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第7話 元魔法使いと特訓と過去

 修行パートが結構あっさりになってしまった・・・・。


「まあ、そうなるよね」




 崖の上からアレクの事を見ているけれども、先ず持ち上げる事が出来ないでいた。因みに袋が完全に破れたら、新しい袋を下に置いてある。あの様子だと時間掛かりそう・・・・。




 私は昼食の準備をする。そして服を乾かす為に焚火を始める。さあ、昼食に間に合うといいなー。



************************************



 僕は詰まっていた。ヒントも無しでこれとは・・・・・。本当にヒントも何もないんだよなー。この袋は防具強化で強くしているけれど、どうも完全に強化出来ない。そもそも、強化するのに、個人の容量があって、その個人の容量の三分の一づつ、身体強化、防具強化、武器強化の三つに振り分けられる。

 防具強化だけだと袋が破れてしまう。そして僕は容量一杯使っているのだ。



「ん?そう言えばあの三人の内、リーダー格の奴、手袋を武器強化してたよね?もしかしたら・・・・・。」



 袋に武器強化として魔力を流す。しかし、それでも防具強化より効果が弱い。やっぱり上手くいかない。でも・・・・。



「もし、両方流す事が出来たら・・・・・。」



 試しに袋に防具強化と武器強化を流してみる。すると、どうだろうか・・・・何故か全て防具強化の魔力になってしまう。



「え?」



 しかし、出力は防具強化と武器強化の魔力を足した出力が出ている。それを確認してから、持ち上げて見ると、なんと破れずに持ち上げる事が出来た!




「よし!ここで時間を少し浪費したけれど、行ける!」




 ビリビリと音を立てて破れて岩が落ちてしまう。実験の時点である程度袋に穴が開いていたらしい。



「し、締まらねー・・・・・」




 僕はエリスさんが投げてくれたであろう袋を受け取るのだった。



******************************


 僕は袋に岩を入れ直し、そしてもう一度持ち上げる。今度は大丈夫なのを確認してから滝に挑戦する。身体強化をしつつ、滝に先ず当たってみる。


 轟音と共に凄まじい衝撃で体を叩き付ける。そして水が冷たく、体力を大きく奪う。それでも早く登ろうと思い、ゴツゴツした岩に手を掛けて登る。水が身体に当たると衝撃もだけれど、袋も水を吸い、相当重い。しかも右手が塞がっている為、上手く早く上がれない。

 

 でも、諦められない。それで、さっきの防具強化と武器強化を融合させることを思い出した。身体強化を少し上げる事が出来ないかやってみると・・・・。



 何となく出来る気がしたのでやってみる。今、足場に少し出っ張った場所にいる。足に力を込めてジャンプをしてみると・・・・。飛べた!そして何とか岩にへばりつくことが出来た。



 ビリッ!と音がして袋が破れてしまった。完全には落ちていないけれど、このままいくと確実に落ちるよね。あ、袋が落ちて来た・・・・・・。一度下に降りてやり直す事にしようか・・・・・。




***************************


 今度は身体強化の魔力濃度を操る事にする。右手に袋を持っている為、右手に集中。そしてその後、ジャンプする時に足に集めて、着地する時に左手で掴む為に集中。


 よし、この案でいこう。ついでに袋の強化はギリギリに保つ。そして魔力の移動を暫く地上で練習して、再開する。


 先ずは袋の強化。そして身体強化。足、に魔力を多めに入れてジャンプ。そして目指す岩に左手でキャッチする。その瞬間に左手に魔力を集中する。



 そして岩を掴んだら、右手に魔力を戻して袋を戻す。よし!成功だ!このまま上に!



************************************


 太陽が真上を少し通り過ぎようとしていた。お昼は川魚をハーブとお塩で味付けしてある。後はその辺りに生えてた食べれる野菜をスープやサラダにした。



「来た。お疲れ様。」


「は、はあ」



 流石に厳し過ぎたようで疲れている。アレク。この試練・・・・。



「お疲れ様」


「あ、はい。これで合格・・・」



 アレクが意識を失い、倒れる。それをそっと支えてあげるとアレクはスース―と寝息を立てて寝始めてしまった。アレクが寝ていると普通の少年に見える。白い髪にそっと触れる。


 一見普通の貧弱な少年のようでいて、魔力の桁と操作能力がとても高い。それこそ宮廷魔術師になり、そして・・・・・。



 私はアレクの顔を見る。そして一瞬寒気がする。似ている。高い魔力。童顔。鼻は高くないけれど、魔力の質。



 まるで敵国の悪夢『ソルティア第3皇子 アレク・アーク・ソルティア』に似ている事に。



次回も早めに投稿します。

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