三枚のストロングゼロ
本作はなろう屈指のコメディ書き、しいたけ先生に原案及び原稿を頂き、Kei.ThaWestが色々と余計な文章を付け足して仕上げた作品です。
ちょっと内容が内容だけに危険すぎるので早めに読んでくださいね!
「和尚、オラ、山にしいたけ狩りに行ってくる!」
「イカンイカン、こんな時間に山へ入ったら山姥に食われるぞ!」
「へーきへーき! 山姥なんか単なる噂話さ!」
和尚の忠告に聞く耳持たず、小坊主はしいたけ狩りに出かけようとした。日ごろからこの小坊主の聞かん坊っぷりを知っている和尚は議論は無駄と早々に判断し奥の部屋から3本のストロングゼロを持ってきた。
「しょうがない小僧よ。念のためこれを持って行け」
「サンキュー! 和尚ー!」
御守り代わりに3本のストロングゼロを携え、小坊主は意気揚々と出発した。
さて、坊主が山に差し掛かると道端に一本のストロングゼロが。
「んんー? どうしてこんな所にストロングゼロが?」
仏法より女、女よりストロングゼロが好きな小坊主は喜び勇んでプルタブを開ける。
「へーきへーき! きっと村の誰かがここに落としていったのさ」
PUSYAAAAAAAAA!!!!
突然、缶の中から毒ガスが噴き出した。
「おええぇ!!!!!」
嘔吐し痙攣しながらぶっ倒れ小坊主は意識を失った。
次に坊主が目を覚ますと、彼は見知らぬ小屋で布団に寝かされていた。
「ふぅ~危うく死ぬところだった。あれはきっと村人が雑草駆除に使う枯葉剤だな。ストロングゼロの空き缶に入れて持ち歩いているとはこの小坊主の目をもってしても読めなかった!」
ということはきっと、枯葉剤を置き忘れてきたことに気付いた村人が取りに戻った時、自分が倒れているのに気付いて介抱してくれたに違いない。日頃から顔立ちがジャニーズ系とはよく言われるから助けられるのももっともだ。小坊主は深く頷いた。
SYARI……SYARI……
そういえばさっきから、音が聞こえている。何だろうと思い、慎重に襖を開けてみる。すると部屋の奥、蝋燭のぼんやりとした明かりに照らされた女性の背中が見えた。
何かを、研いでいる……?
女性は砥石の上に自らの手を置き、長く伸ばした爪をやすりで磨いている。
「ひえっ……」
小坊主は思わず上擦った声を上げてしまった。女性の肩がピクリと動いた。
「ひえっ……」
ゆっくりと、小坊主の方を向いた女の姿は……。
「おめぇは……やま、山姥ギャル!!!!」
脱色した上に毒々しいピンクに染めたボサボサの髪。色とりどりのエクステ。日焼けサロン通いでネグロイドばりに黒くなった肌。白い唇と真っ白いアイシャドー。
これが、村の人々から恐れられる山姥か! 恐怖!
「うわ……うわあぁぁぁぁ!!!!!!」
小坊主は逃げ出そうとした。しかし、山姥ギャルの方がはやい! 背後から逃げる小坊主に飛びつき足を絡めて押し倒してから流れるように腕を極めてしまった。
「待ちなよ、必死になって逃げちゃってチョーウケるんですけど!?」
「やめてやめてやめてー! 僕はおいしくないよ? ちょっと顔がいいだけの小坊主だよ? あぁー嫌だ嫌だ嫌だ、僕の初めては清楚な女子大生に捧げるって決めてたのにぃ! ひえぇ! どうか貞操だけは堪忍してくださいっ!」
「ウブな反応が可愛いっ。味見しちゃおっかな!」
じゅるりとショタコン山姥ギャルが舌なめずりした。そして手慣れた様子で小坊主を縛り上げてしまった。
「うぐっ……ひぐっ……この美形の僕が山姥ギャルなんかに食べられてしまうなんて……。こんなことだったら和尚みたいに村の人妻にでも手を出しておくべきだった……」
ここで小坊主はある事を思い出した。
「そうだ! 和尚からもらった特別な法力を持つストロングゼロを使えばこの窮地から脱することが出来るかもしれない!」
「何を一人でボソボソ言ってるんだよ、男だろ、覚悟を決めな! お前は今から山姥ギャルで“卒業”するんだよ!」
「ま、待って! 後生だから厠に、厠に行かせて! このままだとお漏らししちゃうよぉ……この美形の僕が羞恥にまみれながらお漏らしする所を山姥ギャルに見られちゃうよぉ……」
「チッ! しゃあねぇな」
山姥ギャルは縄で縛ったまま坊主を厠へと連れて行った。
「しめしめ……厠でこっそりと特別な法力を持つストロングゼロを使っちゃお♪」
坊主は厠に入ると早速懐から3本のストロングを取り出し、そのうちの1本に身代わりになるよう願いを込めプルタブを開ける。
山姥ギャルはなかなか厠から出てこない小坊主に痺れを切らし、「まだか」と問うと、厠の中から『ジョジョ~』と水っぽい音が聞こえてくる。それは山姥が問い掛ける度に聞こえた。
「おい、いつまで小便垂れ流してんだよ、いい加減に……」
山姥ギャルは助走をつけて肩から厠の扉にストロングタックルを仕掛ける。扉が吹っ飛んで中が丸見えになった。そこに、なんと……『ジョジョ~、ジョジョ~』と小坊主の声真似をし続けるストロングゼロ500ml缶が置かれていた。
「チクショウ! 厠の窓から逃げられたっ!?」
脱走に成功した小坊主が必死の形相で逃げる。それを鬼の形相で追う、山姥! その速度マッハ4.545!
「追いつかれる! ダメだ! 今度こそこの美形ショタの命運も尽きたか!? かくなる上は……脳みそに暗示をかけて山姥ギャルでイケるようになるしかない、のかっ!!?」
小坊主は全力疾走しながら最悪のシナリオを想像する。
「だが、まだっ! 諦める訳にはいかない!!! 清楚な女子大生とお突き合い出来るその日まで、僕は貞操を守り抜く!!!!」
2本目のストロングゼロを開ける。そして念を込めると、山姥と坊主の間に大量のストロングゼロ川が出現した!
「これでどうだ!? 山姥ギャル!!!!」
「はんっ! これまで幾度となくホストクラブでシャンパンタワーを飲み干してきたアタシにこの程度っ!!!」
山姥は躊躇うことなくそれをグビグビと飲み込み始めた。勿論酒好きの坊主も飲み始めた。
「ゴクリゴクリ……小坊主の癖になかなかいい飲みっぷりじゃないか!」
「ごっくんごっくん……山姥ギャルこそ、この美しい僕とここまで渡り合うとは見直したよ。でも本当の勝負はここからだ!」
小坊主は切れ味鋭い手刀でストロングゼロの空き缶の底を切り飛ばして己がブラックホールにぶっ刺したまま三転倒立!
「修行の成果を見せてやる!」
「バッ、バカかコイツ!? アルコールを直接腸から吸収するつもりかっ!!?」
「大丈夫さ、日頃から厳しい修行を己に課しているからね!」
小坊主は凄まじい吸引力でストロングゼロの川を飲み込み始めた!!
「プハー! うめぇ! まだまだ、おかわりをくれよ」
「な、なんて小僧だ……ストロングゼロを腸管で受け止めるなんて……けどアタシも負けちゃいられないね」
そう言うと山姥ギャルも徐に三転倒立!
「さぁ、次はアタシの番だよ!!」
「いいのかい? やせ我慢するなよ!?」
激闘が開始された。しかし既になろう運営からイエローカードを一枚出されているKei.ThaWestには到底描写できない!!!!
おぞましい戦いの末、良い感じに酔った二人は千鳥足でフラフラと追いかけっこ。
「おえぇ……残るストロングゼロは1本か。いよいよこの魔性のジャニーズ系美少年である僕も年貢の納め時……かな」
小坊主の視界が揺れる。飲み過ぎだ。なおケツからはピーーーがピーーーーー。
「最後の1本。頼むぞストロングゼロ……君に決めた!」
遂に小坊主は3本目のストロングゼロに願いを込め、山姥ギャルに向かい投げつける! 現れたのは大量のストロングゼロ缶。
「何ぃ!?」
条件反射的に山姥は足を止めプルタブを開けた。だが、空っぽ。別の1本も開けてみたがこちらも空っぽ。
「ふっ、ふざけんじゃないよ! こんなもので足止めになるとでも思ったのかい!? 今すぐアンタのピーーーーー、ピーーーーーーーしてピーーーーーーーやんよ!!!」
怒りに任せて足元のストロングゼロ缶を踏み抜く山姥! その時!
カチッ。
音が鳴った。
「ッ!?」
突如、眩い閃光が走り山姥ギャルの視界が真っ白に染まる!
「ギィエェェ!!!! 閃光手りゅう弾!!?」
「かかったな! 空き缶の中に密かに忍ばせておいたのさ! これでしばらくてめぇの目は機能停止した!!!」
「クソッタレのピーーーーーー野郎めがっ!!! ピーーーピーーーーピーーーーーー!!! アタシはたとえ目が見えなくともっ! においでアンタを追跡できるんだよっ!!!」
猛烈な速度で山姥ギャルが走ってくる。
坊主が命辛々寺へと戻ると、和尚は春画を見ながらピーーーーをピーーーーーしており、袴からハミ出たピーーーーーをしまうと、咳払いを一つ。
「どうした小僧、山姥が出たか?」
「出、出た! 本当に出たよ! 助けておくれよ、エロ和尚!」
「ほっほ、これに懲りたらワシの言いつけはちゃんと守ることじゃな」
和尚は小坊主を壺に隠して、寺へと辿り着いた山姥ギャルと対峙する。
「クソ坊主を出せ!」
「おっと、その前にギャルよ……ワシと術比べをしないか」
「術比べ?」
「お主、清楚系女子大生になれるかの?」
「ふんっ、アタシを舐めてもらっちゃ困るよ!」
山姥ギャルが言うと白い煙が上がりたちまち彼女を包み込んだ。そして煙が晴れるとそこに、見目麗しい清楚系女子大生が立っていたのである。
これを見て俄然興奮した和尚は、
「ふむ、ギャルが化粧を落として清楚系女子大生に変身するのは容易いと聞く。ならば今度は熟れっ熟れのフェロモンムンムンで最近旦那とご無沙汰のせいで欲求不満になっている爆乳人妻になることは出来るかの!?」
と山姥ギャルを挑発。
「舐めんじゃないよ、見てな!」
その気になった山姥は今度はB92/W61/H97の見事な人妻に変身した。この結果に大いに満足した和尚は欲求不満人妻をペロリと食べて(意味深)しまった。
おしまい。