第6話 俺の名は
既に騒霊ソーレイの設定からズレが生じてますが、気にしないで行こう
(オイオイオイ!このままでは逃げられちまうぞ!?)
逃げられると思った俺は思わず抗議の声を上げると既に手は打ってあるとの事。
はぁ?手は打ったぁ?
俺には何が何だか解らないのだけど?てか、様子を見ていた限り何かやっていたとは思えないのだが?
真智子のやっている事に着いて行けずに間抜け面を曝してる俺が面白かったのか、クスクスと笑いながら目の前の光景とは別の光景を映し出して見せてくれた。
何じゃこりぁ~~!!
俺の目の前に展開されたのは右半分に現時点の映像を、左半分に奴等の映像が展開され、まるで警備員室で監視カメラの画像を見ている警備員の気持ちになる。
笑いながら後で詳しく教えてあげるよと言いながら、本体は勲と名乗った幽霊と話をしている。
「どのみち、アイツ等は何も出来ない様に仕向けてあるから対策は明日にしようか。それと、奪った物は現金以外はあの建て屋に棄ててあるみたいだから通報宜しく」
「解ったよ。じゃあ、また明日な」
新たなる獲物が見付からなかったのか、二人組はパチンコ屋に入って行くのが見えたので、勲と明日の日没直後に繁華街に在る5階建てのビルFZの屋上で落ち合う約束をして別れた。
時刻は19時半過ぎ
「何がどおなったのか訳ワカメだよ!説明して下さいよ」
繁華街へと向かう最中に先程の事を真智子へ質問すると、やり方はコヨミから学べると思うから省くけどと前置きをして以下の様な説明をしてくれた。
1・主人格の交代。
これは俺と真智子が同化した結果であり、真智子のエネルギー残量が80%以上の時に限り任意でも強制的でも俺と入れ替わる事が出来るとの事。
真智子のフル充電状態から入れ替わり可能時間や活動限界時間を調べる必要が有るな。
2・アンテナ飛ばし
幽体の一部を切り離して離れた場所の様子を見る事が出来る。然も追跡型、設置型とその時の状況で使い分けが可能。
更にアンテナの場所に瞬間移動も可能との事。コレ、使いこなせる様になったらメッチャ便利じゃね?街のアチコチに設置して見る事が出来るしよ。
3・道具の創造
内包する霊力を利用し、道具を具現化する事が出来る。ハンマーはこの力で造り出したとの事。
4・憑依
勲も使っていた能力がコレ。憑依した生者に憑依されたと気付かせずに自由に操る事が出来るが、霊感が強い生者や俺達幽霊にも見分ける事が可能で多用するのは危険。
それと、波長の合わないヤツには憑依不可との事なので使い勝手は良くないかな。
たまたまあの二人と波長が合ったので10%程の分身体を憑依させて人の居ない方へと誘導したとの事。
今回はアンテナと合わせて30%の力を切り離していたみたいだな。今の俺には気付けなくても仕方がないけど、遠隔操作可能との事。
と、まぁ、4つの能力を使っていたとの事だが、もう一つ気になっている事が有るのでその事を聞いてみた所
「幽霊にダメージを与えられるのは幽霊以上の存在よ?後は霊能力者くらいかな」
との事であった。
けど、あれだけヤられて勲ってヤツもどれだけ強いんだよと思っていたら幽霊にも色んなタイプがあって勲は防御能力に特化した幽霊らしくてあの程度では然程ダメージを受けていないとの事。
ん?って事は、強さによってランク分け出来るんじゃねぇの?とか考えたのだが、今は深く考えるのは止めておこう。
そんなこんなで時刻は約束の時間になろうとしていたので待ち合わせの場所に行ってみた。
「じゃあ、私は暫く隠れるね」
そう言い残して気配すら消してしまう真智子。
「待った?」
友達と待ち合わせした様な気軽な感じではなくまるで恋人とデートの待ち合わせのノリで時間ピッタリにやって来たコヨミに俺も今来たところだと言うと、安堵したかの様な表情になるコヨミに思わず
「コヨミさんって、変わり者だねとか言われない?」
と聞いてしまったのだが、馬鹿が憑くほど正直なのか
「よく言われるよ?世間一般ではアタシみたいな女は腐女子とか言ってるし」
と、あっけらかんと暴露する。
「腐女子?」
耳慣れない言葉に思わず聞き返した俺に腐女子の説明をしてくれたのだけど…
「学生の頃にそれ系の漫画も書いていたしね。」
いゃぁ~~真智子が和樹に戻りたいと言わない理由が解ったよ。
てか、俺にそんな趣味が無くて良かった。
だってバレたら大変だぜ?有らぬ妄想をしてヨダレを垂らしながらグフフと笑ってそうだし。(想像するだけでコェェ〜…)
然しまぁ、それはその人の趣味の世界であるので、俺をそっちの世界に引っ張り込んでくれなければOK。
「そっち系の話しは此処までにして、今後の事を話そうか?」
そうなんだよ。コヨミは俺の過去を探す手伝いをする代わりに俺はコヨミの仕事の手伝いをすると約束してるんだったな。
で?コヨミは俺に何をさせたいのだろうか?
「先ずは本名が解らないので何て呼んで良いか解らないから当面の名前を決めましょう。」
そうだよな…先ずは渾名でも良いから俺の名前を決めておかないと何かと不便だよな。
( -_・)??ちょっと待てよ?
このまま行くとコヨミの趣味が反映された名前を付けられやしないか?
俺が考えた方が良くね?
そう思った俺はコヨミを止めようと思ったのだが、時既に遅し。
「じゃあ、ポチ・タマ・コーヒー・ミルフィーユ・ビッチの内どれが良い?」
うーん・・・って!ちょっとまてぇ~~い!!俺はオメェのペットでも無ければ食品でもねぇ!さいごのビッチってなんだよそれ!?間違いなく俺を弄って遊ぼうとしてるだろ!?
ンなもん却下だ却下!!
マッタク、トンでもねぇセンスしてやがんなぁと思いながら全力で断ると今度は
「うーん・・・ビッチなんて面白いと思うけどなぁ・・・じゃあ、ヲタ・M・BLでは?」
またかよ。然もBLって・・・まさかとは思うけどコイツの脳内って男だらけの薔薇園が広がっているんじゃねえだろうな?そして当然の如く全力で却下した後で
「テメェ!ふざけるのも大概にしろよ!?」
と、イライラメーターMAXで却下して真面目にやらんと2度と会ってやらんぞと脅しをかけると笑いながら謝って来たよ。
「ゴメンゴメンwww弄るとどんな反応するのかなと思ってつい…ね…じゃあ、真面目に・・・レイってどお?」
まぁ、コヨミはコヨミで俺がどんな性格をしているか知りたいから態とやってみたと云ったところか?でもレイって、まさかとは思うけど幽霊の霊から来てるんじゃねぇだろうな?
フとそんな疑問に襲われた俺は問い質してみたのだけど、どおやらコヨミが一番好きな名前みたいだな。
レイか・・・悪くないな
「うん!その名前で良い!」
何でか解らないけど、全力で返事をした俺の反応に頬を赤らめてコレから宜しくと深々と一礼するコヨミ。
その表情・・・まさかとは思うけど、俺に惚れたんじゃあねぇだろうな?
ハハッ!まさかな…
然し、このまさかが十年後にトンでもない結果を招く等とは当時の俺には知る由も無かったのである。