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二度目の人生は孤児だったけれど聖女として祭り上げられたので望まれるままに振る舞うことにした

二度目の人生は孤児だったけれど聖女として祭り上げられたので望まれるままに振る舞うことにした

はじめまして、こんにちは。私、ステファニ・ベルナールです。聖女やってます。


私は前世ではそれはもう恵まれた人生を送ってきました。優しい両親、夫、可愛い子供達に囲まれて、最期まで幸せな人生でした。


最期を迎えたその後、目が覚めたら赤ちゃんになっていました。びっくりしましたが、何故だかわからないけれど二度目の人生を授かったのだと気付き、また細く長く幸せに生きていこうと決意を新たにしました。


私の二度目の人生はどうやら孤児のようでした。両親には金銭的な余裕がなく、泣く泣く私を手放し孤児院に預けたようです。


さて、そんな私ですが今度の人生ではある能力を授かりました。それは魔力です。魔力というのはこの世界では多かれ少なかれ誰もが持つ能力で、電力やガスや水道などの社会基盤の代わりに魔力を使って生活が成り立っています。社会の発展も、魔力を中心に行われています。そして魔力は大体は血統によるらしく、王族、神官、貴族、平民の順に多いようです。ただ、たまに鳶が鷹を産むように、平民でも特別多い魔力を持つものが生まれることもあるようです。そして、私もまた生まれながらにかなり多い魔力を所有していました。


私は自分が人よりも多くの魔力を持っていると知った時、喜びよりもあらまあという気持ちの方が大きかったです。細く長く身の丈に合った幸せな人生を歩みたかったのです。


でも人よりも多くの魔力を持っているならば、これを活かさない手はありません。私は自由に歩き回れる歳になってすぐに、平民用の病院の緩和病棟…もう長くはない人の痛みや苦しみを取り除く病棟に行き、魔力を最大解放してみんなの怪我や病気を治しました。結果、緩和病棟にいたみんなは元気になり、家に帰れることになりました。みんな私に感謝してくれて、とても嬉しかったです。その他にも農家の方の畑や田んぼ、家畜さん達に魔法をかけてもっと美味しくたくさん収穫できるようにしたり、スラム街の人達に魔力を抽出して作る魔力石という宝石を分けてあげたりしました。そして私は、聖痕もないのに聖女として祭り上げられ、聖王都の教会に引き取られました。


聖王都では聖女としての教育を聖王陛下直々に受けました。聖痕が無いですし特別な魔法は使えませんと言っても聖王陛下は、そのうち聖痕が現れるから待っていろとだけ言って取り合ってもらえませんでした。そうして聖女としての教育を受けながら慈善活動を積極的に行うこと数年。私は聖王都にある学園に通うことになりました。


そこには本物の聖女様がいました。聖女様は魅了魔法という聖女にしか使えない特別な魔法を使って逆ハーレムを築いていました。そして聖痕を私に見せつけて、私こそが本物の聖女よ!この偽物!と言って顔を叩かれました。逆ハーレムメンバーの皆様からもイジメを受けました。


でも、味方になってくださる方もいました。逆ハーレムメンバーの皆様の婚約者様方や、聖女様の横暴に耐えかねていた方々、それに、私に助けられたことがあるという平民の皆様。私はそのような方々に支えられて、必死で学園生活を送ってきました。


そしてある日。突然、私の首筋に聖痕が浮かんだのです。聖女様は自分の首筋から聖痕が消えたこと、それによって魅了魔法が使えなくなって逆ハーレムが崩れたこと、私の首筋に聖痕が浮かんだことに逆上され、私を害そうとなさいました。しかし、聖騎士様にあっさりと拘束され、今代の聖女を害そうとした罪で投獄されました。


聖王陛下によると、聖女とは清らかな乙女。即ち処女しかなれないものらしいのです。しかし、聖女様は聖女としての教育を受けていませんでした。だからそれを知らなかったのです。それというのも、彼女に傲慢で淫乱な相が見えていたから聖女教育なんて無駄だと思ったとのことです。そして、早々に聖痕を失くすであろう聖女の次の聖女には、聖女に相応しい私が選ばれると踏み私に聖女としての教育を施したそうです。


元逆ハーレムメンバーの皆様からはいくら魅了魔法をかけられていたとはいえ女性に対して酷いことをしたと謝られましたが、それよりも早く婚約者の皆様と仲直りしてくださいとお伝えするとすぐに婚約者の皆様とラブラブカップルに戻られました。婚約者の皆様からも感謝され、ホッとしました。


聖女様に不満を抱えていた方々や、私に助けられたことがあるという方々は、新しい聖女である私を歓迎してくれて、とても嬉しかったです。


そうして私は、聖王陛下に教えていただいた通り、望まれるままに聖女として振る舞ってきました。


…でも、もう何年もそうやって人々のために生きてきたんですもの。これからは好きなように生きてもいいと思うんです。


「で?それを俺に話してどうしろと?」


そう冷たく言うのはシャール・デュボア。シャーリィは平民で、私が幼い頃に住んでいた孤児院によく遊びに来ていた変わり者。そして私の兄のような存在でした。私が聖王陛下の元に引き取られてからは、わざわざ私を追いかけて私の侍従になってくれた頼もしい人です。


…そして、私の前世の夫です。あっちは記憶がないようですけれど。


「ニニ。俺は聖女様の侍従だぞ。聖女様を連れ去るなんて大層な真似は出来ない」


「大丈夫。聖王陛下からOKはもらっているから」


「は!?」


シャーリィは驚いた顔で私を見つめます。


「聖王陛下も、私は十分頑張ってきたから好きにしていいって。だから、ね?お願い。私を攫って?」


「…っ」


かああっと赤くなるシャーリィ。可愛らしいです。でも、逃がしてあげません。


「そもそも、聖痕さえなくなれば晴れて私は自由の身。私が何を望むか、わかるでしょ?」


「…後悔しても知らないからな」


「わかってる」


そうして私は聖痕を失い、真実の愛を取り戻しました。今は子供達にも恵まれて、とっても幸せです。

そしてこれからは好きなように生きることにした

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