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第4話 魔法使いと見習い騎士入団試験

 やっと騎士団入団試験です。合格か不合格はわかりません。

「行ってきます」


「逝ってらっしゃい」


「あれ?なんか・・・・違う気がする。」



 軽く手を振る無表情な彼女に自分の事を何も感じていないのでは?と感じる事は良くあるけれど、実は常に無表情のようで、色々表情の変化が読みにくいだけだ。寧ろ感情豊かなんだ。今日もそんな彼女が美しく、そんな人から教わっているのに、自分はどれだけ幸せ者なのか自覚した。そしてそんな彼女を誇らしく思う。



 さあ、僕は剣士になる。これからまた人生をやり直すのだ!



********************************


「うん。やっぱり上手くいかないね・・・」



 修行している場所は森の中。


 そして王都も森を脱出する必要がある。つまりは・・・・・。





『ぶもーー!』


 オークが現れた。いやいやいや、なんでだよ!この門出にまたオークかよ!けれど仕方ない。ここ3か月で修行した結果を見せてやる!




「ほーーーーーりゃーーーーー!」



 オークの振りかぶる棍棒が迫る。それを身体強化した僕の体が華麗に回避!



 バシュン!



 僕の体が空中を華麗に舞う。どうやって?足での強化をしたけれど、早く走る事は出来ても高くは飛べない。そして早く走る事を中心に習得したから、飛ぶなんて空中で無防備になることをする訳がない。でも何故僕が空中で華麗に鼻血だしてスクリュー回転しているのか・・・・・。それはオークの棍棒が僕に真正面にアッパーで振り上げられたからだ。そこに自分から突っ込んだんです。はい!


 所詮3月経験の僕がいきなり戦闘経験を積むことなんて出来るはずもなく、初撃で吹き飛ぶ。そして木にぶつかる。


 自分の体がバラバラになったかのような痛みが襲うけれども、なんとか動く。どうやら服に掛けているこの防具強化が役に立ったようだ。体から傷が癒える。


 さて、オークの攻撃は一度で気絶しなくなったと言っても、痛い事は変わりない。しかも騎士門下生になる為の試験をこれから受けに行くのだ。ここで魔力と体力を使い果たしたら不味い事位は理解出来る。



「でも。」



 でも、それでもこいつを乗り越えなければいけない気がする。こいつを乗り越えなければ前に進めない気がするのだ。だから・・・・。



「こいつを倒して前に進む。幸い1体だし何とかするんだ!」



 僕は前へと駆け出す。



***************************************


「おい、今回の試験はお前が担当か・・・・」


「・・・・・・・ああ。」



 俺は今回のこの試験の担当の一人だ。そしてもう一人が俺と同期の奴が一緒らしい。あ、同期と言ってもこいつ程俺はごつくねーよ?片目に縦に傷が入っていたりしないのさ。ああ、こんなくだらない仕事終えてさっさと女の子の店に行きたい。騎士って魔法使いの試験を落ちた奴らの中で、ほぼ男ばかりのむさ苦しい場所なのだ。



「あーあ、期待するだけ無駄だと思うけど、可愛い女の子来ないかなー?」




 俺は頭の後ろで手を組み、柱に寄り掛かる。ザ!退屈を表した俺の態度に、目の前のザクスは反応する。



「おめぇ見たいなニンジンのような顔がモテる訳がねー。きっちり仕事しろ」


「んだと?くっ、朴念仁にそんな事言われるとは」




 俺はそろそろ試験開始時間なのを確認しつつ、扉を閉めようと思った。そしてやはり運命の出会いは無いのだろうと確信しつつ、片方の扉を閉める。

 しかし、俺は何か異様な者がこちらに猛スピードで走って来る。



「すみません!」


 猛スピードで近づいて来たのは少年だった。まさかこんな坊主まで?とも思ったが、足には自信がありそうな為パシリには便利そうだなー、位にしか思わなかった。



「すみません。会場はここですか?」


「ああ、合ってるぜ。でもよ、騎士見習いの試験だ。だから魔法使いの試験ではねーよ」


「ああ、じゃあ大丈夫です。お願いいたします。」



 そういうものの、見た目ボロボロ、でも体に傷は一つも無い。つまりはお金が無いからこの服を着ているのか、傷を治したかだ。そして傷を治す魔法は超高位の魔法使いだけなのだ。  

しかし、服には魔物の青い血が付いている。つまりさっきまで戦闘をしていたからボロボロなのだろう。ここまでボロボロになっているという事は恐らくゴブリンだろう。もっと強い魔物と戦って、ここまでボロボロだと既に死んでいるはずだからだ。

何とか命からがら戦闘して、何度か攻撃をしたが、倒せなかった為に逃げて来た口だと容易に想像できる。



「さっきまで魔物と戦闘してきたのか?」


「はい。それで遅くなりました。」


「その魔物はどうした?」


「はい、時間が無かったので(倒して)置いてきました。」


「そうか。(町の門前の衛兵に)置いて来たのか」




 俺のその反応にザクスの奴が首を捻るが、今はどうでもいい。先ず俺はこいつは落とすつもりでいくことにする。何故って?そりゃあ、勝てなかったら他人に任せるのはいい。だが俺たちは冒険者ではなく騎士だ。勝てない相手でも逃げちゃいけねー。だから俺はこいつを落とすと決めた。



「よろしくお願いいたします。僕はアレク・ソルーナです。」


「俺の名前は覚えなくていい」


「俺はザクス・リューグナー。こっちのニンジン顔はネル・オーヘンだ。」



「お、おい!」



「お前は偏見で見過ぎだ。その内足元を掬われるぞ」




 ザクスはそう言って歩いていく。ゴブリンを放置して、他人に倒して貰う程度の奴に何肩入れしているのか疑問に思うが、やっぱり真っ先に落ちると思った。



**********************************


 試験は3つのようだね。僕は先ず筆記試験をする。先ず騎士は学歴がある者が多い為、文字が書けるようでなければならない。そしてまた僕も魔法使いをしていたために文字は簡単に書けるのだ。


 試験問題を見てみると、簡単過ぎた。だからスラスラと全て解く。



 僕はその後、体力テストの為に外へ出る。そして腕立て、ベンチプレス(重りを持つ)、単距離走を身体強化あり、無しの両方で測る。


 僕はその差が大きいけれど、何とかやり切った。



次に戦闘試験だ。


 これはさっき門でいたネルさんと戦うらしい。さっき怖い雰囲気を出していたけれど、やるしかない。

 今も結構怖い顔をしているけれど、僕はエリスさんの弟子入りする為にここにいる。だから絶対に合格しなければならないんだ。



「よろしくお願いいたします。」


「ああ、さっさと掛かって来い」


 僕は試験用の木剣を構えると、三点強化をする。身体強化、武器強化、防具強化。それを見たネルさんは顔を傾ける。何か疑問に思ったらしい。



「行きます。とう!」


 先ず、正直に真っすぐ走って、上から下へ振り下ろす。それをネルさんは木剣で受ける。けれどもその木剣が切断される。


「え?」


「は?」



 ネルさんの木剣が真っ二つの状態で空中を舞い、そして地面に刺さる。それを見たネルさんは木剣を捨て、新しい剣を出す。



「どうやら、さっきまでの試合で腐っていたようだ。」


 そう言うと構えて攻撃しだす。僕は袈裟切りをバックステップで避けて急加速でまた接近する。今度は突きを行う。それをネルさんは防ごうと剣を引き戻す。そして木剣で防がれてしまう。


 けれどもその新しくしたネルさんの木剣が弾け飛ぶ。そしてネルさんも尻もちを着いて驚いている。ネルさんはどうやら舐めすぎていたらしい。普通に他の騎士候補生と同じようにすれば簡単に負けていただろう。



「えっと・・・・。」


「つ、次・・・・」



 次の人に変わってしまった。僕はどうすればいいか分からず、周囲で見ている人達の中へと消える。


 僕は他の騎士達の動きを見る。僕は全て独学と模倣、発展をしてきた。だから僕にとって、剣を振るわれるのを見るのは稽古と同義なんだ。だから僕はじっと見る。



約1名こんな教師いたので半分実話です。(リソース私)

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