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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第四章 黒尾の逆襲
80/218

77話 村岡の逆襲1

76話で校長が和樹に依頼したとなっておりますが、理事長に変更しました。

此処から村岡の回想になります。

数日後


「俺は何故あの時殺されねばならなかったのか…何故…何故…何故…」


殺されてからというもの、村岡は学園の玄関の片隅でその事ばかりを考えていた。

以前、自殺した人間は自殺した場所に留まり同じ事を繰り返すと書いた事があったが、殺された人間は留まる事は無く寧ろ自由に動き回る事が出来るが村岡の場合は動く事は無かった。

夏休み中こそそこに留まり殺された理由を考えていた村岡ではあったが、答えが出ない。


何故…何故…何故…


繰り返される自問自答


あの時、殺される恐怖と逃げる事に必死になっていて教師達の言葉は殆ど聞こえてはいなかったが為に殺された理由に気付いてはいないが、怒りが無い訳はなく、黒い霊気が徐々に村岡を支配しつつあった。


そして夏休み終了10日前


「シッカし村岡もバカだよね」


「あの塚の秘密を追わなきゃあんな目に遭わずに済んだのにね。それにアイツの最後の顔…メッチャ笑えたわ」


「ホント(笑)後、あの場所で首を吊っていたと言うだけで他殺を疑わない警察ってホント役立たずのバカヤロー達だよね」


「そうそう…此処に犯人が居るのに何の疑いもしないんたからホントバカだよね」


「そのおかげでタップリご褒美貰えたし内申点だって優遇して貰えるんだから…その辺は村岡に感謝だけどねー」


「「言えてる〜」」


キャハハハ…


「でも、紗弥加のヤツ1番の功労者だからって御主人様達に馴れ馴れし過ぎじゃない?新参者の癖にさ」


「言えてるねソレ…2学期が始まったら潰しちゃおっか?あの暑苦しくて鬱陶しい桐原と一緒にさ」


「良いねそれ…やっちゃおうか!」


「サンセー」


村岡を嘲り笑いながら3人の女子生徒が玄関を出て行く様子を黙って見ていた村岡は塚と言うキーワードにハッと正気を取り戻し彼女達の話しを注意深く聴き取る。

彼女達は教師達の醜い欲望の餌食になっているのは知っているし、もうそこから脱出出来ないだろうと言うことも理解しているが、それは校長と教頭からの洗脳により無理矢理精神を作り変えられた結果だとは思ってもみない。

彼女達は教師達から人前で脱げと言われれば脱ぐしその場で惜しみなく痴態を晒せるし、死ねと言われれば死ぬだろう。


塚ってのは前川勘兵衛守定近の事か?

あの塚の秘密を探ったが為に俺は殺されたのか?

てか、桐原先生を潰す?

この犯罪者のド○ゾ軍団め!!


繋がらなかった点と点が繋がった様な気がしたが桐原先生を標的にすると言い出した3人を見過ごす訳には行かなかった。


桐原先生とは

桐原克哉48歳独身

サッカー部顧問で3年の数学を受け持つ教師で学園内の全教師の中でも1番正義感の強い教師だ。

村岡はこの教師の事を1番尊敬していた。

そんな先生を次のターゲットにしたと訊いてしまっては黙って見ている訳には行かない。

自分がどぉ言う立場になったのか、そしておそらくこの学園全ての人間には自分の存在も知られる事は無いだろうし話ても声すら届かないだろうと認識していた。けど、尊敬する桐原に手を出す事だけは見過ごす訳には行かない。


沸き起こる激しい怒り…その怒りが遂に爆発し村岡を突き動かす。


「「「ヒィッ!!」」」


怒りが爆発したせいでSSR級化してしまい、昼間にも拘わらず実体化した村岡が3人の前に立ちはだかる。

突如として現れた死んだ筈の村岡を認識した3人は短い悲鳴を上げて学園内に逃げ込もうとする。


「逃がすかよ!」


突き出した両手から出た黒い霊気が3人に纏わり付く様に絡むと、まるで金縛りに遭ったかの如く動きを止めるが意識はある為に村岡から目が離せない。


「コッチへ来い」


黒い霊気が3人の中に完全に入り込むとまるで操り人形の様に村岡に従い再び学園の中に入って行く。


「よくも殺してくれたな…楽に死ねると思うなよ」


「「「・・・ 」」」


黒い霊気が3人を捉えた時点で3人の全てが村岡に掌握されており抵抗は出来ないが、意識は有るのでその恐怖は計り知れないだろう。


此処は…


3人が連れて来られたのは視聴覚室。

窓一つも無く防音設備も完璧なこの部屋は普段から教頭と校長がラブホ代わりに使用している部屋だ。


「な…何でもしますから…お願いだから殺さないで…」


視聴覚室に入った途端、声を出せる様にした村岡。すかさず3人の中で1番気の弱い羽田宏美が命乞いを始める。


「他人が死ぬのは良くて自分が死ぬのはダメなのか?どんだけ自分勝手なんだよテメー等は!」


然し、怒りが収まらない村岡にこの言葉は彼の怒りに火を注ぐだけである。

村岡は殺されてしまったが為にその魂は100%の状態で現場に残っている。

レイが定義したランクに当て嵌めるのならLRいや、GR級の幽霊に成れる筈なのだが、怒りが強過ぎてSSR級として覚醒したのだ。

つまり、怒りの黒い霊気が幽霊のランクアップを阻害していると言っても過言ではない。

とは言え、レイが苦労して習得した壁抜けやアンテナ飛ばし等は既に使える所を見ると基本スペックではレイを上回るのは間違いなく、祓い屋の間ではこの様な幽霊は悪霊又は怨霊と呼んでいる。

勿論、悪霊や怨霊からでも神にはなれるのだが、それでは悪神や邪神と呼ばれる生者に害悪を撒き散らす存在にしかならない。

真智子がレイの怒りをセーブしているのはそちらの方向に行かせない為だ。


話を元に戻そう。


黒い霊気を纏い羽田宏美を威嚇する村岡。だが、時は元に戻せる筈も無く宏美は股間から生暖かい液体を垂れ流しながらも謝罪するしかない。


「何よ!お前があの塚をしつこく調べたか悪いんじゃない!自業自得だよ!」


恐怖で萎縮する心を逆ギレと言う形で奮い立たせて反論したのは赤井芳恵だ。


「ほぉ?では訊くが誰か1人でもあの塚を調べるのは辞めろ!じゃないと殺されると忠告したヤツは居たか?お前達がやったのはオカ研を潰そうと実力行使しただけだよな?俺も他の部員も誰一人忠告された覚えはない!

それに俺は教師がお前達を性奴隷として飼育しているのは知っていた

教師達は俺をこのまま野放しにして置くわけには行かない

だから殺すって話じゃないのか!?

お前達はそれを知っていて俺を殺すのに加担した!違うか!?」


グッ!!


村岡の怒りを象徴するかの如く黒い霊気が手の形になり宏美と芳恵の首を絞め上げる。


「ヤメテェ〜!調子に乗った私達が悪かったの…塚を調べる者は殺せと命令されているのは教頭と校長なの!誰かまでは知らないの!本当にごめんなさい!だから殺すのだけは許して!」


「それは何処のどんな奴だ!吐け!」


「し…知らない…本当よ…知っているのはあの5人だけなの…

私達は先生の命令に従うだけの人間以下の存在なの…

人が死ぬ所が見られるかもって調子に乗った私達が悪いの…死ぬのはイヤ…許して…」


黒い手が2人の首を絞め上げるのを目の当たりにして本当に殺されると思った町田明里が心からの謝罪の言葉を述べるが残念ながらその言葉は村岡に届かない。


「ダメだな…お前達の命は俺が貰う!俺が受けた痛み苦しみ悲しみを味わって死ね!」


3つ目の黒い手が明里の首を絞め上げる。

人間は死ぬとその先は何もない無だ。幽霊なんか存在しないと信じていた3人は自らの愚かさを呪い、心の中で誠心誠意謝罪しながら全ての抵抗を止めて覚悟を決めた。

3人の命は風前の灯火であった。


所が


辞めた…このまま殺しても面白くない…


ニヤリと厭らしい笑みを浮かべて3人の首を絞め上げるのを止めた村岡に安堵の表情を浮かべる3人であったが、助かった 許して貰えた訳ではない。

3人にとっては寧ろ此れからが生き地獄が待ち受けていたのであった。


書ききれない…少し長い話になると思います。

浦川学園の話はかなり性的な色が濃いのですが、殆ど割愛させて頂きます。

何卒ご容赦を

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