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ハーレムに入ったのはいいけど王太子殿下が私の元にばかり渡られるので逆に困る

ハーレムに入ったのはいいけど王太子殿下が私の元にばかり渡られるので逆に困る

「もう!アーディル様!毎日毎日私のところに渡られてはいけません!」


「なぜだ。ルルは我が寵妃。毎日抱いて何が悪い」


「私はあくまでも側妃ですわ!正妃様の元に毎日通われるのならともかく、私のところにばかり通われるとパワーバランスが崩れますわ!」


「大丈夫だ。正妃もそなたも他国から嫁入りした身だが、今はそなたの祖国、ベネディッション国との繋がりの方が優先される。そなたとの間に世継ぎを作るのは当然の義務だ」


「だとしても正妃様の祖国、ヴンダー国との繋がりも大事ですわ!」


というか毎日抱かれる私の身にもなってくださいませ!


はじめまして、ご機嫌よう。私、ルイーズ・サウードですわ。このモカッダス国の王太子、アーディル・サウード様の側妃ですの。異国から嫁いで参りましたわ。


私の国は一夫一妻制だったので、最初は一夫多妻制のこの国の王太子のハーレムの一員となることに抵抗はありましたけれど、なんとか覚悟を決めてハーレムの一員になりましたわ。


ですが、アーディル様は私の金髪碧眼が珍しかったらしく、初夜から可愛がっていただき、その後なにが気に入ったのか毎日のように私の元に渡られますわ。しかも毎日、朝には必ず花束や宝石類のプレゼントをいただきますの。私のことはすぐに寵妃として有名になりましたわ。お陰で正妃様から蛇蝎の如く嫌われていますの…。勘弁して欲しいですわ。


「わかったわかった。なら、そなたに子が出来た時には出産するまでは他の女の元へ行く。それでいいか?」


「もう!よくありませんわ!」


「まあそう言わずに、な?」


そう言ってアーディル様は私をベッドに押し倒します。もう、アーディル様ったら!


でも、頬に軽くちゅっと口付けを落とされると、私は何も言えなくなってしまいますの。だって、アーディル様は私の初恋の人ですもの。


昔、王族同士の集まりの席で、お互い五歳くらいの頃に初めてアーディル様と出会いましたわ。アーディル様は、男尊女卑の国の王太子とは思えないほどに紳士的でお優しい、イケメンでしたの!私、すぐに惚れてしまいましたわ。だから、アーディル様の婚約者になれた時には飛び跳ねて喜びましたの。その後ハーレムという制度を知った時には落ち込み、抵抗を抱きましたけれど。


「愛してる、ルル」


「私も愛しておりますわ、アーディル様…」


そうして結局今夜も、めくるめく夜を過ごしてしまいましたわ。


ー…


「おはよう、ルル」


「おはようございます、アーディル様…」


まだ眠いが、窓から溢れる日の光のせいで強制的に起こされる。


「そなたの髪と瞳は本当に美しいな。朝日に照らされるとキラキラ光って、まるで宝石のようだ」


「まあ」


嬉しいですわ、と溢すとアーディル様は私の髪に口付けを落とす。


「なあ、もし俺が初めてあったあの日からそなたに惚れていたと言ったら驚くか?」


「えっ…え、ええ、驚きますわ…」


「そうだろうな。正妃として他の女を娶っているし」


アーディル様は自嘲するように笑います。


「だが、本当にあの時から惚れていたのだ。そなたは俺の知る、男に縋るしかない弱い女のイメージを覆した。女であっても子供であっても、臆せず自分の正しいと思うことを主張する。あんなに強い筋の通った女はお前が初めてだった」


アーディル様は溶けるような優しく甘い瞳で私を見つめます。


「本当は、ハーレムなどという制度は壊して、そなたを唯一の妃としたい」


「アーディル様、さすがにそれは…」


「わかっている。わかっているが、どうしてもそなたには俺の気持ちを知っておいて欲しかった」


「アーディル様…」


「そなたの元に通うのも、世継ぎを作らせお前を正妃に格上げするためなのだ」


「アーディル様、それは」


「もちろん今の正妃も蔑ろにする気はない。一応、月に一度は正妃や他の側妃の元にも通ってはいるしな」


「…」


「だがやはり、一番はそなたなのだ。どうか、それだけは知っていてくれ」


「アーディル様のお気持ちはわかりましたわ」


「そうか…!」


「ですが。それでももう少し正妃様や他の側妃様の元にも渡ってくださいませ」


私がそういうとアーディル様はしょぼんとする。本当に可愛いらしいお方。


「大丈夫ですわ。私はアーディル様のお気持ちを知りましたもの。私達は相思相愛。それだけでもいいじゃないですか」


「…ああ、そうかもしれないな」


「そうですわ。そういうものです」


「ルル…」


アーディル様が優しく抱きしめてきます。本当に愛しい方。


「さあ、そろそろ時間ですわ。戻ってくださいませ」


「むう。俺はそなたと離れる時が一番辛いというのに」


ぶつくさいいながらも返っていくアーディル様。なんであんなに愛らしいのかしら。


ー…


「ルル!懐妊したとは本当か!」


「ええ、宮廷魔術師様によると、双子の男の子と女の子のようです!」


「祝福されし双子だと…!?でかした!ルル!これでそなたを正妃に出来る!」


祝福されし双子とは、この国の王族の双子にのみ与えられる称号。神の愛し子であり、この国に安寧をもたらすという特別な存在だ。


「ルル…これでお前だけを愛する口実が出来た…」


「それでもたまには他の正妃様や側妃様の元には通ってくださいませ」


「ああ、わかっている。わかっているが、それでも嬉しい!」


「もう、アーディル様ったら」


ハーレムに入ったのはいいですけれど、王太子殿下が私の元にばかり渡られるので逆に困りますわ。

でも嬉しい

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