかけになるはずだ!


「『闇』!教えてくれ!!アンタが生まれてからこれまで、オイラの潜在意識の中で何を感じ、考えていたかを!そいつは必ず、もっとアンタを愛する力になる!!」


「あ、アタシが何を考えてたか?い、いや分かった。ちょっと恥ずかしいが、しょうがない。お菓子の城と、ここの『魂』達のためでもある!!話すぞ!アタシの想いを!!」


 そう言いながら、『闇』はオイラとの記憶を探っていく。そして微笑みを浮かべて『そうだな』と言った。


「そうだ、まずは乙姫のときだ。アンタの最初の恋!まずはそこから言ってやるぜ!」


【『闇』の想い [乙姫との恋] 】


 アタシが産まれたときにはすでに、アンタの中にあった。だから、アタシが最初に見た記憶は、折れた『龍宮の柱』である悟空が乙姫に救われたところだ。


 それから極滅山の戦い、バグウイルスとの戦いを経て、二人が愛し合い共に戦う姿を見て、『とても素敵』だと思った。愛って何て素晴らしいんだろうと思って、『二人の関係に憧れた』んだ。


 けど、あの時!あのラプラスが無理やり二人の仲を引き裂いた!


 アタシは不条理に酷いことをされてるのに、何にもできない悟空を『不甲斐なく』思った。でも、それと同じくらい何もできない『自分を情けなく』思ったんだ。


 だから、『悟空と協力して』、ラプラスに復讐出来たらどんなにいいかと思った。


 でも、このときのアタシは二人とも生きられる方法があるなんて知らなかったから、一緒に戦うなんて無理だと思ってた。


【『闇』の想い [乙姫との恋] 終わり】


 そうか!あの時、『闇』はオイラと乙姫を見て、恋に憧れ、ラプラスに怒っていた。


 オイラ達の戦いを見て恋に憧れる姿は純粋で愛おしい、共に戦おうという精神は素晴らしい。どちらもオイラとは逆の精神だ。


 『憧れ』が魂を震わせる、『共闘精神』が魂を燃え上がらせる!!


 オイラの魂の回りに、お菓子の城のシルエットが浮かび上がる。


 いいぞ、確実に魂が進化してる。あとちょっとだ!!


「お菓子の城!!ホントにアタシに恋してくれてんのか。やっぱし照れるな……。まあいい!!ここまで来たらとことんやるぜ!!」


 『闇』は何だか嬉しそうだ。シルエットとはいえお菓子の城が現れたこと、そしてオイラが本気で愛してる気持ちが伝わっているみたいだ。


 こいつはオイラも嬉しいぞ!!


「じゃあ、次は今の恋!アンタが今、命を賭けてるツバサとの恋だ!!」


 オイラは、まだツバサに恋していない。この『ハイパー・パワーアップ・トラップ』を命がけで作ったツバサにときめいたが、本当に恋をするためには、このトラップを突破して超パワーアップする必要がある。


 だから、『闇』はハルナ姫を通じてツバサと恋することになった流れ、そして今まさに戦っているこのトラップについて、どう思ってるのか語るつもりなんだろう。


【『闇』の想い ツバサとの恋】


 未来から来たツバサはハルナ姫と交わった悟空を恨んでた。


 けど、アンタの話を聞いて、アンタが真剣にハルナ姫の願い『ツバサを護ること』を叶えようとしているのがわかって、アンタへの警戒を解いた。


 それを見たアタシは、最初はアンタとハルナ姫の想いを理解しないツバサに怒ってたけど、ツバサの話を聞くほど、ツバサとハルナ姫の友情が素晴らしいものに思えてきて、二人が幸せになって欲しい、応援したいと思うようになった。


 だから、アンタにも頑張れ!二人を助けてやって!!と聞こえもしないのにわめき続けてたんだ。


 そしてツバサは『龍の頸の玉』の中にいる『ハルナ姫の魂』からアドバイスを受けて、アンタのために命がけで『ハイパーパワーアップ・トラップ』を作った。


 アンタはハルナ姫のために命をかけた『ツバサの覚悟』に魅入られ、今まさに恋に落ちかけてる。


 でも、それを見たアタシはあんなに『乙姫』を愛してるのに、他の人を好きになるなんてと思って、アンタを攻めた。


 けど、アンタの中にいるとわかるんだ。アンタの恋がどれだけ純粋で深いもんかがな!


 だから、アタシは受け入れ、応援するしかなかった。どうせどっちの恋も本気なら、どっちも全力で成功させちまえってな!


 でも、その結果アンタはこのThe・ENDでパワーアップのためにアタシを呼び出した。アタシはツバサとアンタが助かるには、アタシが消えるしかねえのかと絶望したんだ。。


 けど、アンタは見つけてくれた。アンタもアタシも生き残れて、ツバサも助かる方法を!!


 そうだ!それを聞いたとき、あたしの心が燃え上がったんだ!闇なのに暖かい感情に包まれた!これはアンタが乙姫やツバサに感じていたのと同じものだ!!


 た、多分、アタシはアンタに恋してる!だ、だからアンタももっとアタシのこと好きになって、愛のパワーを爆発させるんだ!!


【『闇』の想い ツバサとの恋】


 『闇』がオイラに恋をしている!!その言葉でオイラが取り込んだ『ダークマター』達が光に変わっていく。


 『闇』はなんて純粋で、なんて情熱的で、いつも誰かのことを思い、闇なのに心は輝きに溢れている!!!


 闇の素晴らしさに触れて、オイラの魂が光り輝く!!!


「うおおお!来た来た来たぞ!!これならいける!!!」


 The・END全体のダークマターがオイラと『魂合癒着』するべく集まってくる。そしてそれら全てがオイラと合体した瞬間に光に変わっていく。


 そして全ての魂が一つになったとき、頭に一つのDNA構造が浮かんだ。これは、『お菓子の城』の設計図だ!!


 それに合わせ、オイラの細胞が作り変えられていく。


「 完  成 !!! お 菓 子 の 城 ! ! !」


 全高3000m、接地面の半径は1000m、全身がお菓子でできた巨大な城の完成だ。


「こ、こいつが……!!すげえな!悟空!!」


「まだだ!!アンタの夢を完全に叶えるためには、これだけじゃ終われねえ!!!」


 オイラはお菓子の城になったおかげで、頭髪だった部分もお菓子になってる。これらをオイラから分離して、オイラの分身にする!!


 オイラの体から一部のお菓子が外れ、オイラと同じ大きさのお菓子の城になった。


 これをあらゆる次元のあらゆる場所にテレポートさせる!!


 オイラはひたすら分身を作り続け、それを各次元にテレポートさせる。


 それにより、全次元のあらゆる場所に、『お菓子の雨』が降り続けた!!


「ぜ、全次元のあらゆる場所で、あらゆる人がお菓子を食べてる。皆が、全次元の皆が笑顔になってるよお!!!」


 『闇』は涙を流して喜び続ける。オイラ達二人の心が通じ合った!!


 その瞬間、オイラと『闇』の体に強烈な変化が起こった!!


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