表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/16

第5話 元魔法使いが絡まれる

今回の話は大体底辺の見習い騎士のレベルが分かるかと

 どうやら試験はこれで終わったらしい。ザクスさんの説明によれば、3日後に結果が出るらしい。そうして帰路に着く。



 僕は森の外に行くと、急に三人組が道を塞ぐ。その三人組は急に殴って来た。僕は咄嗟の事に防御が間に合わず、吹き飛ぶ。勿論身体強化と防御強化は常に使っている。エリスさんは寝ている時でもナイフを突き立てて来るから手に負えない。生傷も多かったけれども、基本は常に使っている。


 けれども相手も魔力で強化して攻撃してきた。これはどうするべきか悩むけれど、取り合えず話をしよう。



「えっと・・・君たちは?」




 僕がそう聞くと、3人組は一瞬驚いたけれど、ニヤニヤと笑いながら歩いて近寄って来る。


「おい、おめー。貴族でもないのにマジで騎士になろうとしているのか?」


「え?貴族限定という縛りはないよね?」



 

 僕はそういう決まりは全て調べてから受けている。しかもエリスさんから聞いているから間違いないだろう。





「そこは空気を読めよ。騎士とは栄えある職業なのだ。まあ、魔法師には負けるけれども」




 ここで知らない事実が浮上する。魔法使いではなくて、魔法師?しかも騎士より魔法師の方が栄えある職業?そうか。こっちの国ではそうなんだ。なんか・・・・つくづく運がないなー。




「おい!俺の話を聞け!第7貴族家嫡男である俺様にひれ伏せよ」


 そういうと、僕の足を蹴る。ひれ伏せ・・・・・か。そう言えば誰かがやっている所を見た事がある。



 両膝をついて座る。どこかの国で星座とか呼ばれる座り方だ。何故星が関係するのか分からないけれど。そして両手を上げて上半身を前に倒す。



「ははーーーーー。っじゃ、これで」


「おう、そうやって素直にしてらあいい・・・・っておい!」



 急に肩を捕まれる。早く帰りたいのに・・・・・・。




「お前、俺の子分になれよ。」


「あ、間に合ってます。師匠がいるので。では」




 そそくさとその場を離れる。あまり遅くなると狼とか面倒な魔物が出る可能性がある。魔物とは、動物が魔力を大量に吸い込むと狂暴になり、他の生き物を攻撃しだす。特に肉食獣に多く、今まで人を襲う事は無かった動物が襲うようになる。特に魔力を多く持つ人を良く襲うようになるらしい。


 研究で一番有力な諸説は草食動物が草から微量な魔力を蓄積して、更にその動物を肉食獣が食べるから魔力が溜まるらしい。ただし、人間のように溜まった魔力を放出出来ないために魔力が暴走して理性が崩壊するのだとか。



「あ、こら待て!」



 僕はさっさと行こうとすると足を止める理由が出来る。別にこの3人組に止められたからではない。僕はこの三人組があまりにも無防備だから、万が一も考えた。そして僕も標的の一人のようだ。



「ねえ」


「お?やっと子分になる気になったか?」



「狼の魔物って10体倒せる?」


「はん、そんなの俺たちに掛かれば余裕さ。そんな犬っころ、こうして!こうだ!」



 リーダー格の人がシャドウボクシングしているのを見て、大丈夫らしいと判断する。10匹任せてもいいんだ。もうここは森の中なので、油断し過ぎだと思う。



「じゃあ10匹任せた!」



「は?そんなことより・・・うわっ!」







 三人は周りを囲まれた事に今頃気が付いたらしい。僕は剣を持って既に走る。そして切り倒す。身体能力強化は有能だ。武器強化も普通武器を使いつぶしながら戦うものだけれども、武器強化すれば堅い相手でもあっさり切れるし、血油でダメになりにくくなる。



 今日のオークでの戦闘を活かして走り回る。直線ではなくジグザクに動いたりして当たりにくくする。狼も器用にジグザク動くので、すれ違いざまに剣を振るうと、半分位の確率で当たる。そのまま首を落とす事が出来る奴もいれば、魔力で防御強化をしているのか傷が付く程度の敵もいる。


 どうやら18体いるらしく、僕は12体倒してあの三人組の所まで戻る。すると、三人共弄ばれてズタボロだった。そして三人共気絶したところだ。



「ええー?そこで泡吹いて気絶する!?狼に食べて欲しいの!?」



 第7貴族がどういう身分なのか知らないけれども、僕はこの人達を取り合えず助ける事にした。先ず、救難信号として赤い魔力弾を空に打ち上げる。


 次に口笛を吹くとこちらに向かって来る。どうやら、仕留めた獲物より、逃げる事のある獲物を狙った方が効率的だという理由かもしれなかった。もしかしたら、同族を大量に殺したから、危険と見做されたのかもしれない。どちらにせよ、こちらに敵意を向ける事が出来た。



 僕は走る。なるべく三人から離れるように。因みに二匹が3人を食べようとしていた為、石を投げて全て引き付けておく。




 着いて来た狼に木を左手で支点に180度回転して真っ向勝負を仕掛ける。そして切り捨てる。他の追って来た狼もすれ違いざまに切り捨てる。狼の爪は回避か防御強化を部分的に強くして防ぐ。なるべく一撃で沈ませるように首を狙って切り落とす。



 『ぐるるるるるる』





 狼は最後の1匹となった。この1匹が異様にデカい。多分僕の身長より少し低い位。つまり前足を上げればとてつもなく大きく見える。さっきから剣が通らないのはこの狼だと気が付く。




 「やるしか・・・・ない!」



 僕は正眼に構えると、先ず目を潰すことにした。真っすぐ突きを放つが軽々と避けられる。僕は噛みつこうとしている左わき腹に防御強化をする。これでより強固な守りになる。防御強化に振れる魔力は決まっている。もしそれを超えて魔力を込めると暴走して消えてしまうのだ。だから部分的にだけ強化をする使い方が主流となってくる。




「まだまだーーー!」




 僕は噛みつかれた状態で剣を首に打ち付ける。お互いに防御と攻撃で相手を仕留めようと接戦する。噛みつく力が増す。僕の剣で打ち付けるスピードが増す。




 お互いがお互いの攻撃で限界が近づいてきた。そして結局目の前が真っ暗になる。魔力欠乏。魔力を使い過ぎると起こる現象で、人によって症状が違う。僕は気絶してしまう。でも、取り合えずは何とか守れた・・・・かな?魔力弾を打ち上げておいたから、助けも来てくれるだろうし・・・・・・・・・・。



次回も早めに投稿します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ