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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第四章 黒尾の逆襲
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第75話 理事長動く

荒尾圭子「あんのクソ幽霊共が邪魔さえしなければ今頃この部屋で3人の女教師を調教出来たのにぃ〜〜!」


伊東直道「なぁーんだ…成功したのは結局俺だけか?」


村岡隆也「先手打てたから成功したってだけだろ?その後、シッカリと消されていたじゃねぇかよ」


伊東直道「村岡さん?見ていたなら助太刀してくれてもよかったんじゃね?そのおかげでパワーアップ為損なったじゃねぇかよ」


村岡隆也「るせ!ヤられたのは自己責任だっつーの!」


佐伯澪「てか、何で増田和樹が存在しているのよ!?アイツは完全に消滅させた筈じゃなかったの?」


村岡隆也「増田和樹…?あぁ…あの鬱陶しかった祓い屋かぁ…」


佐伯澪「あぁ…じゃないわよ!村岡さん!」


伊東直道「魂喰の先生がヘマこいたってだけだろ?

それより、此処まで話がデカくなったら奴等今度は乗り込んで来るぞ?

そっちの方の対策を考える方が先だろ」


村岡隆也「奴等があの忌々しい結界を通り抜けられる訳ねぇだろ…不本意ながらアレは俺達とってのセーフティゾーンだ」


佐伯澪「だ・か・ら!アレを解除出来る祓い屋がバックに居たらセーフティゾーンがセーフティゾーンじゃなくなるって話よ!?そんな祓い屋が乗り込んで来た場合、私達じゃぁ何とも出来ないわよ!?」


伊東直道「そうイキるなよ澪ちゃん。アレを解除出来る祓い屋なんてこの国を探してもそんなに居る筈がねぇ…もしそうなってもあの御方がシッカリとフォローしてくれるだろうぜ。」


荒尾圭子「直くんは良いわよねぇ…1人だけ目的を達成して満足してんだからさ…私と澪は失敗して…って…今更なんだけど、蓮月を襲っていた分身体5・6・7号が獣の咆哮みたいな声を聞いた後、消えたのだけど誰か正体を知らない?」


「「「「獣?」」」」


荒尾圭子「何か、デカい犬みたいな…犬に似た獣の様な咆哮だったのだけど…」


伊東直道「知らんなぁ…そんな獣が存在していたのなら有名になっている筈だしよ」


荒尾圭子「そうよねぇ…」


村岡隆也「それって生者を食わずに分身体のみを食ったって事か?」


荒尾圭子「たぶん…」


村岡隆也「・・・まさかな・・・」


荒尾圭子「ねぇ、村岡さん何か知ってるの?」


村岡隆也「いや…俺の考えすぎだ…有り得ない話しだからな。それより今夜も仕掛けるのか?ヤスくんよ」


黒尾康夫「いえ…皆さんお疲れの様ですし、使える駒も御座いませんので今夜はお休みと言う事で」


佐伯澪「ちょっとぉ…此処で追い打ちをかけないと元の木阿弥になるのじゃない?アンタ莫迦なの?」


伊東直道「俺はまだまだ行けるぜ?もうひと騒動起こすか?」


安田哲也が頭を抱えていた頃、浦川学園視聴覚室では


村岡隆也

荒尾佳子

伊東直道

佐伯澪

黒尾康夫


の5人が集まり、昨日の成果とレイ達への対策を話し合っていた。


まぁ、話し合いと言えば聞こえは良いが、自らの行いを自慢しあうだけだ。

昨日の事件が上手く行っていたのならホームレスがどんな表情をして死んだかとか、女教師をどの様にして犯して屈服させたかとか自慢話をしていたに違いない。

然し、レイと真智子の活躍により阻止されてしまったが為に


「まぁまぁ…これも全てあのクソ幽霊を倒す為の作戦ですから…」


5人の中で1番過激で沸点の低い澪が煮え切らない態度をとる黒尾に噛み付くも肩透かしを食らってしまう。


澪「何かシラケちゃった…美術室もーどろっと…」


直道「俺も音楽室へ戻るとするか」


圭子「じゃあ私も理科室へと戻るね…」


これ以上黒尾に噛み付いても無駄だと悟った3人は其々が普段塒にしている場所へと戻って行く。


「・・・で?一体全体何を考えているのかな?ヤスくんよ?」


2人になった所で村岡が黒尾を問い詰める。

5悪No.1ってのは伊達じゃぁない。5人の中で1番警戒心も霊力も強く、狡猾で残忍なのが村岡隆也と言う幽霊なのだ。


「返答次第では敵にも味方にもなるが?」


今の強さではどお逆立ちしてもレイには勝てない。

奴に勝つにはそれ相応のリスクを背負ってでもパワーアップする必要がある。だから策を巡らせて上位の者達を疲弊させ取り込もうと考えていた黒尾の浅はかな考えは看破されていたのだ。


「フッ…フフ…フフフ…流石は村岡さんだね…驚き過ぎて笑いしか出ないぜ…」


バレていたなら仕方がないと言わんばかりに笑う黒尾に激昂する事なく「話さないのなら俺は降りる」と消えようとする。

然しながら、此処で村岡に降りられては自らの目的を達成させる事は難しいと解っている黒尾は本当の事を話し出す。


「・・・悪いがヤスくんの目的には加担出来ない

俺は降りる」


それが村岡の下した決断である。

何でだ?と食い下がる黒尾に対して


「リスクが高すぎるし俺以外の面が割れた以上、対抗策を取られたら勝負にもならない。

それに俺の復讐は終わってない以上、浄化も消滅もさせられる訳に行かねえ」


との事だ。


然し、本当の目的を話した以上、このまま逃がす訳には行かない黒尾はここぞとばかりに勝負に出る。



……………

………


「そっ…そうだ!事件は飽くまでも学園の外で起きた事…なので、学園側には一切の責任は無い!

警察は四谷様が抑えている筈だから後ろに手が回る筈がない・・・コレで行こう!

ウン!コレしかない!!流石は私!」


四谷に操られ、何時の間にか「事なかれ主義バンザイの保守系人間の権化」と化した安田は自らの案に自画自賛していた。


その時


ピンポーン


「誰だよこんな時に」


突然、森田警部と箕浦刑事を従えた理事長が安田を訪ねて来たのだ。


「これはこれは理事長…今日は如何様な御用で…そちらは何方ですか?」



普段から他人と殆ど関わらない関わろうとしないのがモットーの安田は理事長の横に並ぶ2人の顔は知る由もなく訝る様に見る。


「初めまして。

私達はこう言う者です

貴方は浦川学園校長 安田哲也さんで間違いないですか!」


警察手帳を見せた後、念の為に本人確認をする森田警部を前に、内心狼狽えながらも冷静を装い「ですが…何か?」と素っ気なく返答をする安田。

そんな安田に対し、一瞬、哀れむ様な表情を浮かべたものの、直ぐに険しい表情になり


「貴方を学歴詐称及び教員免許不正取得。更に殺人教唆罪での疑いが掛けられています。事情聴取の為、署までご同行願います」


「なっ・・・」(四谷様が私を見捨てた・・・のか?いや…何かの間違いだ…そうだ…黙秘だ…黙秘して逃げ切れば良い…直ぐにでも四谷様が助けてくださるに違いない)


夕べの事件の事かと思えばまさかの事態にパニックになりかける安田であったが、四谷を信じて助けを待つ事にし、任意同行に同意する。


「これで良かったのですかな…ゆう子さん?」


警察の車に乗せられた安田を見送りながらボソリと呟く理事長の前にまるで煙の様に現れたゆう子が感謝の言葉を述べた後、煙の様に消える。


お互いに善悪の区別が付く大人でしょうに…残念ですよ…とは言え、虐められた生徒を見殺しにして来た私も安田校長と同罪なのでしょうね。


それから間もなくやって来た迎えの車に乗り込んだ理事長は良心の呵責に苛まれながらも此れからの事を考える事にする。


翌日


安田校長が逮捕されたとの情報が雨音の街を駆け抜けたのだが、誰一人として同情する者は居なく「やっと天罰が下ったかザマァ!」と安田を揶揄する者まで居たと言う。


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